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博物館と撮影禁止

(撮影禁止と言われる直前に撮った、     
東鎌塚原遺跡の珍しい六角形の住居跡)

先週土曜日、午前中、島田市博物館に出かけた。その前の週に金谷宿大学の「島田金谷の考古学と歴史」を受講し、その中で島田市博物館で「収蔵品に見る島田・金谷・川根地方の文化」という収蔵品展が行われていて、その日学んだ埋蔵文化財が展示されていると聞いたので見に行ったわけである。

展示物の説明の部分を後でしっかり読みたかったので、デジカメを撮っていたところ、「ここは撮影禁止です」と注意を受けた。「撮影禁止か」と恐れ入ろうとしたところ、「あの人たちは研究者だから特別に許可している」と弁解した。入ったときから作業服を来た3、4人の人たちが主に石器時代の展示品あたりにいて、デジカメで撮っていた。注意した青年もその人たちの案内で展示室にいたわけである。文句を言ったわけではないのに、先回りして言い訳をしたことに、持ち前の天邪鬼がむらむらと起き出した。

博物館などで撮影禁止とされているところは多い。社会主義国家でもあるまいし、目で見えるものを撮影禁止にするには、それなりの合理的な理由があるべきだと常々思っていた。この機会にいろいろと調べてみた。

かつて大英博物館やルーブル美術館を見学したとき、撮影禁止になっているところなど無かったと記憶している。ルーブル博物館では入り口で肩に下げていたバッグを預かると身振りで示され、そっくり渡すと貴重品は持って行けと言っているらしく、一緒に出したカメラは戻して寄越した。展示品の中には小物もあり、バッグに入れて持って行かれては困るから、手荷物を預かるというのだとは後で判った。この事実からもカメラの持ち込み及び撮影を禁止されたような覚えはない。

日本の博物館ではどうなっているのだろうと、東京国立博物館のホームページを見てみた。写真撮影について注意書きがあった。まず、平成館2階(多分薬師寺展)は撮影禁止と書かれている。それ以外も所蔵者の意向で撮影禁止の場合がある。撮影可能な展示室でもフラッシュ、追加照明、一脚・三脚は使用できない。カメラは手で持って撮影する。シャッター音が出るときは他のお客様の迷惑とならないようにと、きめ細かい。つまりは撮影禁止は限定的にして、それ以外はマナーを守って写真撮影は自由とする発想が基本になっていると思った。

島田市博物館で撮影禁止にする理由が未だもって判らない。島田市内で発掘され、島田市博物館に収蔵されている文物の展示である。それを島田市民(納税者)に観てもらおうという特別展示ではないのか。「島田市博物館条例」もあるが、写真撮影禁止の根拠になるような条文は見当たらない。どの博物館も市民に開かれた博物館を目指している現在にあって、理由無き禁止はいかにもお役所的だと言われても仕方がないところであろう。ちなみに自分のデジカメはフラッシュを焚かなくても明るく写るし、シャッター音はほとんどしない。

百歩譲って、写真撮影禁止とするならば必ず図録(有料でよい)を用意しておいてほしい。

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明日より二泊三日の旅に出るため、書き込みが二日間休みになる。
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