映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

暮れ逢い(2014年)

2020-12-23 | 【く】

作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv56907/

 

以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。

=====ここから。

 1912年、才気あふれる青年フリドリック(リチャード・マッデン)が裕福な実業家ホフマイスター(アラン・リックマン)の個人秘書として採用され、彼の屋敷に住むことになる。

 ホフマイスター家の人々とともに過ごすうちに若妻ロット(レベッカ・ホール)と惹かれあうものの、互いにその胸のうちを明かすことをせずにいた。

 そんな中、突然フリドリックが2年間メキシコに転勤することが決定。二人は堰を切ったように互いへの思いを伝え、2年後も変わらぬ愛を誓い合う。しかし第一次世界大戦がはじまり、激動の時代に二人は大きく翻弄される……。

=====ここまで。


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 今年も残すところあと1週間。速いなぁ。まったく、コロナコロナに明け暮れた年だったけど、来年も続きそうでウンザリ。これから本格的に寒くなることを思うと、感染はますます広がるんでしょうね。もう、いつどこで誰が感染してもおかしくないです。

 そんな気分を紛らわしてくれるのが良い映画! ルコント監督の映画なんて、久しぶりだわ~。


◆ほんのりルコント節

 いや~、描き方によっては、ホントにどーでもいい映画になりそうな話を、さすがはルコント! 面白く撮っていらっしゃる。原作は、あのステファン・ツヴァイクの短編だとか。

 年の差夫婦の若く美しい妻と、さらに若い、しかも優秀な男性が、一つ屋根で暮らすようになれば、そらそーなるでしょう、、、という感じの展開。しかし、この2人は、絶対に一線を越えないのである。ううむ、、、これはキツい。

 しかも! そんな状態のまま、2人は何年も離れ離れになるんである。互いの気持ちを確かめはするものの、セックスしないまま、、、。そんなのあり?? おまけに、若妻の夫は、そんな2人の気持ちを知りながら、嫉妬に狂いつつも知らぬふりをして、さりげなく2人の邪魔をするという“いけず爺ぃ”なんである。

 この若者といけず爺の2人の男の描写が実に面白い。この辺りがルコント映画。

 リチャード・マッデン演ずるフリドリックは、若妻ロットが弾いたピアノの鍵盤を、最初は指でナデナデしていたかと思うと、次は頬をすりすり、、、そしてキス。しかも、それをメイドに見られているってのが、官能シーンっぽく撮ってはいるけど、コメディだよなぁ。このリチャード・マッデンの演技、なかなか見せてくれる。

 いけず爺ぃを演じるのは、アラン・リックマンなんだが、フリドリックと妻が庭で楽しそうにはしゃいでいるのをカーテンの隙間から見ていたり、ディナーで自分だけ先に席を立ってフリドリックと妻を2人きりにしたり、、、。

 結局、フリドリックがメキシコに旅立った後に第一次世界大戦が始まってしまい、当初の2年の予定が大幅に伸びてしまう。その間、途中でフリドリックからの手紙も絶え、2人の愛の誓いが実を結ぶんだろうか、、、と見ている方はちょっとヤキモキするわけだ。何しろ、この2人は肉体的に結ばれていないのだからね。


◆めまいがするような……

~~以下、結末に触れています~~

 面白いとはいえ、まあ、往年のルコント作品からすればかなり大人しい。さしものルコントもお年を召されて枯れたのか……と思いきや、ネット上の彼のインタビューを読んで、ゼンゼン枯れてなさそう!!で安心。

 インタビューで、彼はこんなことを言っている。原作のどこに惹かれたのか、と聞かれ、、、

「愛が時間の流れに勝てるかどうかより、欲望は時を超えても持続するのか、ということに興味を持ちました。愛を告白しながら、のちにお互いのものになると誓うなんて、めまいがするような考えです。この物語の主人公たちは強い欲望を感じながら、互いに想いを告げることはない。これには正直、感動しました。」

 おぉぉ、、、そうよそうよ、それそれ!! めまいがするよ。

 でも、原作は、何と再会したフリドリックとロットは「まるで他人同士で、冬景色のなか、欲望は枯れ、愛は凍りついています。」だそうだ。そらま、そーでしょう。若い男、しかもイケメンが、何年も物理的に離れている一人の女性のために誠意大将軍でいられるわけがない。むしろ、原作は極めて現実的なんだろう。

 だから、本作ではルコントがこのようなラストにしてくれたのは、ちょっと嬉しいかも。やっぱり、あり得ないこととは思っても、ハッピーエンディングは、見ている方も幸せな気持ちになれるもんね。

 本作でのフリドリックとロットも、再会直後は他人行儀なんだが、しばらくして互いの気持ちを確かめ合って、ようやく、、、やっと、、、、、何年かの長い長いプロローグを経て、キスしてエンドマークとなる。キスで終わり。そこも、奥ゆかしいというのか、抑制的というのか。あの後、2人はどうするんでしょうねぇ。

 ルコントはインタビューで、2人が結ばれないまま離れ離れになったのは、あの時代ゆえか、と問われて「そうではないでしょう」と否定している。私もそう思うなぁ。恐らく、ロットは夫のある身で、フリドリックはその夫の秘書で、ってことで、互いに自重し合ってしまったんでしょうね。私がロットなら、2年も我慢なんてムリだから押し倒しちゃう。でも、そんな女じゃこの話は成立しないし、だからこそルコントは「感動しました」と言っているのだろう。

 本作では、2人は長い年月を経ても結ばれるようだから結果オーライだけど、現実では、欲しいと思ったらその場でゲットしないと取り逃がすね、まず間違いなく。恋愛に限らず。というのも、先日、来年のカレンダーで素敵なのを見つけたんだけど、他のを見ていたら買い忘れてしまい、数日後に買いに行ったら売り切れていたのよね。「これイイ!」と思ったら即ゲットしないと。本でもそう。後で、、、、と思っていたら、いつの間にか絶版になっているなんてこともある。

 ……何の話だ。とにかく、ルコント作品を久しぶりに見られて良かった。次は、フランス映画、また撮っていただきたい。

 

 

 

 

 

 

 

自分の妻に惚れている青年を自宅に住まわせる老紳士の心理はいかに、、、。

 


 

 



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2 コメント

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リチャマ♡ (松たけ子)
2020-12-24 21:00:24
すねこすりさん、こんばんは!今日は世間ではクリスマスイヴとかいう日らしいですね!🎅
この映画、切ないロマンスなはずなのに、何か滑稽ですよね~。そういうところが凡百な監督とは違う、ルコント監督らしいところでした。
欲しいと思ったらすぐゲット、これ本当に痛感してばかりです。後でいいや、で後悔してばかり。あんとき加湿器、買っとけばよかった(涙)。売り切れてた😢
今年ももうすぐ終わり。無事に年を越したいですね(^^♪すねこすりさんの映画おさめは、どんな作品になることでしょうか。
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ケーキ食べたい。 (すねこすり)
2020-12-24 22:39:10
たけ子さん、こんばんは。
クリスマスは、私にとっては美味しいケーキを食べる日であります:-)
近所に割と人気のケーキ屋さんがあるので、毎年予約しています。それが私にとってのクリスマス♪
そう、切ないロマンスなのに、なぜか笑えるという、、、。ルコント氏、さすがです。
加湿器! この冬は必須ですね。
今年の映画おさめは、先日見た「ミセス・ノイズィ」になりそうかなぁ。
ユリコの怠慢のせいで、劇場に行く気分じゃなくなってきました。
たけ子さんは? 今年のベスト記事お待ちしています~!(^^)!
ホント、お互い無事に年を越しましょうね。
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