出版社による紹介。
1978年10月出版の改訂版を読む。ギリシア正教とは言うが、その歴史的な経緯もふまえて、本書の内容はロシア正教についてがもっぱらである。そのことにつき、著者は、このギリシア正教(会)は「東方教会」全体の総称であって、そのなかにギリシア正教会をはじめロシア正教会そのほかもふくまれると、途中ながら断り書きを入れている。「第7章 正教の歴史」、178頁。
ロシア正教で使う日本語訳聖書(文語・日本正教会訳聖書)をニコライ(大主教)とともに作成した中井木菟麻呂と、彼の姉妹のことも、簡略ながら出てくる。「第2章 ギリシア正教とは何か」、63-65頁。
この書の入門書としての特徴は、典礼の説明が判りやすくかつ丁寧であること、あと当時のロシア正教会はソ連の国家体制の下にあり、さらには東西の冷戦時期であり、これはその時代に書かれたロシア正教と日本におけるロシア正教の歴史の紹介であること。翻弄されたにもかかわらず、あからさまなソ連と米国のロシア正教・正教会にたいする態度や政策への批判はここにはみられず、淡々として事実と経過の記述がなされるのみである。
(教文館 1970年1月初版)
1978年10月出版の改訂版を読む。ギリシア正教とは言うが、その歴史的な経緯もふまえて、本書の内容はロシア正教についてがもっぱらである。そのことにつき、著者は、このギリシア正教(会)は「東方教会」全体の総称であって、そのなかにギリシア正教会をはじめロシア正教会そのほかもふくまれると、途中ながら断り書きを入れている。「第7章 正教の歴史」、178頁。
ロシア正教で使う日本語訳聖書(文語・日本正教会訳聖書)をニコライ(大主教)とともに作成した中井木菟麻呂と、彼の姉妹のことも、簡略ながら出てくる。「第2章 ギリシア正教とは何か」、63-65頁。
この書の入門書としての特徴は、典礼の説明が判りやすくかつ丁寧であること、あと当時のロシア正教会はソ連の国家体制の下にあり、さらには東西の冷戦時期であり、これはその時代に書かれたロシア正教と日本におけるロシア正教の歴史の紹介であること。翻弄されたにもかかわらず、あからさまなソ連と米国のロシア正教・正教会にたいする態度や政策への批判はここにはみられず、淡々として事実と経過の記述がなされるのみである。
(教文館 1970年1月初版)