平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
「竹下村誌稿」を読む 295 助郷 17
午前中、雨模様。牧之原が霧に覆われる。この地では珍しい光景である。
午後、「古文書に親しむ」講座。講座の後、少し時間をもらい、色々な分野で、目立たないけれど、面白い活動をされている人々から、話をきくという会の立ち上げについて、講座の皆さんに意見を聞いてみた。なかなか皆んなの興味を引くのは難しいけれど、やってみる意義はありそうである。提案書のようなものを作ってみようと思う。
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「竹下村誌稿」の解読を続ける。
この時に方(あた)り、国内隠(穏)やかならず。元治元年(1864)正月、将軍家再び上洛あり。東海道を通行する人馬絡繹として織るが如し。従いて助郷の課役、益々多く、負担愈々(いよいよ)加わる。因って金谷宿助郷一同協定せしもの、左の如し。
※ 絡繹(らくえき)- 人馬の往来などの、絶え間なく続くさま。
一 付属村々の内、重立(おもだ)つ者の内、一人ずつ御伝馬所に詰め合い、評議取り扱い致すべき事。但し御通行に携わらざる事。
一 助郷人足宿を廃し、何れかよき地を撰(えら)み、郷方人馬屯所取立て申すべき事。
※ 屯所(とんしょ)- 兵士などが詰めている所。ここでは、勿論人馬の詰所である。
一 御伝馬所帳面 上下御先觸帳二冊、人馬取払賃銭請取帳一冊、人馬賃銭払方帳一冊、金銭出入帳一冊、惣入用勘定帳一冊、人馬觸当並び着到帳一冊、〆て七冊を以って、都て取り賄い、その余、帳面、相用いざる候事。
一 御伝馬所より触れ出し候人馬は、勿論、出金、員数、並びに名寄せなど日限の通達、失い致すまじき事。
一 御伝馬所、夜番の儀、年寄役以下一役一人ずつ、急度詰め合い申すべし。且つ費用、別に相掛けず、弁当は手前より持参致すべく候事。但し御通行の有無により、重役の存意に任すべき事。
※ 存意(ぞんい)- 考え。意向。存念。
一 役人打ち寄せ、酒宴催し候儀は致さざる様、心掛け、相互に吟味致すべし。仮令用向きにて打ち寄せ候とも、右様の儀、一切致すまじき事。
一 役々向き、今般命じられ候上は、掛り訳け、並びに日割り、衆評の事。
※ 衆評(しゅうひょう)- 多数の人々による話し合い。大衆の評定。
一 役々給分相定め候事。但し、帳付以下役人給分手軽に致し、勤め日手当として別段相渡し、精勤致させ候事。
※ 給分(きゅうぶん)- 給料。
一 総て給分の儀は、月給に相定め、毎月晦日(みそか)、御伝馬所に於いて、相渡すべく候事。附り、上下役に拘わらず、精勤の功に仍(よ)っては、相談の上、別段手当致すべき事。
(助郷一同の協定、明日へつづく)
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