書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

宮脇淳子 『モンゴルの歴史 遊牧民の誕生からモンゴル国まで』 から

2009年08月01日 | 抜き書き
 2009年07月30日、「森久男 『日本陸軍と内蒙工作 関東軍はなぜ独走したか』 から」より続く。

 モンゴル王公には、一年、三年、六年などの期限で輪番で北京の宮廷に赴く「年班(ねんぱん)」と、皇帝の木蘭(ムラン)狩猟場での巻狩に従う「圍班(いはん)」が義務づけられていたが、これは莫大な下賜品を得る朝貢の一種だった。 (「第10章 モンゴルの民族運動と日本』 本書228頁)

 軍役ではなく朝貢か。となると参勤交代とは性質的に全く異なる。しいて言うなら平安時代、坂東武者の京都大番役のようなものかな。

(刀水書房 2002年9月)