映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ミセス・ノイズィ(2019年)

2021-01-02 | 【み】

作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv69937/

 

以下、公式HPよりあらすじのコピペです。

=====ここから。

 小説家であり、母親でもある主人公・吉岡真紀(36)。スランプ中の彼女の前に、ある日突如立ちはだかったのは、隣の住人・若田美和子(52)による、けたたましい騒音、そして嫌がらせの数々だった。それは日に日に激しくなり、真紀のストレスは溜まる一方。執筆は一向に進まず、おかげで家族ともギクシャクし、心の平穏を奪われていく。

 そんな日々が続く中、真紀は、美和子を小説のネタに書くことで反撃に出る。だがそれが予想外の事態を巻き起こしてしまう。

 2人のケンカは日増しに激しくなり、家族や世間を巻き込んでいき、やがてマスコミを騒がす大事件へと発展……。果たして、この不条理なバトルに決着はつくのかーー?!

=====ここまで。


☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆


 2021年になりましたね。今年はどんな年になるのやら、、、。年明け早々、東京は緊急事態宣言発出がありそうな感じですが、また映画を劇場で見るのもしばらくお預けになるんですかね。

 本作は、昨年末に最後に劇場で見た映画なんだけれど、感想文を書くのが遅れて年をまたいでしまいました、、、。


◆実話の映画化ではありません。

 チラシを見て、地味な感じながらちょっと面白そうかな、と気になったんだけど、これ、原作があったんだね、、、。知らなかった。

 元ネタは大分前にメディアでも取り上げられていた(今は亡き塩爺の問題発言もあった)“引っ越しオバサン”と呼ばれる女性が、お隣に騒音で訴えられた一件。この話、私はよく知らないのだが、たまたま塩爺が問題発言した番組は見ていて、引っ越しオバサンよりも塩爺の方がかなりヤバいと思った記憶がある。

 あと、長州力の「コラコラ問答」(←ご興味ある方は検索してみてください)の動画を、引っ越しオバサンとの問答に編集してパロディー化した動画をたまたま何かの折に目にしたこともあって、この件はぼんやり記憶にあった。

 ……といっても、あくまで元ネタであり、実話の映画化ではないんだが、ネットを見ると、やっぱり“実話の映画化”と勘違いしている人もいるみたいだが、、、。元ネタのことはよく知らないので、そこはあまり興味がなく、予告編を見たときに、主人公の2人の女性がキョーレツだったので、一体どんな、、、? と思って、劇場まで行ったのだった。


◆私は正しい!!

 見る気がしない邦画が多い中で、低予算と思しき作りながらかなり頑張っていると感じた次第。

 小説家の女性・真紀の人物造形は類型的なんだけれども、シナリオは見る者の予想をちょっとずつ良い方に裏切ってくれる展開なので、最後までダレずに見ていられた。ただ、ラストがものすごく甘いので、台無しになった感は否めない。まあ、これは好みの問題かも知れないけれど。SNSでは、「泣けた」と書いている人が結構いらっしゃる様なので、、、。

 映画監督の森達也が、本作のことを「現代版『羅生門』だ」と言っているが、まあ、確かに同じ事象を別視点で描いている。あんな早朝から布団をバシバシ叩くオバサンには、そうするだけの事情があるんだ、ということを見せている。

 私が気になったのは、主人公の真紀が小説家のくせに、あまりにも想像力が乏しく、短絡的であるところ。決め付け、思い込みが激しすぎて、呆れてしまう。物書きなら、もう少し違うモノの見方をする訓練が出来ているはずなのに、……まあ、だから一発屋の売れない作家、というわけなんだろうが、それにしても、、、である。

 隣のオバサンが「私は間違っていない、間違っているのは世間の方」と自分に言い聞かせるシーンが何度があって、これは結構シビアなシーンだなぁと思った。これ、自分は大丈夫か??と自問させられる。本作のテーマはこのセリフに集約されていると言っても良く、こういう考え方が物事を拗らせる原因になっているのでは? という、制作者の問い掛けだろう。

 ネットやメディアのリンチについても描かれてはいるが、ありがちだし、他にもその手の映画はあるが、私が本作で一番心に残ったのは、上記のオバサンのセリフだ。


◆その他もろもろ

 本作は、低予算ながらヒットしているらしく、「カメ止め」を引き合いに出されているようだが、クオリティとしては本作の方が良いのでは。「カメ止め」みたいにアイディアだけの勝負ではなく、ちゃんと人物描写がされているもんね。

 ただまあ、正直言って、真紀とオバサンのバトルシーンなどは、再現ドラマみたいなテイスト。オバサン役の大高洋子さんも、真紀を演じた篠原ゆき子さんも、全体にちょっとオーバーアクションかな。こういう映画だから、あえてそういう演出にしたんだろうが、、、。驚いたのは子役の演技。あの年齢で既にかなりのキャリアを積んでいるらしい。

 笑ってしまったのが、編集者たちの描き方。真紀とオバサンのバトル動画を利用して“売らんかな”の若くてチャラそうな編集者と、真紀に「あなたの書くものは薄っぺらい、もっと本質を描かなきゃダメだ」的な能書きをたれるだけのイヤミなオッサン編集者の対比がね、、、。類型的過ぎ。でも、優秀な編集者ってあんまし画にならない気がするからなぁ。こういう、典型的ダメ編集者の方が面白いもんね。

 しかし、前述の通り、本作はラストが大甘なので、このイヤミな編集者じゃないけど、あのラストのせいで、本作全体の印象が、それこそ“薄っぺらい”ものになった気がするのは、ちょっと皮肉かも。

 ネットの感想を見ると、真紀の夫の評判があんまし良くないみたいだけど、私は、彼の言動は分かるわ~、と思ったクチ。あんな子どもっぽくて頭の悪い妻の言動を間近で見ていたら、ああいう態度になっても不思議じゃない。そもそも夫の言葉を聞こうともしない真紀に、どうせいっていうのか。私があの夫なら、この事案は、間違いなく離婚案件だね。離婚をチラつかせないだけでも、あの夫はまだ人情があると思うわ。むしろ、夫の育児参加を中途半端に描いていて、その辺もイマイチな感じを受けた要因になっている。

 頑張っているとは思うけれど、残念ながら、劇場で見た方が良い!!ってほどでもない。

 

 

 

 

 

 

 

隣人は選べない。

 

 



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4 コメント

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Unknown (フキン)
2021-01-05 21:38:02
すねこすりさん、こんばんは^ - ^

借りているDVDを、見ようとお決まりの長々とある予告編を
ボーっと見てましたら!!!!
なんと、あの「マーターズ」の予告編を偶然に観てしまいました
。(°▽°)
私、「マーターズ」は怖くて予告編も避けてたんですよ。
それなのに‼️

すねこすりさん、私やっぱり見る勇気ありまへん(-.-;)y-~~~

すねこすりさんがご覧になったら観ますとか、言いましたが
無理です(u_u)
それを言いたくてやって来ました。笑

今年も宜しくお願いします
☺️
返信する
見ぃ・たぁ・なぁーーー! (すねこすり)
2021-01-06 00:04:47
フキンさん、こんばんは!!
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします♪
え゛、、、見ちゃったんですか、予告編。
で、予告編見ただけで、ギブアップなんですね?
それくらい○○いんですね??
ひゃぁ、、、、私もじゃあ、やっぱりやめておいた方がよさそうですね。
私が借りたDVDでは、今までマーターズの予告編は見たことないのですが、、、ちなみに何をご覧になったのでしょうか?
年明け早々、緊急事態ですが、お互いに無事に過ごしましょう!
返信する
Unknown (フキン)
2021-01-06 17:25:36
昨日は予告を見ただけでなんだかテンションが定まらず寝ちゃったんですよね。笑
それで、多分今晩見ると思われるDVDは「グッドナイト・マミー」なんです。
すねこすりさん、ご存知ですか??

コロナ、なんだかもーうんざり。マヒしちゃいます。ʅ(◞‿◟)ʃ
って言うかうんざりどころか、どないすんねん!!
映画観に行けなくなる?!
せっかく予定立ててたのになー。(о´∀`о)
すねこすりさんも、充分にお気をつけてくだされ‼️
返信する
Unknown (すねこすり)
2021-01-06 22:08:01
フキンさん、こんばんは☆
グッドナイト・マミーですか。いえ、初めて聞きました。
検索したらなかなか怖そうな、、、。
感想、お待ちしております~♪
マーターズの予告編、ネットにあるの見ようかと思ったんですけど、静止画だけで十分怖いので止めました。
なんと小心者な私、、、(^^;) こりゃムリですね。
コロナ。ほぼ人災ですね、ここまで来ると。
東京は、もはや汚染都市でございます。というか、日本が汚染列島ですかね。
「聖なる犯罪者」見たいんですけど、公開延期とかになったら、マジでスガとユリコ、恨むわ~。
京都も結構大変そうですね。お気を付けくださいね。
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