全仏オープンの男子シングルスもベスト8が出揃いました。組み合わせはジョコビッチvsルード、ズべレフvsデミノー、アルカラスvsチチパス、シナーvsディミトロフとなりました。順調にいけばジョコビッチ、ズべレフ、アルカラス、シナーが勝ち上がるところで、本当に強い選手が勝ち残ってきたなという印象でしたが、なんとジョコビッチが準々決勝を棄権してしまいました。膝の負傷ということですが、やはり寄る年波には勝てないというか、連続してフルセットの苦戦を強いられてきて体が悲鳴を上げたということでしょう。
クレーキングのナダルが今大会で最後となり、マレーとともに1回戦で去りました。旧世代最後の砦となるジョコビッチはここまでさすがの貫禄で勝ち上がってきたのですが、ベスト4に残れなかったということで、この数年間続いてきた新旧世代交代の争いもついに今年で完全決着となりそうな雰囲気です。ちなみにズべレフとデミノーはまだ試合をしていませんが、ボトムハーフはアルカラス、シナーのトップ2が順調に準決勝に進んでいます。
ズべレフvsデミノーは恐らくズべレフの圧勝で終わるのではないかと思います。そもそもクレーコートとの相性が悪いデミノーがドローに恵まれたとは言えベスト8まで勝ち上がったこと自体が驚きです。ズべレフは1回戦でナダルに引導を渡した形になったので、最低でもジョコビッチと対戦するところまでは勝ち上がらないと格好がつかない立場でしたが、相手がルードとなり決勝進出の可能性も大きくなってきました。ただルードはジョコビッチ戦がなくなって休養できたのに対して、ズべレフはずっとタフな試合をしてきているだけに疲労が心配ではあります。
優勝の本命はやはりボトムハーフのアルカラスとシナーの2人です。ジョコビッチが去ったいま、準決勝の2人の対戦が事実上の決勝戦となりそうです。ちなみにその2人にそれぞれ敗れたチチパスとディミトロフはともに片手バックハンドです。消えつつある片手バックの現在の代表的な選手ですが、クレーではやはり厳しい戦いになってしまいました。彼らにはウィンブルドンに期待しましょう。