出場するかどうか危ぶまれていた全仏オープンの錦織圭ですが、1回戦を接戦の末に逆転勝利を収めて2回戦に進出をしました。グランドスラムに出場したのは2021年全米以来3シーズンぶり。1回戦の相手は予選を勝ち上がってきた世界166位ガブリエル・ディアロ。22歳と錦織より一回り若い選手です。2メートルを超える長身でスタミナもパワーも錦織より上で、今の錦織にはかなり荷が重い相手でした。
試合は錦織が2セットを競りながらも取って先行しましたが、途中からディアロが調子を上げてきてフルセットにもつれ込んでしまいます。ファイナルセットも錦織が先にブレイクをされたところで、いよいよこれは厳しいかと思われましたが、そこから逆転をしていくのが昔から錦織の真骨頂。その粘り強さ、勝負強さは相変わらずで、7-5, 7-6 (7-3), 3-6, 1-6, 7-5のフルセットの大熱戦を見事に制し久しぶりにグランドスラムで1勝を上げました。フルセットでの勝率は現役選手最高という錦織らしい勝利でしたが、ただこれだけフルパワーを消費してしまうと、2回戦でちゃんと戦えるのか心配になります。
その2回戦の相手は第15シードのアメリカのベン・シェルトン。ディアロよりさらに若い21歳の新鋭ですが、4月のクレーの大会で優勝をしていて好調です。強敵ですが、それ以上に錦織のコンディションが整うかどうかの方が気になります。無理してまた大きな怪我をしてしまったら、いよいよ引退の危機です。もちろん万全なら頑張って欲しいですが、クレーの試合はどうしても試合が長引き体に負担がかかりますから、あまり無理しないで得意のハードコートシーズンに向けて調整して欲しいと願っています。