書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

水谷尚子 「ウイグル襲撃事件はテロか」

2008年09月17日 | 政治
 「Voice」平成20(2008)年10月号、164-171頁。

 この論文については、「真Silkroad?」や「梶ピエールの備忘録。」でも話題になっているが、私が感銘を受けたのは以下のくだりだった。

 なにはともあれ、ウイグル人が対峙すべきは日本人ではなく漢人で、自らの主張をできるだけ多くの「圧迫者側」の人々に理解させ、漢人の同情者や理解者を増やし、改善を迫っていくことこそ、ウイグル人にとって最優先すべき課題であろう。 (171頁)

 『「反日」解剖 歪んだ中国の「愛国」』(文藝春秋、2005年9月)から、この人のスタンスはまったくぶれていない。一対一の人間同士で向き合うこと、対話を諦めないこと。敬服する。

思考の断片の断片(70)

2008年09月17日 | 思考の断片
▲「Economist.com」Sep 11th 2008、「Venezuela and the Kremlin: The Russians are here」
 〈http://www.economist.com/world/americas/displaystory.cfm?story_id=12209136

 2008年09月15日欄、"Just stories......"から続く。
 ベネズエラの行動の背景にあるのはこれか? その全てではないだろうが。

 He[Hugo Chávez] was also quoted (though he later denied it) as offering military bases. With Russia on the lookout for opportunities to poke Uncle Sam in the eye, and Venezuela eager to acquire powerful friends, this is a “perfect alliance”, says one Venezuelan foreign-affairs specialist. “Venezuela knows that under the wing of the Russians, it will be easier to manoeuvre vis-à-vis the United States and [its ally] Colombia.” Or as Mr Chávez puts it, “Go ahead and squeal, Yankees.”

▲「YOMIURI ONLINE 読売新聞」2008年9月17日03時12分、「国籍不明艦の領海侵犯、中国外務省が日本政府に抗議」
 〈http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080916-OYT1T00738.htm

 此地無銀三百両になるや否や。

▲「ダライ・ラマ法王日本代表部事務所」2008年9月13日、「ダライ・ラマ法王のヨーロッパご訪問に関する声明」
 〈http://www.tibethouse.jp/news_release/2008/080913_statement.html

 金正日総書記が病気と聞けば風説だけで灰神楽が立つほど騒ぐが、ダライ・ラマ法王が病気になって事実入院してもほとんど鼻もひっかけないというのは、いかにも不公平である。「視聴率が取れないし売れないからだ」という大方のマスコミの理由はわかる。わかるから、「だったらいっそのこと正義や人道なんて金看板は下ろしてしまったら」と彼らに勧めたい。堪らないくらいに重たいでしょうに。