映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

チャイナタウン(1974年)

2015-02-26 | 【ち】



 元警察官で、今は探偵事務所を開いているギテス(ジャック・ニコルソン)は、ある女性から夫の浮気調査を頼まれる。難なく依頼に応える仕事をしたギテスだが、浮気現場を写した写真が、なぜか新聞一面を飾ったことから、自分が嵌められたことを知る。

 真相を探り始めたギテスは、思わぬ巨悪の存在を知り、その泥沼から這い出そうとしている美しい未亡人イヴリン(フェイ・ダナウェイ)を救おうとするが・・・。

 ポランスキーが手掛けたハードボイルド作品。 

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 書き記すことが一杯あって、何から書けば良いのやら。

 まずは、ジャック・ニコルソンですね。若くて、かなりのイイ男です。それも、どこか胡散臭さのする、、、。役どころが私立探偵だから、ってだけじゃなく、彼は絶対的にアッパークラス的なインテリ風イイ男ではないです。どこか野卑た、、、しかし、不思議と下品でないのです。これは、美貌を誇りながら下品さが滲み出てしまってどうしようもないアラン・ドロンとは、ある種、対極にあります。ジャック・ニコルソン、この時、37歳ですかね。いやぁ、、、37歳でこの仕事。スゴイ、としか言いようがありません。

 主役について書いたので、流れ的には、やはりお相手、フェイ・ダナウェイでしょうか。彼女は、逆に、翳のある上品な女性が似合いますねぇ。イヴリン、ぴったりです。線状の眉毛が印象的。

 でもって、監督のポランスキーです。今回、本作を見たのは、ポランスキー作品をできるだけ見ようと思ったからですが、何の予備知識もなく見たせいか、こんなんも撮るんだ、この人は、、、と、半ば口あんぐり状態でした。『戦場のピアニスト』撮った人と同一人物ですよ? 『ローズマリーの赤ちゃん』撮った人でもあるんですよ? そして、『毛皮のヴィーナス』も、、、。なんちゅう守備範囲の広さ。作風というか、作品に流れる雰囲気も、全部バラバラ。大抵、同じ監督の作品って、どこか通じるものがあるでしょ? でも、この作品たちにそういうものはないと思うんだよなぁ。すごいわ、この人、やっぱり。

  というわけで、名作の誉れ高い本作、ハードボイルドの雰囲気を堪能させていただきました。一言で言うと、「セクシーな映画」ですね。

 ただ、かなり話は複雑で、ちゃんと頭働かせながら見ていないと分からない作品ですよね。水の利権が絡む、トンデモ爺ぃとの対決、という思わぬ展開に目が離せませんでした。

 なので、都合、2回見たんですよ。そしたら、イロイロと疑問が、、、。

疑問① 夫の浮気写真が新聞に出た時、イヴリンは、なぜギテスを告訴したのか?
 だって、そーでしょ? ただの覗き趣味的な話じゃない、って、イヴリンには容易に察しが付くはずです。イヴリンは、実父のノア・クロスが街のフィクサーであり、トンデモ爺ぃであることを知っています。その実父が夫と対立していたことも、夫が浮気していたことも、その浮気相手のことも知っていた。実父の差し金と、容易に察しが付くはずではありませんか。仮に、告訴がパフォーマンスだとしても、実父を刺激するようなこと、わざわざするでしょうか? 夫がますます追いつめられる、果ては殺されることくらい、分かりそうなもんです。

疑問② 夫が死亡したとき、イヴリンは、コトの背景が分かったのではないか?
 つまり、実父が殺したということを、です。理由は、疑問①に同じです。水の利権の詳細は分からなくても、察しがつくはずです。このまま、ロスにいては我が身と娘の身も危ないと分かりそうなもんです。なぜ、早々に逃げなかったのか。

疑問③ ギテスは、なぜ、イヴリンが身を隠す前に警察に電話したのか?
 警察の目をくらますため? とも思ったのですが、イヴリンに夫の浮気相手が誰なのかを正す前に電話しています。「大至急来い」と言っています。イヴリンが夫殺しの真犯人と確信していたから? でも、この時、二人はもう男女の関係になった後です。イヴリンを少なからず愛し始めていたはずのギテスなのに、なぜ、わざわざそんな危険なことを?

疑問④ ギテスは、なぜ、イヴリンがチャイナタウンを抜け出す前に、ノア・クロスと接触したのか?
 だって、絶対にノアのことだから、イヴリンのいるところへ連れていけ、って言うに決まっているじゃないのサ。ギテスは非常に洞察力の鋭い探偵なのに、どーしてイヴリンの身に危険が及びそうなことを敢えてしたのでしょうか? ノアのヤバさに気付いていたはずなのに。まさか、チャイナタウンまでノアを連れて行くことになるなんて思っていなかったんでしょうか?

、、、とまあ、こんな具合ですが。どなたか、お分かりになる方、教えてください~~。

 とはいえ、水の利権にまつわる話は非常に面白く見ました。「水」って、ちょっと、、、ね。日本でも「水」関係は、、、。

 そもそも、水利権ってのは、ものすごく複雑かつ強固なものの様なので、こういう因縁めいた話のネタにはもってこいの材料かも知れません(脚本を書く方も勉強しないといけないので大変そうだけれど)。ましてや、開拓の名残り色濃いロスが舞台となりゃ、なおのこと。まさに、ハードボイルドです。
 


ジャック・ニコルソンにもセクシーな時代があったのね。




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コメント (1)
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