平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
小堤山公園の「増田銀蔵君紀念碑」を読み解く その1
午前中、再度、小堤山公園に、「増田銀蔵君紀念碑」の読めない所を確認しに行った。朝の日が斜め左から当って、石碑に刻んだ文字がはっきり読めた。だから、他の碑も改めてデジカメに撮っておいた。
御近所に頂いた渋柿12個を干柿に加工して干す。おそらく今年最後になると思う。これで今までの合計424個となる。
夜、金谷宿大学教授会に出席する。
(題額)増田銀蔵君紀念碑
君、諱(いみな)三代吉。姓源氏中西。通称銀蔵。考(亡父)、惣左右衛門と曰う。妣(亡母)、片瀬氏。君その第三子なり。文政五年四月八日を以って、榛原郡川崎街(町)に生る。弘化三年二月十日出て、増田氏を嗣ぎ。先職を襲い、黨正と為る。
※ 襲う(おそう)- 家系・地位などを受け継ぐ。
※ 黨正(とうせい)- 村長。里正。
明治元年八月八日、初めて藩主田沼侯に謁(えつ)す。即日、黨正を以って一市の管理を命ず。姓を称するを許し、禄俸を給す。蓋し、異数なり。その在職、前後二十有七年。
※ 一市(いちいち)- 相良湊の魚市場のことであろうか。
※ 異数(いすう)- 他に例のないこと。めったにないこと。また、そのさま。異例。
明治五年、初めて灯台を御前崎に設けるなり。その地、半嶋に属し、海陬遐僻、百事に不便なり。君、力を竭(つく)し斡旋し、その需用に供し、資料を不乏にせしむ。官、その恪動を嘉(ほ)め、屡々(しばしば)これを賞して云う。
※ 海陬(かいそう)- 海のほとりのへんぴな土地。
※ 遐僻(かへき)- 遠く僻地であること。
※ 百事(ひゃくじ)- さまざまなこと。また、すべてのこと。万事。
※ 資料(しりょう)- ここでは、物資の意。
※ 不乏(ふぼう)- 事欠かないこと。沢山あること。
※ 恪動(かくどう)- まじめな活動。
初め、相良街中、夾(はさ)み、唯、港橋有るのみ。その東に偏るごとし。頗る交通に艱なり。君、夙にこれを憂い、一橋を新しく復た架けるを欲す。群議を排し、万難辛苦を冒(かぶ)り、経営、これを官に請い、終に允可を得る。実に明治八年なり。厥初、有志の醵金を頼む。維持の爯来僅(わずか)なり。衆議漸く諧(やわら)ぎ、終に相良町の所管となりて、今に至る。人、利便を得る、実に君の賜(たま)ものなり。その公私に功徳有り。また大ならずや。
※ 艱(かん)- 難しくて動きがとれないこと。難儀。
※ 一橋 - 相良新橋のこと。相良の海側から二本目の橋。
※ 群議(ぐんぎ)- 多くの人の議論。衆議。
※ 允可(いんか)- 許すこと。許可。
※ 厥初(けっしょ)- そのはじめ。最初。
※ 醵金(きょきん)- ある目的のために金を出し合うこと。 また、その金。
※ 爯来(しょうらい)- となえ来たること。
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