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お茶の凍霜害に緘口令?

(散歩途中で見つけたシバザクラ)

靜岡県の30日の凍霜害はかなり広範囲のもので、大きな被害になったようだ。温度が低すぎて防霜ファンも効かなかったという。霜害というよりも凍害で、免れたのはスプリンクラーが回っていたところだけのようだ。もっともまだ芽が動いていなかった遅場地域は凍霜害の影響はないのだろう。

温暖化が進んだせいなのか、この10数年、年々お茶が早くなっている。かつては新茶といえば、「♪夏も近付く八十八夜‥‥」で5月の始めに店頭に出てくるものであったが、最近はどんどん早くなってきた。一つには茶園で防霜ファンが回ることで、お茶の芽だしが早くなったとも言われている。新茶の時期に販売される新茶はほんの一部で、ほかは一年間にわたって消費されるのだから、お茶がそんなに早く出来ても保管費用が掛かるだけである。それでも先を争って1日でも早く生産しようとするのは、荒茶が品質だけで価格決定されるのではなく、相場が日を追って下がっていくからである。その結果、昔ならこの時期の霜など影響がなかったものが、大被害を起こしてしまうようになった。

早場として有名な地域の茶園には行政やJAなど茶業関係者の視察がひっきりなしに来て、新芽の黄緑に染まっていた茶園が茶色に変じているありさまを見て帰ったという。30年振りの大凍霜害だという人もいる。

ところが本当に不思議なことであるが、これだけの大きな被害について、テレビや新聞、インターネットなど色々調べてみたが、この被害に触れたものが見事に一件も無かった。見逃したのかもしれないが、まるで、業界、マスコミ挙って緘口令が引かれているのではないかと疑われるほどである。

生産者はこれだけの被害が出ているのなら、もっと大々的に報道してもらって、世間の注目を受けて、国から激甚災害の対策を受ける必要があると思う。それでなくても事業仕分けに厳しい民主党政権では、世間的に注目を受けなければ、援助の手も差し伸べられないのではないかと危惧する。

どういう思惑からの緘口令なのか、さっぱり理解できない。値が上がることを恐れて、問屋側が口を閉ざそうとするならばわかるが、生産者側も口を閉ざすのが理解ができない。霜を受けた葉が混じるとお茶の商品価値は無くなる。霜を受けたお茶を黙って売ってしまえるほど、お茶の問屋はいい加減ではない。緘口令を引いてみても、情報は全国の茶業関係者の間を駆け巡っている。霜を受けたニュースが大々的に報道されると、新茶の商戦に水をぶっ掛けてしまうという思惑があるのであろうか。業界の近くにいながら昔から疑問に思ってきたことである。
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