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梅雨末期の集中豪雨

(庭のムラサキシキブの花)

今日から7月、九州、中国地方を中心に梅雨末期の集中豪雨が始まっている。かつては梅雨という季節は、「じめじめ」とか「しとしと」とかいう言葉が似合う日が、来る日も来る日も続くというイメージがあった。ところが最近の梅雨は雨も意外と長続きせず、空梅雨かと思わせて、帳尻を合わせるようにドッと降る。地球温暖化の影響であろうか、そんな男性的な雨期になることが多い。今年もどうやらそんな梅雨である。

6月半ばに九州に出張したとき、今年は雨が少なくて、水瓶のダム湖の水位が最低になって、このまま雨が降らなければこの夏は水瓶が干上がるだろうと心配していた。このところの雨はそんな心配を吹き飛ばす雨量を記録している。ダムの上流にたくさん降ってればいいのだが、ニュースには市街地の様子しか出て来ないので、よくわからない。

どこのテレビであったか、地球温暖化が進んで一番困るのは大国といわれるアメリカ、中国、ロシアなどだと話す評論家がいた。大陸性の気候では、温暖化の影響をまともに受けて、旱魃、熱波、大雪、大洪水など異常気象が続発して、大きな被害が出る。ところが海洋の水温は温暖化になっても大陸の気温のように大きく変化するわけではない。日本のような海に囲まれた海洋性の気候では、周囲の海洋の水温に影響されて気温の変化が小さいから、異常気象の起きる割合が大陸と比べると少ないのだという。だから温暖化にもっとも真剣に取り組むべき国は、アメリカ、中国、ロシアなどの大陸の国々だと主張した。

省エネ、脱CO2などの取組みはこれから世界経済をリードする産業になることは確実である。しかも、官民上げて取り組めば、日本が世界をリードできる得意分野である。そのことを示す二つの事実がある。

トヨタが車の生産台数でGMを抜いて世界一になったといわれたのはまだほんのこの間のことであった。今やそのGMが倒産し、トヨタも厳しい決算を続けているけれども、この10年、ハイブリッド車など環境によい車の開発に取り組み続けたトヨタが、取り組まなかったGMを凌いだことは象徴的な事件であった。

もう一つ、太陽光発電の分野では日本は世界の6割を占めるほど、最先端を走っていた。ところが、脱CO2の取組みで、ヨーロッパは国を上げて太陽光発電の普及に力を入れてきた。一方、日本は太陽光発電への補助を止めるなど、普及の足を引っ張る政策を打ち続けてきた。10年経って、太陽光発電の分野では、ドイツ、中国に水を空けられ、3位にまで転落してしまった。

この二つの事実から、日本の企業の実力に国が政策として後押しすれば、省エネ、脱CO2の分野では、世界をリードすることは十分可能だと思う。しかし現在のように官僚は利権に巣食い、政治家は政争に明け暮れて、産業界の足を引っ張っていては、この分野でも後れを取ってしまうだろう。
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