鼻瘤悪尉が完成した。この暑い中、ひげを作って植え込んで完成という運びだ。７月下旬から作業を始めていたが、８月末の完成だから概ね一か月の作業だったのは速い部類に入る。また、捨てて当然の材料をつなぎ合わせて作ったから、出来具合は良くないのは承知だったから、失敗して当然の作品だ。が、遠くから見ればなかなか捨てがたい出来具合となった気もする。今後、繋ぎ目から割れてきたり彩色も剥離するかも知れないが、この状況は私がこれまで作った能面にもすでに発生している事から、そうなったらそうなったで諦めるしかない。それでも一応まじめに作業を行って出来たものなので、他の能面と一緒に壁に飾って眺めていることにしよう。
これはひげの元。漂白した馬のしっぽを糸で巻いて止め、必要な長さに切りそろえたところだ。長いのもあるが、今回はこれは使わなかった。短いやつをあらかじめ開けておいた穴に植え込ん、で完成したという話。今回は約４０本を使った。これは多い方だが、もっと多く使っている能面もある。実はひげの数が多い能面はあまり作りたくはないのだ。そのぐらい手間がかかるのがひげの作成で、歳を取ってきたこともあり、最近は気合いが入らないことから嫌いになってきた。が、今回はやむを得ずに作ったものの、今後は飽きのこない程度に時間をかけて、各種の作業を進めていくようになるだろう。
これを持って、この時期は都合３個の能面が完成したことになり、まあ随分と頑張ったこと・・・
というところで紹介しました。
