わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

地蔵 その4

2014年04月17日 | 能面

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地蔵もいよいよ終盤になってきた。今回は顔の造作をきちんと仕上げる段階だが、どうも見本の地蔵さんのような可愛いところが出ない。第1作目でもそうだったから、第2作目はきちんとそのかわいらしさを出そうと考えていた。ところが、実際に彫っていくと、どうもそんなに簡単に可愛い表情が出てこない。これはどうしたことか。

能面の顔はすでに10年以上も彫っている。だから、地蔵さんでもある程度は出来ると思って彫っていたが、見たとおり。とても可愛いとは言えない仕上がりになっている。特に、目や口の作り具合が能面とは大きく違っているのだ。

極端に言えば、能面の目や口はこのお地蔵さんの顔全体ほどの大きさもある。能面では大きなまま彫っていた目や口が、この地蔵さんでは能面の1/10も小さいのだ。いわば細工が細かいために、手持ちの彫刻刀では大きすぎた。能面用の一番細い彫刻刀が3mm。これですら太い感じがしてどうしようもない。もっとも、その他にも技術的なところもあって、このかわいらしいお地蔵さんの表情を、結局は表現できないまま素彫りが終わったというところか。

さて、仕上げは台座。写真の下に見えるのが台座の元だが、これに16弁の蓮の葉(かな?)の模様を彫り込んでいく。花弁かも知れないけど、一応の飾りなのでこれも加える。そして完成することになるが、今日が17日だから作業を始めてちょうど一ヶ月目だ。予定では今月いっぱいかかっても良いと思うから、そのぐらいの余裕で作業を進めて行くことになろう。


地蔵 その3

2014年04月10日 | 能面

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上は、3月31日の写真。身体の形はほぼ出来上がってはいるが、耳、手、足などの細かいところはまだ出来ていない。それでも前もって書いた形に添って彫っていけば、かなり見やすくなってくるだろう。

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4月4日の段階でも袖のひだや手の部分に若干の作業が進んだ気配が見えるものの、大々的に進んでいるほどとは言えない状態だ。もっとも、このあたりになれば一日の作業でもわずかしか進まない。一枚目の上の写真と比べても分かるとおり、耳も手も足もそのまま。数日をかけているはずだが「袖のひだ」が出来ている程度なので、作業も慎重になっている証拠であろう。

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今日は4月10日。さすがに上の写真のあたりまで進んだ。これで見れば、耳、手、足の造作も進んでおり、袈裟の結び目あたりを彫り進んでいることが分かる。比率で行けば8割程度の進み具合か。ただ、2体を同時に進めているから、この写真の他にも同じように別な地蔵さんを彫り進んでいる。

作業開始から3週目も過ぎた頃でもあり、2体同時進行にしてもまずまずの早さで作業が進んでいることが分かる。ただ、顔の表情が残っているし、後ろ側(背中側)の彫りものこっているので、素彫りが終わるのはまだ先になるだろう。更には「台座」も完成させなければならないので、うまくいっても今月いっぱいかかるかも知れない。


地蔵 その2

2014年03月25日 | 能面

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衣の一部を彫ってみたところだ。この部分は1体目の地蔵さんでもずいぶんと悩んでいたところ。と言うのも、衣の袖下部分がカーブをしている。これが、正面から見たものと横から見たところではいずれもなだらかなカーブを描いており、これを立体化するのにちょっとイメージが沸いてこなかったのだ。従って、まずは前から見たカーブを彫り、次に横から見たカーブを彫ったところ、大失敗してしまった。

一体目で失敗したから2体目以降は慎重に彫り進んだつもりだが、それでも予想していたきれいな袖下の形にはならず、変になってしまった。もともと側面図もない地蔵だったが、一応自分で側面図を作り、その通り作業は進んでいる。だが、やはり写真の印象と違ってしまったと言うところ。

それでもなんとか、それらしい形になっているから、まずはこのまま作業を進めるしかない。若干の間違いはやむを得ないとして、うまくごまかしながら彫っていくことになる・・・

まだ作業は始まって間もない事だし、ましてや2体同時に彫っているから、結構時間がかかるという話は、最初から分かっている。前の1体目ですら概ね1ヶ月ほどかかっていたし、今回は2体の同時作業だから、このまま行けば4月を超えても不思議ではない。

というあたりで、地蔵は急ぐわけではないものの「鬼」も作業の途中だ。また、4月になれば公民館教養教室が始まって、こっちでも新たな能面が課題となる予定。

ということで、ここしばらくは作業が続くから、肩や腕を使い過ぎないように気をつけつつ、今年度のレポートは最後になる。


地蔵 その1

2014年03月22日 | 能面

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地蔵を作ることになった。第1作をその辺に置いていたのだが、それを見た2人の知人が「是非作って欲しい」と言って、しつこく頼まれた。もともと私は、人に頼まれて作るのは好きではない。それほど上手でもないし、出来上がったものの品質保証など考えてもいない。特に、彩色をした能面は、彩色の劣化による「退色」「はがれ落ち」があり、過去に作った能面にもそれが出ている。実に醜い形になっているが、自室に飾っているだけなので、特に影響はない。

で、今回は彩色の必要はないし、急ぐ必要もないらしいから、取りあえずは作っても良いかな・・・と言う気持ちになったという話。

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ま、たまたま手元に能面材があって、それに合わせて2個分が取れそうだった。それが1枚目の写真。それを少し切り出して、地蔵らしくしたのが2枚目の写真だ。これを彫り続ければ、なんとか前に作った地蔵さんに似たものが出来るだろうという発想である。発想も貧弱だが、腕も貧弱だという話はすでに相手に話をしてある。

そういうことで、作業を始めたという具合だから、いつ完成するのかは全く持って不明だ。

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上は3月20日の段階。木気取りをしたのはたしか17か18日あたりだろうから、結構集中して作業がが進んでいると思う。ただ、肩の痛みはそのまま続いているから、あまり長い時間、作業が出来ないのはしょうがない。せいぜい一日2時間ちょっと程度だろうから、慌てないことにする。

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今日は22日で上の状態。頭をいくらか丸くして手の部分を判別できるようにした。この手の部分は、1個目では材料の関係から後付けをしている。今回はその部分も一体化して彫っているから、うまくいくかどうかは今後の作業状態にもよるだろう。




鬼 その1

2014年03月17日 | 能面

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鬼の3個目を作る。手元にある材料の寸法が、ちょうど鬼の大きさだったから決めた。ただ、作り具合が細かいので作業が大変なのはしょうがない。今回も特別期限はないから、手の空いているときに作業を進めて行けば、そのうち出来上がるだろう。


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図面に合わせて切り取ったところ。まだ何を作っているのかは分からないが、女面や少年の面と比べても若干大きな面になる。

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顔の表面を作るためにいくらか彫ってみたところ。まだ何を作っているのか分からない。

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表面に顔の造作を書いてみたところ。これで概ねの顔つきが分かるから、何を作っているのかが分かるようになった。これからが大変。ま、無理をしないで少しづつ彫っていこうか。

ただ、お地蔵さんを見た人が、是非作って欲しいという要望があって、それについても作業を始める事になるから(しかも2個)、鬼だけを作るわけにはいかなくなったと言う話。