保守系の町長派議員グループ「東郷丸」の加藤宏明議員の政務調査費で町監査委員は4月28日、「不適切な支出」があったとする監査結果報告書を町議会議長に提出しました。
加藤議員の問題は、2012年度の政務調査費(13年度から法改正で政務活動費)について不適切が指摘され、3月議会での全員一致(当事者である加藤議員は法により採決に加わらない)の決議により町監査委員が調査していました。
領収書「事実でない」
報告書では、領収書の日付と発行日、販売記録などが食い違う4冊の書籍(4880円)について「購入については事実でないと想定され」とし「政務調査費から支出できないものと判断される」としています。
私的な活動にも支出
また、東郷セントラル土地区画整理組合の発起人会視察研修(交通費2万6170円、宿泊費8600円)について、私的活動費に該当するとし「不適切な支出」としています。
町政に関係ない書籍を購入
さらに「池上彰と考える、仏教って何ですか」「金持ち父さんのお金を自分のために働かせる方法」「iphone5基本&便利技」の3冊(3735円)について「使途基準に合致しないと思われる」とし「町政の調査及び研究のために必要とは認められない」と判断。
合計4万3385円を不適切な支出としています。
報告書の「監査意見」は、加藤議員の政調費に関する問題意識について「加藤議員が議会活性化特別委員会の委員として政務調査費制度の導入に係わっていたにも関わらず、12万円に相当する政務調査費の使途、領収書の証拠書類の保全を含めて政務調査費の意義や目的、議長による勧告に対する議員本人の認識が十分でなかったところに起因するものと考えられる」としています。
東郷町の政務調査費は議員1人当たり年額12万円で、言うまでもなくその財源は税金です。透明性の確保はもちろん、厳格な運用が求められ、町民への説明責任も果たさなければなりません。
この報告書を受け、議会は代表監査委員からの説明を聞くことを決めました。その上で、議会としての対応を決めることになります。
加藤議員、返金を表明
4月30日の東郷町議会全員協議会で、加藤宏明議員は報告書について「真摯に受け止める。返金する」と発言しました。