書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

マイケル・トマセロ著 大堀壽夫ほか訳 『心とことばの起源を探る』 (その1)

2015年01月13日 | 人文科学
 大堀壽夫/中澤恒子/西村義樹/本多啓訳。

 韓国語や中国語では〔英語とは〕対照的に、大人の会話の中で、子供にもっとも顕著にわかるのは動詞であり、幼い子供は、同じ出来事を語るのに最初から大人が使うような動詞を習得する。 (「第五章 言語の構文と出来事の認知 1 言語の最初の構文」本書184頁)

 ちなみに英語の場合、子供が出来事について話し出す最初期に用いる一語文で使われるのは関係語(「Moreもっと」、「Goneなくなった」、「Up上に」、「Down下に」、「On着る」、「Off脱ぐ」等)の由。これは「顕著な出来事を語るのに、大人が、顕著に関係語を使うため」(同頁)とのこと。日本語の場合は何だろう。またロシア語については。

(勁草書房 2006年2月)