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天保七申年道中御奉行様御触書写続き(前) - 駿河古文書会

(畑のオハグロトンボ)

昨日午後より、静岡の駿河古文書会に出席した。前回に続いて「天保七申年道中御奉行様御触書写」の続きである。この御触れは、正徳二年(1712)に出された御触れが守られず、乱れてきたので、120年後の天保七年(1836)に再度その写しを示し、触れを出し直したものである。前回と今日までの部分が、正徳二年に出された触れの写しである。

一 道中往還の儀に付、この度、御條目出で候間、右の趣、弥(いよいよ)相守り、末々猥りにならざる様、宿中申し合い、もっとも軽き旅人たりとも、聊(いささ)か無礼非分の儀いたすまじく候。なかんずく、改所の義は入用をも仰せ出され下され候へば、なおもって、不埒これ無き外、宿々、格にも成り候様にいたし、助郷より出し候人馬も、改所へ寄り候員数を以って、余宿の人馬遣し候数をも改め、若しこの上、無益の人馬割り掛け候宿もこれ有るにおいては、吟味の上、曲事たるべき事。

一 道中旅籠銭などの儀、唯今まで旅人により過分の義、申し掛け候所もこれ有る由、粗(あらあら)相聞き候。向後、軽き商売ものなどまで申し合い、諸色高直にいたし候義、堅く仕らず、時々の直段を考え、その宿々問屋、年寄、並び頭立ち候もの、相談を遂げ、諸宿中不同これ無き様に仕るべく候。若しこの趣に背き、過分の儀申し掛け候ものもこれ有り、旅人よりその断りあらば、問屋、年寄、吟味仕るべく候。不埒の仕方、外より相聞けるにおいては、問屋、年寄まで、急度その沙汰有るべき事。
※ 断り(ことわり)- 連絡。

一 自今、加宿、助郷より、御條目に相背き、不埒の儀も候わば、その旨早速宿よりこれを訴うべし。内々にて過料を取り、又は過怠として助郷のもの宿へ呼び置く儀など、堅く停止たるべき事。
※ 過怠(かたい)- 過失。あやまち。てぬかり。

一 宿より助郷へも、御條目に違(たが)い不順の儀もこれ有り候わば、助郷より早速これを訴うべし。内々にて争論に及び、差し出すべき人馬滞るべからざる事。

一 旅人により、この上非分の仕方もこれ有る節は、宿より早速これを訴うべし。後日に至り、旅人の非分に付、困窮仕るの旨、申し出るに於いては、宿々の者、越度(おっど)たるべき事。

右は今度道中筋不法の儀、相改むべき旨、仰せ出され、御條目差遣し候に付、なおまたかくの如くに候御條目、並びこの趣、宿々問屋場に張り紙にしるし置き、助郷村々へも、これを写させ、宿、助郷とも堅く相守るべし。若し違犯の輩、これ有るに於いては、曲事たるべきものなり。
   正徳二辰三月     道中奉行
※ 違犯(いぼん)- 法にそむいて罪を犯すこと。
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