書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

「琥珀に閉じ込められていた昆虫、インド大陸の孤立期間に疑問 米研究」 から

2010年10月28日 | 抜き書き
▲「AFPBB News」2010年10月27日 13:37 発信地:ワシントンD.C./米国。(全)
 〈http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2769967/6369836

 【10月27日 AFP】インド西部カンベイ(Cambay)で見つかった琥珀(こはく)の中に閉じ込められていた昆虫が、インド大陸がユーラシア大陸と離れていた期間に疑問を投げかけているとした論文が、25日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。
 約5000万年前の琥珀の中に閉じ込められていた昆虫は、ハナバチ、シロアリ、クモ、ハエなど。科学者らは、インドはかなり長い間孤立した陸島であり、そのため琥珀の中の昆虫たちもアジアのほかの地域のものとは大幅に異なるはず、と考えていた。
 ところが、米自然史博物館(American Museum of Natural History)などの研究チームは、昆虫たちの固有性が、インドの想定される孤立期間にそぐわないほど低いことを発見した。さらに、昆虫の近縁種が北欧、アジア、オーストラリア、アメリカ大陸に生息していることを確認した。
 インド大陸は現在のアフリカ大陸から分離し、約5000万年後にユーラシア大陸と衝突してヒマラヤ山脈を形成したとされる。
 米カンザス大(University of Kansas)のマイケル・エンゲル(Michael Engel)教授は、「カンベイ地層がインド大陸の衝突の年代より古いとしても、今回の結果は、インド大陸が(約5000万年前には)完全に孤立していたのではなく、ユーラシア大陸とある程度つながっていた可能性を示唆している」と話している。

 本当は自然史(博物学)でもこのように現実の観察し、分類し、その上に立って仮説を立て(ダーウィンは自然観察から進化論を編み出した)、そしてそれを検証するための実験というステップは踏める(メンデルの法則の発見)。ところが日本はもとより中国の伝統的な博物学たる本草学は、見たものをただずらずらと羅列するだけである。本草書の挿絵の杜撰さを見るとまともに観察したのかとさえ言いたくなる。
 こんな理屈をこねるためではなかった。付けられた写真があまりに綺麗で、見とれたのだ。