わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

若女その3

2009年12月14日 | 日記・エッセイ・コラム

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若女の進み具合は、芳しくないのだ。もう出来上がっているかもしれないほど日数が経っている気もするが、実際はあまり進んでいない。と言うよりも、若干方針を変えており、いささか横道にそれてしまっているからだ。

実は上の写真は、前回紹介した粗彫りの若女の面を彫り進んでいたものではない。全く別の材料で最初から彫ったものなのだ。それがやっと上の写真まで進んだというあたりの姿である。それはどういうことなのか?

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製作途中の面が2個ある。左が新しく彫り進めている「若女」だ。では右ななんだ。実はこれも若女で、前回紹介したものだ。前回までは若女だったのだが、よく見ると額に「十六」と書いてある。そう、途中で気が変わって、若女を十六にしようとしているところ。

若女は女面だ。十六は男面だから、大きな違いがあると思ったら大間違いで、ほとんどがそっくりである。だからちょっと手直しをすると女が男に変わってしまう。人間の世界でも女にした方が良いような男がいたり、男と見間違う女も居ることだから、能面の世界でも似たようなものだろう。

本当は十六の方がちょっとだけ細面だ。それでもほとんど気がつかない程度の寸法だから簡単に変更ができた。更に言えば若女はすでに2面が彩色も終わって完成しているのに、十六は1面しか持っていない。やっぱり最低限2面は作っておかなければ具合が悪いから、途中で作業を変更したということで、作業の進捗状況が変わったという話になった。

ということで、12月には若女が完成している予定だったが、いくらか後ろに期限を延ばして若女と十六を同時に完成させようという魂胆である。当初の予定が2月末だから、まだ期間は十分あるし、早めに出来上がって日中ぼーっとしているよりは良いかもしれない。