わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

天狗2 その7

2016年02月15日 | 能面

能面塾や能面教室が終わったのが10日だ。その日を境に「彩色」を始めている。これも当初の予定通りなので、今月上旬の作業は全くない。

彩色を始めて数日が経っているが、このへんまで進んだところ。もちろん裏側は工芸漆を塗っているから真っ黒けだが、どうも近年はきれいな色合いにならない。この原因は木地に色がしみこんでしまい、光沢のある色に仕上がらないのだ。もちろん、木目によってしみこむ場所が決まっており、それは承知している。いわゆる「年輪に対して直角になる彫り方は、しみ込みやすい」のだ。更には材料の材質や乾燥度にも関係しているのかも知れない。

実はこれを防止するための手法もある。「能面の裏面に砥の粉を塗る」事により、塗料がしみこむのを防止する・・・と言う話。この手法もずっと前から実践しているが、思うようにいかない。砥の粉の処理を行った後に工芸漆を塗っても、相変わらずしみ込んでいる。3度塗りをしていても・・・だ。

まあ、いろいろ言いたいこともある。がしかし、全部が自分の責任で行っている能面彫りであれば、それは結局、自分の未熟な技術を嘆くしかないところだろう。「すでに15年以上もやっているのだよ」と考えれば、「これまで何を学んでいたのか!!」というお叱りもあるかも。

いずれにしても、色合いは上の写真の通り。この色が正解かと言えば、まったくそうではない。ずいぶんと調べたが、様々な「天狗」があって、どれが正解と言うことはないらしい。もちろん、上のような色合いを持った天狗もあり、これはこれで正解だろうと思ったからこんな色になっている。

そもそも、見本とした薬王院の天狗は色が付いていない。というより、古くなったニスの色に見えるので、そのようにしても良かった。ただ、せっかく苦労して彫ったから、他の天狗に見られるような「天狗色」にしても良いだろうと思って彩色を始めたのも事実。

この後は、黒目を書いたり金色の歯に細工をしたり、全体に陰影を付けたりしつつ見やすい工夫をすることになる。

というあたりで、完成はもう少し後になりそうだが、一応順調に進んでいるところ。