岸田首相はよほど「増税メガネ」と言われるのが嫌なのでしょう。6月の定額減税を給与明細に記入しろと言って、会社の経理部門がどこも悲鳴を上げています。選挙目当てに減税したことは明らかなのに、それをわざわざ強調するために民間に無理をさせるなど、効率の悪さや費用負担、さらには人件費など考えたら無駄としか言いようがありません。これが費用対効果を考えない「お上」のやり口です。
そもそも日頃は「ステルス増税」と言われるくらいにこっそり気づかれないようにあの手この手を駆使して国民負担率を江戸時代並みに増やしておきながら、一回だけの減税は大いに言い触らすというのはあまりにも子どもじみています。一国のトップのやることかと思います。今回のような減税をやるなら年末調整で還付するのが一番手っ取り早いし、そうじゃなければ給付金としてマイナンバーカードに紐づいている公金受取口座に振り込めば良いことです。何のためのマイナンバーカードなのか、経理の人たちを困らせるなと言いたいです。
もっと言えば今回の減税予算を使って、来月から徴収が始まるという森林環境税をやめるとか、電気料金の補助金を打ち切らずに延長するとか、そういう負担増をやめてくれた方がずっと助かりますし、経理の人も泣かずに済みます。そもそも給与明細をしげしげと見たら、今回の減税額よりも自分が思っている以上に税金や社会保険料を払っていることに気づいて誰しも驚くのではないかと思います。選挙対策のつもりで減税して、むしろ政権支持率を下げる効果の方が大きいかも知れません。まあそうなっても完全に自業自得ですけどね。「増税メガネ」はやはり減税は下手くそでしたというオチです。