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島田大祭-第七街

(第七街中老本町詰所と I さん)

女房の子供の頃からの友人Sさんが本通り7丁目(第七街)の通りに面した家に嫁している。鹿島踊りを追い抜いて、そのSさんのお宅へ立ち寄った。Sさんは用足しに出かけていて、留守であった。顔見知りの娘さん夫婦がいて、電話でSさんを呼び出してくれた。

通りの斜向かいに第七街中老本町詰所があった。門口に会社のOBの I さんを見つけた。挨拶しとかねばと思い、鹿島踊りが来るまで少し時間が開いた通りを横切って詰所に行く。目で挨拶をする。

Iさんは今年は第七街の中老長を務めていて、この詰所の親方である。朱で「寿」と書いた上に、墨で名前と金額を書いた半紙が、詰所壁を埋めるように張られていた。

少し立ち話をした。大祭には一町内一出し物という決りがあって、きっちりとスケジュールが組まれている。狭い町内に五つの屋台と、三つの行列がひしめいているのだから、一つ間違えば大きなトラブルに発展しかねない。出し物が街の境界を越える度に、まず伝令係が先の街の詰所に前触れをし、その後応接係が出向いて正式に挨拶をし、決められたスケジュール通りに移動する。大きな声で口上を述べ合うやり取りが、島田大祭の特異性の一つであるといわれている。

中老長のIさんも昨日まではその応対に忙しかったが、最終日の今日はそういうやり取りが不要になっているから、余裕があるようだ。しかし、そういう間にも携帯に出たり酒樽の酒を通行人に振舞ったりと、会話が途切れる。

ところで、携帯を皆んなが持つようになってから、島田大祭が行われるのはおそらく初めてかもしれない。伝令が走って応接が出向くといった伝統的な情報伝達方法も、今後変って行くかもしれない。役割を携帯に取って変られ、必要性を失うと、伝令、応対も儀式化するのかもしれない。


(大名行列の青旗赤旗)

後刻、大名行列の脇に間隔を開けて青と赤の旗を持った係りが付いていた。何をしているのかと聞くと、行列が長いので先のほうで何が起こっているのか判らない。行列の“進め”“止まれ”をこの旗で示しているのだ。先の旗が青になったら周囲を見て旗を青に変えると話してくれた。交通信号のようなものだ。「もっとも今は前の様子は携帯で聞きますけどね。」

演じられている鹿島踊りの最後尾まで行って本通りを渡り、Sさんの店先に戻った。
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