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「家忠日記 五」を読む 30

(土手のヒメジオン)

「家忠日記 五」の解読を続ける。

 天正十七年(1589)丑二月
六日 甲申 雨降り。御城に御鷹の振る舞い成され候。
七日 乙酉 同勘解由入道にて、玄左と申し候。
※ 入道(にゅうどう)- 仏道にはいって修行すること。出家・剃髪して仏道に入った者。武士を含め僧体でありながら、在俗の者もいた。
八日 丙戌 三州、遠州、駿州、連歌士ども御寄せにて、
      点取り連歌成され候わんとて、今日御呼び候。
九日 丁亥 朝飯、備後所へふる舞いにて越し候。
      夕飯、石川左衛門大輔所へ、備後同心にて、数寄に越し候。
      真‥‥見候。
十日 戊子 備後、作手美作、振る舞い候。晩より雨降る。

十一日己丑 深溝はいたか留り候て、与三郎返り候。
      小伝主、手伝い普請に当り候。
      技連歌御城にて、今日成され候。
      連衆十人発句は作州発句にて候。
      松の色や 猶一しおの 若みどり
   三川衆
    瀧の長尊 深溝玄左 同正作 竹谷備後守 作手美作守
   岡崎    駿河衆
    そけい    如雪 雲巴 三益 頭雲
十二日庚寅 雨降り。殿様御上落、廿四日に相定り候。
十三日辛卯 雨降り。信州真田息子出仕候。
※ 真田息子 - 真田昌幸の息子、真田信幸。家康に仕える。
十四日壬辰 技連歌、御城にて成され候。晩雨降る。今日の発句、岡崎そけい。
      (さか)しきや もるにも勝る 山桜
十五日癸巳 跡部大炊助所に、備後ふる舞いにて、同心(同道)越し候。

十六日甲午 又々、城連歌の発句  正作
      並木ただ 花は咲々の 盛りかな
十七日乙未 石川石見所へ、備後同心にて、ふる舞いに越し候。
十八日丙申 夜、雨降る。
十九日丁酉 石蔵根石据え候。松平伊豆守、ふる舞い候。
※ 根石(ねいし)- 建物の地盤に接する部分の石積み。
      また、鵜殿善六所に、備後に数寄にて、跡見に越し候。
      朝飯、賀藤甚七、ふる舞い候。
廿日 戊戌 

廿一日己亥 花揚院ふる舞い候。備後玄佐、正作、興国寺へ越され候。
廿二日庚子 夜、雨降り、菅沼織部所に越し候。
廿三日辛丑 雨降り。少し煩い候。
廿四日壬寅 雨降りにて、御上落延び候。
廿五日癸卯 

廿六日甲辰 雨降り。御上洛、御大方様御煩いゆえ延び候。
※ 御大方様 - 戦国時代の女性で、相模国・伊豆国の戦国大名である北条氏康の正室。法名瑞渓院。
      深尾清十郎所へ、ふる舞いにて越し候。
廿七日乙巳 
廿八日丙午 今日、殿様御上洛。田中まで成られ候。
廿九日丁未 連歌士、三州へ帰られ候。
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