書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

孫平化著 安藤彦太郎訳 『日本との30年 中日友好随想録』

2008年09月15日 | 日本史
 中身については別に意見はない。さすがのこの人にしても、この種の著作が個人的な回想ではなく中国共産党・政府による対日工作の一環としての宣伝文書であることに変わりはないからである。いわく「友好」、いわく「日本人の中国・中国人に対する文化的な劣等感および侵略の歴史に起因する罪悪感を強化せよ」、いわく「米国との同盟・従属関係を弱化させ、日本を中国に依存・従属させよ」。
 訳者の安藤彦太郎氏について、稲垣武『「悪魔祓い」の戦後史』(文春文庫、1997年8月)に、文化大革命中の言動が出典付きで紹介されているが(同書205-209、214-217、221-224頁)、典型的な当時の「友好人士」のそれである。彼ら「友好人士」は、中国政府の公式見解やはなはだしきは彼地のお先走りの勇み足までをそのままに繰り返し、日本社会の上空に中国という国をバラ色の極楽に描きだして賛美した。
 稲垣氏は彼らを、「鸚鵡族の紙芝居作者」と呼んでいる。
 安藤氏は、巻末の訳者あとがき「戦後の日中関係」で、文化大革命について、きわめて簡単な記述しか行っていない(297-298頁)。基本的な事実関係の骨格(5W1H)すら満たしていないほどの粗略さである。一方、著者の孫平化氏も、この著作において、文化大革命の10年とその間の自らの境遇について、そうである。それが文革にはなるべく触れないという党・政府の方針に沿ってであることは、まず間違いがない(この著を私が党と政府の宣伝文書と言うのはそういうことも指している)。ということは、やはり鸚鵡族なのだろう。ただし紙芝居ではなく猿芝居の、作者ではなく演者の。

(講談社 1987年11月)

「AC論説」No. 250、Andy Chang 「『台湾問題』のポジション宣言」

2008年09月15日 | 抜き書き
 2008/09/11。
 〈http://www.melma.com/backnumber_53999_4222937/

 アメリカは既に中華民国は存在しないと明確な立場を発表したのに民進党 が中華民国に固執するのは愚の骨頂である。
 台湾人は台湾人を代表する組織から公式見解、つまり台湾人のポジション 宣言を発表すべきである。
 (1)中華民国は存在しない。
 (2)馬英九は台湾の総統ではないし、台湾を代表する資格がない。
 (3)台湾の将来は台湾人全体、台湾人のみが決定権を持つもので、アメリカ は台湾の主権について発言出来るが、台湾の将来を決定する権利はない。
 (4)中国が台湾の国際活動に干渉することは許されない。

 台湾をめぐる国際社会(なかんづく米・中・日近隣三国)の「お約束」を破ってしまえという、radical な発言。

"Just stories......"

2008年09月15日 | 思考の断片
  by Sonny Corleone in The Godfather, part I.

▲「ИТАР-ТАСС」14.09.2008, 21.50、「Посол США в Боливии покинул страну после объявления его персоной нон грата」

  В минувший четверг президент Боливии Эво Моралес объявил Филипа Голдберга персоной нон грата, обвинив его в финансировании оппозиции, поддержке беспорядков в стране и планах свержения демократически избранного правительства. На следующий день в знак солидарности с Боливией решение о выдворении посла США принял венесуэльский лидер Уго Чавес.

 分からないことだらけである。なぜいま、フィリップ・ゴールドバーグ大使は「好ましからざる人物」として国外退去になるのか。内外の報道では反政府団体にたいする資金援助などいろいろ理由は挙げられているが、“何なぜいま”に対する答えはない。駐ボリビア米国大使館のウェブサイトには日本時間15日午前11時現在、いかなる発表もない。CIAウェブサイトの "Background Note: Bolivia"にも、何の情報も上げられていない。
 もっと分からないのは、それに連動してベネズエラが、同じく自国駐在の米大使を国外退去にすることだ。これについてもCNNをはじめいろいろ報道はあるが・・・・・・。

The U.S. Embassy in La Paz Bolivia: http://bolivia.usembassy.gov/
"Background Note: Bolivia": http://www.state.gov/r/pa/ei/bgn/35751.htm