東郷町議会議員 かどはら武志(日本共産党)

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生活保護基準を引き下げるな!―12月議会でかどはら武志が紹介した請願(1)

2013年01月05日 | 東郷町議会

 12月議会では2つの請願を紹介しました。いずれも残念ながら不採択になりました。

請願に対する私の賛成討論(大要)を紹介します。

「生活保護基準の引き下げはしないことなど国に意見書提出を求める請願書」への賛成討論

請願項目の1番目で老齢加算の復活を求めています。2006年に、70歳以上の高齢者に出されていた老齢加算が廃止された結果、毎月の生活保護費が2割も減りました。老齢加算の廃止が行政の裁量権を超え違憲であることの確認を求める訴訟が起きましたが、最高裁で上告が棄却されました。この上告棄却に対し、日弁連の今年3月の会長談話で「第一に、生活保護基準以下の生活を強いられている国民(とりわけ高齢者)が存在する事実に対して、この貧困を解決するのではなく、この貧困状態に合わせて生活保護基準を切り下げ、格差と貧困を拡大する政府の不当な政策を是認したものであり、第二に、老齢加算が果たしてきた重要な役割を何ら理解することなく、老齢加算が廃止されることで高齢保護受給者の生存権を侵害している実態から目を背け、行政の違憲・違法な措置を追認した不当なものである。」としていますが、まさにその通りだと思います。

また請願項目の2番目で、生活保護基準の引き下げはしないことを求めています。生活保護基準は、最低賃金や年金、就学援助、住民税非課税限度額、国民健康保険の窓口負担の減免制度など数々の施策に準用され、その引き下げの影響はただ生活保護を受けている人にとどまらず、広く国民に及びます。

請願項目の最後に、生活保護費の全額国庫負担を求めています。貧困が広がる中で、生活保護費が福祉事務所を持つ市や県の財政を圧迫しているとされ、これが申請者に対する水際作戦などの増加につながる要因とされています。生活保護は、全国どこにいても必要最低限の生活を保障するための制度であり、本来、全額国庫負担とすべき性質のものです。

さて、国会議員がお笑い芸人の特殊な事例を実名を出して、正規の手続きを踏んで受給しているにもかかわらず不正受給であるかのようにあげつらうなど、生活保護への無理解による圧力が強まっています。また、年金が生活保護水準を下回っているとか、働いていても生活保護よりも収入が少ないからと、生活保護基準を下げろという声も強まっています。しかしそれは請願項目の2番目の説明でも述べた理由により、負の連鎖を呼び、経済をますます冷え込ませる効果しか持ちません。さて、現在の愛知県の最低賃金は758円です。これではとても暮らせません。せめて最低賃金を1000円に、という要求があります。ささやかな要求です。この1000円でもフルタイムで働いても年収200万円にしかなりません。これで家庭生活を営もうとしても無理です。今、政治がなすべきことは、乏しい年金、乏しい賃金に合わせるために生活保護基準を下げることではなく、逆に年金や最低賃金の水準を引き上げることではないでしょうか。

生活保護を打ち切られたり認められなかった人が餓死する悲しい事件が繰り返されています。これが先進国と言われる日本の現状です。生活保護の基準の引き下げは、生活保護を受けている人にも餓死者を出すことになりかねません。こんな国を誰が望むでしょうか。

 憲法にあるように誰もが文化的な最低限の生活が送れる国を目指すべきだと申し上げ、賛成討論とします。

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 討論でも触れましたが、自民党の国会議員があるお笑い芸人の特殊な例を出して、生活保護バッシングをしています。このように「生活保護は恥」という風潮があおられ、本来は生活保護を受けるべき状態の人まで申請をためらうことが心配されます。

 餓死者が出るような国であっていいわけがない! この気持ちで生活保護バッシングの動きを止めるようがんばります。

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