平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
「家忠日記 四」を読む 7
「家忠日記 四」の解読を続ける。
天正十一年(1583)未七月
十六日丙申
十七日丁酉 村立ち候。夜、雨降り。
十八日戊戌 同、村立ち候。浜松越し候。夫丸出で候。
十九日己亥 雨降り。浜松へ日がけに越し候。城へ出仕候。
御祝言、進上物、機物二反。
※ 機物(はたもの)- 機で織った物。織物。
廿日 庚子 大雨降る。五十年已来、大水にて、御祝言も延び候。
廿一日辛丑 白須賀まで帰り候。雨降り。御陣来る十二日まで延び候。
廿二日壬寅 雨降り。深溝へ帰り候。
中嶋永良堤入口皆々切れ候。三川(三河)中、堤所々切れ候。
廿三日癸卯 雨降り。申酉間に地震候。夜、大雨降り。
大水出で候。廿日の水より広高く候。
※ 申酉間(さるとりのあいだ)- 午後4時から6時の間。
廿四日甲辰 雨降り。中嶋永良堤、また三、四十所切れ候。
田地一円残らず損じ候。家拉(ひし)げ候。
廿五日乙巳 少し雨降り。午刻まで。
廿六日丙午
廿七日丁未 東堂大洞、渡しにて越され候。
大水崩れ、永良中嶋、務め無き所になる。
浜松御訴詔に、小兵遣し候。
廿八日戊申 会下へ参り候。中嶋へ水見に越し候。野場より船にて越し候。
廿九日己酉 会下へ参り候。
雨降り。東堂大沢、三年持、越され候。
浜松浄信、越され候。浜松へ、水入り候、御訴詔に人を越し候。
天正十一年(1583)未八月
八月大
一日 庚戌 会下へ参り候。雨降る。夜、大雨、風吹く。
二日 辛亥 雨降り。
三日 壬子 浜松へ越し候使い、帰り候。仮の普請にて御赦免候由、申し来り候。
配所が水に浸かり、使い物にならなくなったため、浜松に相談したところ、仮の普請でよいから、間に合わせるようにと、許しが出た。
四日 癸丑 うにや捨石へ、川狩りに越し候。入‥‥
五日 甲寅 川狩りに越し候。
六日 乙卯 川狩りに越し候。雨降り。
羽柴筑前所より、家康へ津田左馬丞、使いを越され候。
進上物、不動国行の刀参り候。
※ 津田左馬丞(つださまのじょう)- 津田盛月(つだもりつき)。織田氏の一族。秀吉に仕えた。
※ 不動国行(ふどうくにゆき)-「不動国行」は信長の愛刀で、鎌倉時代中期、名工の来国行作で、不動明王像が彫られていたという。本能寺の変の後の行衛は謎に包まれている。
七日 丙辰 雨降り。
八日 丁巳 雨降り。川狩りに越し候。
九日 戊午 川狩りに越し候。
十日 己未 彼岸に入る。会下へ参り候。
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