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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

川島真・清水麗・松田康博・楊永明著 『日台関係史 1945-2008』

2009年09月18日 | 東洋史
 台湾(中華民国)政府が日本の沖縄領有を認めず「琉球」と呼んで独立国もしくは中国領土と見なしていた(あるいは今でも見なしている?)のは、沖縄が琉球王国時代に明・清に朝貢していたという歴史的経緯のほかに、1972年の沖縄(施政権)返還に際して、米国と日本が自らと協議することなしに交渉を進めたためである由(松田康博「第5章 日台関係の安定化と変化への胎動――1979-87年」本書142頁)。
 ゆえに台湾から沖縄への渡航ビザ発行は、返還後もながらく日本に対する「台北駐日経済文化代表処」とは別組織の「中琉文化経済協会琉球弁事処」(1958年設置)がおこなっていたのか。ただし2006年5月に「台北駐日経済文化代表処駐琉球弁事処」、さらに2007年2月には現在の「台北駐日経済文化代表処那覇分処」へと改組・名称変更されているが。
 大人げないといったらいかんのか?

(東京大学出版会 2009年3月)