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巨人V3、原監督が宙に舞う

(巨人V3、現役背番号の8回宙に舞う原監督)

午後、会社より帰って、東京ドームデーゲームも中日-巨人戦を見た。昨日、リーグ優勝のマジックを1として、今日勝つか引き分けでリーグ優勝を決めるという試合である。テレビを付けたとき、ラミレスがホームランを打って、2対0で巨人リードしたばかりであった。その後、4対0までなったが、谷繁の3ランで4対3、その後5対3で試合が終った。原監督が現役時代の背番号にちなんで8回宙に舞った。これでV3を達成した。V3はセリーグではV9時代以来の快挙だという。

原巨人の強さを振り返ってみると、若手とベテランの見事なバランスに行き着く。巨人はしばらく前まで、FAを獲得した有名選手を大金で獲得して、チーム作りをしてきた。輝かしい実績を持った選手たちは確かに実力は持っていたが、その力はピークを越えていた。走れない、守れない、怪我が多い、無理が利かない。打てばフェンスを越えるがそれだけである。相手ピッチャーが良ければ、打つ手が無い。重量打線の重量が重荷になって成績が上がらなかった。

巨人のチーム方針が若手を育てる方向へ変わったのはいつからだろう。坂本勇人がその先陣を切った。いま若手がどんどんレギュラー、準レギュラーをつかむようになってきた。若手は伸び盛りで、シーズンの間にもどんどん実力をつけて、戦力を増していく。たとえ怪我をしても回復も早い。若手がグラウンド狭しと走り回る姿は気持が良い。

原監督の起用法は育てると決めた選手は我慢強く使う。坂本や松本はそれで育った。若手を使うときはベテランを休ませて最初から使う。試合の目処が立ったら、思い切って若手に切替える。試合を休ませて休養を取らせるから、ベテランは出場するといい働きをする。

連続試合出場が掛かっているために休ませることが出来ない阪神の金本など、頑張っているが疲れきっているように見える。シーズン初めの金本の成績を見れば、現在の成績が信じられないほどである。金本も40歳を越えている。何試合かに1回休ませることができれば、成績はもっと上がる。阪神の成績が上がらないのは金本の連続試合出場記録が自縛になっているからであろう。

その点、巨人のベテランたちの活躍は休養十分のためであろう。出場したときの谷の成績などを見れば歴然である。若手を生かしながらベテランを活性化させる、見事な原監督の采配である。来年はいよいよ中井、田中、大田といった大物新人たちが一軍に上がってくるだろう。野手は人材に事欠かない。

ただ、投手では今年は外人頼みに終った。42の勝ち越しの中、24の勝ち越しをグライシンガー、ゴンザレス、オビスポの三投手が残している。さらにいえば、14の勝ち越しは日本人投手の中でも中継ぎ押えの越智と山口が残したものである。日本人先発投手はわずかに4つの勝ち越ししかない。日本人先発投手に大きな課題を残した。
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