わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

彩色だ2

2008年03月01日 | 日記・エッセイ・コラム

Blog176 さて、前回の投稿からすでに半月も経っている。この間、ぼーっとしていたのかと言えばまったくそんなことはない。この2週間は毎日、切磋琢磨ではないが、忙しい事をしていた。

それは、次の能面に彩色を始めたことである。前回の最後にも書いたが、「賢徳」が終わった後は「黒髭」と書いたことで、それを始めたのだ。写真は黒髭である。木彫りの状態から目止めの「とのこ」を塗ったところ(左)と下地胡分を塗ったところ(右)だ。

眼はこだわりで「真鍮板」を細工している。般若の眼と同様の要領だから、一応体験しているので手順は分かっているが、合わせるのに苦労をした。

Blog177 白い胡分の上に地肌となる色を混ぜ合わせ、それらしい色の胡分を新たに作り塗っていく。今回も梨地肌にするつもりだったから、色の付いた胡分を筆に付けて、筆の先で叩き付けるようにしながら彩色をしていく。

それが乾燥したところ。作った色と乾燥した色が違うので、乾燥した時を想像しながら色作りをするのが本当だ。が、素人の悲しさか、それが出来ない。かなり濃いめに作らなければ、どうしても白っぽくなってしまうので、注意が必要だ。

Blog178 更に顔の表面に髭や眉毛などを書き込んでいくと、このようになった。左右の面の色が違うのは、見本の色に合わせるために上塗りなどをしているから。

見本の色は、能面の作者が公開しているホームページなどを参考にしており、それに似せようとして試行錯誤をするから、複数の色が出来てしまう。塗った上で乾燥させたら、上のようになってしまった。これを更に上塗りをするわけにも行かず、妥協してしまった結果である。何と言っても写真しか見ることが出来ないので、やむを得ないのだ。

Blog179 さて、出来上がった「黒髭」だ。真鍮板の眼も、金色の歯もきれいに出来上がっている。見本は当然の事ながらすばらしいものだが、自分の作ったこの黒髭も、素人としてはまずまずと思う。見本を紹介しないのは、あまりにも差が有りすぎるので、情けないから見せられない。

眉毛や髭は細い毛相筆で一本一本書くのが正解である。が、それは非常に難しいのだ。一筆で書き始めから書き終わりまで描くのが正しいのだが、とてもそんなことは出来ない。

筆で、同じ太さで凹凸のある立体面に線を引く事が並大抵ではないことは、やってみるとよく分かる。しかも、一本の線の太さは0.何ミリという世界だ。毎日書いていれば手が覚えてくると言うこともあるだろうが、何と言っても初めての経験なのだ。うまくいくわけはない。

ということで、それらも承知の上で適当なところで妥協した結果が、最後の写真である。著名と言わずとも、上手な出来の能面を見た経験者なら笑うかも知れないが、まあ自我自賛で良いのではないかな・・という感想を持って、「黒髭」2面が完成した。


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