わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

狐 その7

2014年02月01日 | 能面

もっと時間がかかると思っていた狐だが、努力の結果(?)1月中に完成した。その過程。

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上は、顎の部分をつなぎ合わせる仕掛けだ。結局、先生が作った狐と同様に、下顎に軸受けを取り付け、頭部分にはそれを受けるための仕掛けを作った。それの一部に穴を開けてピンで止め、可動出来るようにする。また、ピンは固定せず差し込んだだけにして、ピンを抜けば簡単に頭部と下顎が外れるようにした。これはわざと口部分が動くようにしたためだ。

下塗りの段階が下の写真。

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↓ 表面を「きつね色」にしたところ。この色を作るのも、実は大変なのだ。手持ちの色に「きつね色」などない。また、真っ白な胡粉に混ぜて作る必要があるために、乾いた時の色を想像して慎重に色作りをする必要がある。

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そんなこんなと苦労しながら作った色を塗り、更に目の中、歯(牙)の周囲に墨を使って、いかにも「それらしく」仕上げたのが下の写真だ。最後に、表面に毛並みを書き加えて完成となる。
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狸から始まって、猿、狐と作ってきたが、やっとこれで完成した。いわゆる「獣シリーズ」と仲間内で呼び合っていたものが出来上がったのだ。
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昨年9月11日、「狸」の作成から始まった「獣シリーズ」がようやく完成したのが、今年1月31日になる。4ヶ月もかかったのかと言われれば、そうではない。その間にはこの獣シリーズの他にも「中将」「武悪」「喝食」を作っているのだ。もっとも、喝食はまだ中彫りの段階だが、他の面はすべて彩色まで完成している。

このことから、この4ヶ月で5個の能面が完成し、1個が作業中なのだ。これは大変なことだろう。一年間で2個の完成を目安にしている「能面教室」の事を考えれば、好きな趣味といえども多すぎる気もするが、さてどうかな。


姫猿 その4

2014年02月01日 | 能面

久しく放置していた猿(実際は姫猿)の彩色が終わったので紹介する。

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顔の色を全体に塗った状態。この色そのものは見本のカラーコピーや先生の作った猿を参考にしつつ、作り上げている。ただ、実際にその色かどうかはよく分からないから、「似ている色」という分類にして作業を進めているのだ。作ったときは合っていると思いながら調合するけど、作っているときの色と、乾燥したときの色が違うから、色作りは本当に難しいと思う。

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はじめの写真から更に彩色を進めていったところ。目の周囲は赤い色になっており、これを施してみたが、ちょっと塗りすぎた感じがする。頭部の毛の境目まで赤くしたが、実はこの部分は肌色だったのだ。従って、頭部の毛と赤く塗った部分の間には、肌色の部分が残っていなければならない。これを間違って、全部赤くしてしまった。

これは元には戻らないので、このまま作業を続けた結果、上の写真のようになったという具合。もっとも、これでも一応は「姫猿」に見えるから、結果オーライという事にしよう。

そういうわけで、これで姫猿は完成した。裏側には2014年1月31日の日づけを書き込んだ。