任侠ヘルパー

2009-09-20 10:44:26 | 塾あれこれ
終わってしまいましたね。
フジの『任侠ヘルパー』
面白かった。

話はマンガタッチで進みました。
荒唐無稽だけに却って現実の恐ろしさもじわっと
滲んで、アイデアが良いドラマでした。

バリバリのヤクザがヘルパーをするという
突拍子もない組み合わせの勝利です。

やくざもカタギも、若者も寝たきり老人も
みんな同じ一人ずつの人間、同等の存在価値だ、と
説教臭くなく訴えているのです。

まあそんなことを言わなくても、ありえね~と
楽しめばよろしいように出来ていましたが。


出演のスターたちがよいですね。
今がシュン。

『クソガキ』の上手いこと。

黒木メイサの良いこと。
「風姿花伝」にいう若さの花があります。
今一番勢いがありますよね。
オーラがある。
はは、そんなことは私が言わなくても。


ただ、ストーリーがマンガだから演出は
手抜きをして欲しくなかった。

玄関で会話をしていると、後ろに咲いている向日葵が
突然1本から5本?に増えたりしてビックリ。

入所者が亡くなるときに職員がみんな枕元へ
駆けつけて涙で見取ったり・・んなワケない。
他の入所者たちはホットラカシかよ?

丁寧な演出があってこそバカな展開が生きるのです。


最終回では
上から福祉を考えてはいけない、と訴えていました。
現場の一人を救えなくて何が福祉か、と。

現場を大切にしたいですね。

もちろん大きな問題はどうでもよい、というのでは
ありません。

下から積み上げて、最終的に上からの発想と同じ
結論になるかもしれません。

ただ、上から目線で考えを下げくるとどうしても
ひずみがでてしまうのです。
まず、結論ありき、でね。

それで現在の官僚的な社会が行き詰ってきた。

ただ福祉を取り上げたという以上に
現実を考えた深いドラマでした。


ぜひともパート2を期待したいですね。
次はお役人の世界、をぜひとも。

教育でもよいけど。

『相対論のABC』

2009-09-19 19:47:21 | 本の話
昨日の続きです。
相対論の本について少し。

光速度不変の法則、というものがあります。
科学的に正しいのですが、何か納得いかない。
日常生活の実感とはまったく違う事とは思いつつも、
です。

以下は不正確な話になりますがイメージとして
捉えやすいように申し上げます。
ご存知のアインシュタインの「あの話」です。

全てのものは光速より速くは動けない、のです。
奇妙ですが、そういうこと。

ふだんの生活では、たとえば
時速60キロで進むマツダの車に乗っているマエケンが
前方に140キロで球を投げると合計200キロの
スピードボールになります。
こういう足し算が日常の感覚です。

ところが話が光速に近い世界になるとその足し算が
出来なくなるのです。
光速×0.9のロケットから前方へ光速×0.3で物体を
打ち出しても光速×1.2にはなりません。
光速が最大ですから。

0.9C+0.3C=C
これが正しいのです。
というか、ど~もそうなるらしー。


本を読んでいる途中は、あらためてこんなに単純に
式ができるのかと話を追えます。
しばらくすると「んな、ばかな」という気に
もどってしまうのです。
ピンときていないのですね。

実験で確認されているし、偉い科学者も認めているし
人類に未知のことを予言して確認された=それくらい
正しい・・・

・・なんですけどね。

他にも不思議な話は沢山あります。
例えば重力で光が曲がってしまう。
速く動くと時間が遅くなる。

極めつけは光よりも速く動くものはないといいながら
40光年(光が届くまで40年かかる)の距離を
30年で行ける!?

ええかげんにせえ、わっけわからん
ですが、ま、本を読んでください。
私に言われても。。。。


生徒が勉強しているときも似ているようです。

「どこが分らない?」と言われても分らない。

もちろん勉強では完璧にわかるという必要はなくて
7~8割分れば次に行ってよいとされていますが
因数分解もルートも二次方程式も、とりあえず
試験で及第点をとれば分らなくても次々と進めます。

ただ、その様な状態が積もり積もって高校になると
さっぱり分らない、という生徒が多いのでは?

するとやはり「分らない、何で?」ということを大切に
考える勉強にしておかないといけないということです。

やり方だけで通知表に一定の点数を並べることは
できるのですが、若い先生が思われる以上に
生徒は(実は分らないまま)になっているのではないか?

中身を知るとホラ~

分った?と訊かれても・・

2009-09-18 14:16:49 | 本の話
授業などで何か教わるとします。
フに落ちることもありますが、そうではなく
「聞いた限りでは話には付いてゆけてると思うけど
 何かピンとこない・・」
こういうことってしばしばありますね。

何か分らないんだけど、どこがと聞かれても
全体にぼーっとしてて、分らない処が分らない。

従ってあと練習問題などやらされると
応用が、からきしできないのです。

子供でも大人でも変わりません。
苦手なことは特にそうですね。


私は高校生のときアインシュタインの特殊相対性理論
を学校の特別授業で習いました。

図が中心で数式はほとんど使わなかったと思います。

なにかすごい話を聞いている、
内容も一応おっかけられてるつもり、ではありましたが
結局「分からない・・・」というか
ピンとこない、とゆーか。


授業などしてても「分る」には大変なステップがいる
ことを学校の先生は忘れておられたのでは?
私の記憶ではそうです。

自分の得意教科を教えるのですから
教えたらすぐ分るだろう、と思いやすいのです。


名月はすぐそこに輝いているように見えます。
屋根の上に上れば取れそう、という笑い話も
分らないではありません。

それはそれで大切にしたいことです。

錯覚は、みんながそう思い易いことですから
人間みんなと同じ感覚がよろしいのです。

ただ、屋根じゃダメだろう、山でも届かないぞ
・・と頭で修正してゆくことが大切です。

繰り返しますが「それでも屋根で届きそう」
という感覚も大切です。
学校で習った通りをウノミにするよりは
よほど良いのではないでしょうか。

難しい話はピンとこないで当然。
あと何度も頭を働かせ少しずつレベルを上げれば
よいのです。


福島肇著『相対論のABC』講談社ブルーバックス

副題は「たった二つの原理ですべてがわかる」

アインシュタインの相対性原理を分りやすく説いた
もので、比較的易しい特殊相対性理論を中心にして
あります。

駒場東邦高校の教諭などもされていた著者ですから
大変に分りやすく書かれています。

これだと高校生でも理解できそうです。
ん~、中3でも大丈夫かな。
ルートが分っていればよいのですから。

私の経験からすると数式は使うほうがよいように
思われますね。

この本で勉強させてもらい塾で教えることが
増えると良いでしょうね。


もちろんこの本は難しい理科の理論ばかりを並べた
ものではなく、科学者の人となりとか人生
学校教育のありかた、など分りやすく示してあり
また、分りやすく書くとはどういうことかの
よい手本にもなりそうです。

ティシュー

2009-09-17 09:30:45 | 塾あれこれ
無精者だがウガイや手洗いはよくいたします。
一回ごとがズボラかもしれないけれど。
弱いので病気になりたくないからです。
すぐにダウンするし、治りが悪い!

電車で咳してる人がいたらロコツで申し訳ないながら
そこから逃げ出します。
年配者でも結構無神経な人がおられますから。

学校説明会で、席を決められていることがあります。
先日がそれで、しかも私の後頭部に咳をしやがる。
万一伝染ったら誰が責任取るんだろうね?


とは言いながら私にはアレルギーがあります。
他人からは風邪症状に思われるでしょう。

アレルギー性鼻炎。
どうも温度差で出るらしいのですね。
もっとも町医者で言われたことと自分の素人考えとで
勝手にそう思っているだけですが。

数度気温が低い部屋に移動すると鼻がむずむず、
鼻水がでる、でかいクシャミが止まらない。

鼻水はひとしきり止まりません。
どこにこれほど貯めてある?と言うぐらい出ますね。
出尽くすとウソのように何もなくなります。

散歩で川土手に出たとたん、はっくしょ~~い。
よくやりますからティシューは必携。


先日リハビリ病院に朝一番で伺いました。
秋風がたって涼しくなり始めた日です。

朝のさわやかさ、心地よい風・・ハ、アックショイ。
病院内でもティシューで鼻をかみます。

さて治療中は何とか大丈夫でした。
最後に支払い、「あ、小銭あります」
ポケットから小銭を出してカウンターに置こう
としたら鼻咬んだティシューが小銭と一緒にポロ。

会計の可愛い女の子の顔に浮かんだ嫌そうな顔色
皆さんに見せたかったね。

「だっから、爺イって嫌いよ、汚ったねーったらあ
 その小銭で払うのかよ、カンベンしてよ」

人生通して相変わらずもてない男だねえ、
ンとに。

塾を対象に学校が説明会

2009-09-16 11:47:48 | 塾あれこれ
広島の九月は塾を対象に私学の説明会が相次ぎます。

弁当が出たり、お土産の学校があったり
学校も大変であります。

ある地方大手塾は、いつも弁当がでる、某学園に
大量動員?されます。
その集団を見るとモノ欲シソウで、嫌だね。

先日は説明会で、お車代というのがありました。


今年は7月にあった説明会に私はほとんど欠席した
ので9月はなるべく出ようと決心しています。

先日、○○校の説明会があると耳にしました。
記憶になかったので私が案内状をチェックミスした
に違いありません。
すぐに連絡をいれ参加のお許しを頂きました。

当日、会場の受付でお車代の封筒を差し出され
「車じゃないので」と断りかけて、
やっぱり手が出てしまいました。
情けない。
ヒトサマの弁当をあれこれ言う資格は無いようです。

家に帰って疑念が浮かんできました。
そもそも案内状は当塾宛には発送されていなかった
のではないか?
それをどこかから聞きつけて強引に申し込んだ・・

まるでお車代を頂きに行ったようなものです。
誰が見ても儲かっていない塾ですしネエ。

うむ、耳に入らないようにして欲しかったなあ。

それにしても瞬時に判断できなかったのは残念。
躊躇したあげく手を出したと先様には見えたハズ。
普段、お車代など縁が無い世界に住んでるんですねえ。


お車代というと、ある知人の結婚式に呼ばれたとき
遠い場所でしたから悩みました。

まあ旅行のつもりで、と式に出席したのですが
新幹線で行くことだし多少控えめにお祝いを包みました。

その式場で私の席にお車代を置いていかれたのです。

ホテルに戻って分ったのが、いただいたお車代が
私が会場入り口で出したものと同額だったのです。
酔っていたので、祝を突き返されたのかと思いましたが
そうではなく、たまたま同額だった・・

私はお車代の発想がなくお金をケチってしまい
相手は(派手婚)を当然と思っていたのですね。

恥をかいたというか、いつまでも残ってしまう後味の
悪さでした。

でもこの場合は気がついたからまだ良いのです。
こちらが気づかないことも数多くあるはず。
やだねー。


明け方目覚めてそれ以降うつらうつらとし
頭がボンヤリしてることがあります。

そういうときにお車代を思い出すと、ひどく落ち込み
ます。起きているときの比ではありません。
何年か前はしばしばありました。
老化と共に増える心理現象。
進行すると体調を崩すので要注意です。

「お車代」に、また一つネタを増やした説明会でした。

追記
17(木)18(金)とイメージが近い学校の説明会が続き
出席して参りました。

一校はお弁当付きで参加者100名くらいかな。
一校は50名くらいかな。弁当なし。

諸事情はあるのでしょうが、少なくとも人数だけは
弁当の威力が大きいようです。

『お弁当出ると出ないで倍半分』

ん~、それで文庫本が買えるもんねえ。

どうして?総理

2009-09-15 10:21:20 | 塾あれこれ
昨日、麻生総理のぶら下がり会見をTVニュースで見ました。


記者「鳩山代表とどんな話を?」

総理「いままで私は個別の会談内容など話したことは
   一切ありません」

ですって。

それはそうなんでしょうが
記者もどうして突っ込まないかなあ。

それが政治家のアカウンタビリティのなさを助長して
いるとは思わないのかなあ。

「私は会談の内容の詳細を伺ったわけではない。
 また守秘すべきことを聞こうとしている訳ではない。

 引継ぎに関してのやりとり、お互いの空気、
 これからの課題、そんな大きな説明を求めている。
 それすら国民に言うつもりがないのか。」

これくらいは突っ込めるでしょう。
いやそうしてもらわなければ最後は国民が困る!


麻生総理は記者の向こうに国民がいることを
TVカメラの向こうに視聴者がいることを
お考えになっているのだろうか?

記者に話すのではなく、国民に話しているはず
なんだけれど。
主権者はだれ?首相だって公僕じゃないの?

まあ、百歩譲って日本一の権力者としましょうか。
遅くも4年後、また選挙があるのではないですか。

今負けたばかりの責任者=「戦犯」じゃないですか。
自党の仲間内からも嫌われているのでしょう?

その人の話しぶりがこれですか?


相手が突っ込みにくいように答えて口を封じ
「何にもいえないでしょ」はいかにもマンガ。

選挙も、バカな国民がカシコイぼくちゃんを
分らなかっただけ、と思ってるのかなあ。

TVでそれが見えてしまうことには思い到らない
のでしょうか。
エライ人には何かの意図があるのか。

それとも(騙し損ねて悪態)ってやつか・・

経済界なんかにはお詫びしてまわったそうだけど
自分が正しければ国民にも説明しなきゃ、ね。

お前らに口利かない、と放りだすのは自民党の
オハコになりかけていますね。
そんな党じゃなかったけどなあ。


カミサンが普通に言えばよいのにと言ってました。

「いや、会談の内容は言えないんですよ。」

そうしたら記者が「いえ、お伺いしたいのは・・」

それで何の支障があるというのでしょう。

月はなぜ平たいお盆に見えるか

2009-09-14 12:32:18 | 本の話
2年前の今日9月14日に月周回衛星「かぐや」を乗せた
HⅡAロケットが打ち上げに成功しています。

その後の観測はハイビジョンの映像などで
よく知られています。

今年6月11日、使命を終えました。
ラストショットは何故か美しかったですね。

膨大なデータの解析から、今少しずつ新しい発見が
発表されています。


先日9月11日には同じHⅡロケット(B)で
無人宇宙船HTVの打ち上げに成功。
今後の期待が高まります。

さきの「かぐや」でも重さが3tもある衛星でした。
このところ日本のロケットは調子がよいですね。
一時は失敗ばかりでどうなることか、でしたが。


今年は早めに秋らしさがつのり、先の満月も美しい
ものでしたね。

今日は旧暦で七月二十六日、すでに下弦の月をすぎ
来月には中秋の名月を迎えます。
10/3が旧暦八月十五日、中秋となります。
(ただし満月は翌4日)

名月を迎え、月に関するウンチクを仕入れては如何?

たとえば下弦の月は、西に沈むとき弓が下を向く=
直線部分が下になるから・・・というのは俗説!

なぜ今年は中秋の名月、十五夜が満月ではないのか。

どうして秋の月は(月天心)に近くなるのか。
月の南中高度はずいぶん動きますね。・・why?


渡辺潤一編著『最新・月の科学』NHKブックス
(08.6発行)
一年前の本ですから必ずしも(最新)ではないのですが。

小学生の参考書に出るような話から、暦、日本の月文化
日食・月食、月の自転・公転、地球との関係、潮汐
月の構造・進化、宇宙、月の科学探査の歴史とこれから
などなど、我々一般向けに盛りだくさんです。

月の誕生、クレーターの出来方、裏と表の違い、永久影
など分らないことだらけというのも意外です。

さて、タイトルの月はなぜ「お盆」か?
ゴルフボールのように球として立体的に見えないか?

(こんなこと考えても見ませんでした。
 いかに固い頭で生きているかの証拠ですねえ)

それは月がとても明るいからです。

天体表面をおおう土砂をレゴリスというのだそうです。
月にも多く積もっています。
それがきめ細かいスノーパウダーの状態で太陽の光を
散乱させるのだそうで、だから明るい。

マッピン&ウェッブのお盆みたいに見える訳でした。

たぶん私も IBS

2009-09-13 10:26:59 | 本の話
IBS=過敏性腸症候群という病気があります。
文明病とされ、日本でも一般的なものです。

素人判断ながら私もIBS、もしくはその予備軍
であるようです。
(最近の私は乳酸菌系の整腸剤が効いていますから
 大丈夫なのですが若い頃は相当に弱かったですね。
 当時は「神経性下痢」と言われてました。
 満員電車でおなかが痛くなり汗が出てくるのです。
 高校の修学旅行も厳しかった。)

先進国では人口の1~2割がIBSだとか。

おなかの具合がひどく悪いのに、調べても原因が
見つからない病気です。
ストレスからくるのですね。


子供達にも多いようです。

大人と違う難しさもあるようです。
下手をするとイジメや不登校につながります。
オオゲサではありません。
学校で何度もトイレに行けますか?
何か言われるに決まっています。

大人も正しい知識を持ち子供達への教育をしな
ければなりません。


一般的な病気といっても1割くらいは重症の方が
おられ、つらいものだそうです。
社会生活も大変だしね。

では、軽い人間は大きな問題ではないのか?
患者数が多いので医療費なども社会的問題です。

現在では治療法も進み、薬と心理療法を組み合わせて
いるということですね。


これを書いているネタ本は
福土審著『内臓感覚』NHKブックス
(2007.9発行)

たいへん勉強になる本ですね。

内臓、特に腸と脳には強い結びつきがあるそうです。
意外に思いましたが生物の進化から説かれると納得。

脳と腸の関係からも上記IBSという一般的な病気を
研究する価値があるのです。

ただ、TVでも本でもそうですが病気関係のものは
知るにつけ読むにつけ自分も病気になりそう。
杞憂のネタが増えIBSが進みそうな気さえします。
(半分冗談ですが、ね)

それはさておき
ストレスが強いと病気になるとよく聞きます。
ではどういうメカニズムであるか。
それが近年の研究で次第に明らかになっています。

高校生の頃、交感神経とか副交感神経。
アドレナリンとか、習いましたね。
現在はそんなレベルの話じゃ、ない!
詳しくは本をお読み下さい。


IBSには合併症や関連した病気も非常に多い
そうです。
教育の関係ではADHD=注意欠陥多動障害や
アスペルガーなどが気になります。

本の内容としては多少横道にそれた部分で
情動についても触れられています。

喜怒哀楽なのですが、感情と区別し、身体変化を
ともなうことを情動というのだそうです。
涙が流れる、手に汗を握る、肩がこる・・・

こういった情動に関する医学的研究は遅れていた
分野で、その取り扱いの難しさを示します。

福土さんは教育でも情動に対する取り組みが
遅れているだろうと指摘されます。
確かにそうですね。
重要なことなのに。

井上がつたなくも考えるに、
今までの教育でも情動と言うことは気にはなっており
一部「ゆとり教育」で取り組もうとされました。
ただ「楽しさ」でオチャを濁したものだから
結局甘やかしと同じことになってしまった・・

本当は情動こそ教育でたいへんに重要なことです。
それが勉強の大きなエネルギーになるのですから。


興味深い話が沢山盛り込まれています。

上記は教育に絞って紹介しましたがその部分は
サシミのツマのようで科学的な話・医学的な話を
中心に盛りだくさんですね。

特に「内臓感覚」とは何ぞや、興味がつきません。

モノを見る目、を養える本でもあります。

一方向の情報

2009-09-12 11:05:13 | 塾あれこれ
五十肩の通院が続きます。
ふだんサボっているので仕方ないですか。
まだ就寝時に左を下にできません。


通院先の院長は独特の治療法をお持ちです。
全く痛くない治療で、体が軽く、柔らかくなります。
さすが、ですよ。

ベッドの上であっち向いたりこっち向いたり
背を押されたり腰を曲げられたり
という治療です。

(ただし普段は先生の治療はなく、療法士)

ある時、2ヶ月ぶりの問診を済ませて
「はい、ベッドに」
横になると先生が「じゃ左を下にして、
左が下で痛くありませんか」

院長は今のことを聞いたつもりでしたが
私は問診の続きで日常生活の話と思ってしまった。
「まだ左が下では眠れません」

「普段はまだそうでしょうね。
 今はどうですか、痛いですか」
口ぶりに(あほか、まだそんな状態であることくらい
分ってる。今の話じゃ)
という感じがありありと浮かんでいました。

意思疎通の齟齬で、まあ日常誰しもよく経験すること
です。


カミサンにもよく言われます。
「それじゃ何を言いたいのか、通じません」

「アレをナニして」じゃワカランか。。

実は話が多少具体的なほうが起き易いものです。
「書類置いときます」
処理をしたものをおいたのか、まだしていないものか。

お互いが勝手に思い込んでミスになることがあります。


よくある話ですが立場に差があると、笑い話になるとか
分らないと問い返せとるか、ができません。

映画『精神』でも先生が医療従事者への講演で
(一方的な意思伝達)の危険を説いておられました。

言う側の不正確な部分を、聴く側が自分流に(思い込む)
のです。

立場に差があると、そうせざるを得ませんね。


生徒に話をするときに私も似たことをしてないか、
はなはだ心もとないところです。

生徒に説明をするとか、答えまで教える、などの場合は
まだ上記の齟齬は少ないでしょう。

質問があってヒントを出す。
このときは難しいですね。

相手がこちらの意図を正確に捉えられる表現を
出来ているかどうか。

間違った風に捉えて、ヒントをもらったのだから
分らないけれどそれをもとに考えねば・・
などと混乱していても、こちらは暫く分りません。

気がついたときに「あほか」という空気が出ていや
しないか。
「あのねえ・・」なんて少し怒ってたりして。

生徒は、お前のヒントが悪いとは思わないし
言えないし。

正確に伝えようと思うとヒントになりにくいこと
もあります。
相手の現在の学力と意欲、質問内容を踏まえて
瞬時にこの程度のヒントを、とやるのですから
難しいことです。

たとえヒントの意味を正確に捉えていても
そこから考えることが難しいようなヒントを出すこと
も多いのです。

生徒には「オッサン、よー分らん」でしょうねえ。


写真は尾道の二階構造の井戸のあと。
使っていたのを知っています。

三代目金馬

2009-09-11 10:29:31 | 本の話
尾道は海の町ですが私は釣りをしません。
人生で二度だけしか釣りの経験がありません。
いずれも広島に来てからのことです。

一度は船に乗せてもらいキスを釣っているうちに
船酔いしてしまいました。
もう一度は友達に連れられて堤防から釣りをし
彼の父親の竿を流してしまいました。
ドジですね。

祖父母の影響もあったのでしょう。
殺生を嫌いました。
仏教文化ですね。

人間は他の生き物の命を奪ってしか生きられないのに
いや、だからこそ殺生を意識せよという事でしょう。

父は若い頃釣りをした様でしたから、祖父母の影響より
私が特別にドンクサかったのが理由かもしれません。

もっとも尾道という町、眼前の水道は流れが速く
岸ぞいには家も多くあり、子供が気軽に釣り糸を垂れる
スポットが少なかったこともあります。
川もほとんどないしね。


釣りに疎い私ですが、その世界を楽しそうだと実感する
文章に出会いました。

三代目三遊亭金馬の『浮世断語』(河出文庫)
色々な形で出版されている有名な本です。

(今の金馬はNHK[お笑い三人組」の小金馬が
 襲名した四代目です)

先代は線の太い芸風で子供にも人気があった人。

『居酒屋』
 「そのウィ~ってのを遣っつくれい」

『孝行糖』
 「で、どこをぶたれたんだい」
 「此処と-、こーこーとー」

あの独特な声がラジオから聞こえていたのが
懐かしいですね。


先代金馬、1894~1964ですから日清戦争~オリンピック
と激動の日本を生きておられます。

『浮世断語』には古い芸人の世界も描かれています。
ドロドロとした世界が興味深く広がっています。
八代目正蔵の本にはあまり出てこないものですね。

金馬の文章は全体に丁寧で細やか。
描写が詩人を思わせます。
知識も深いようです。

だから、あの線の太い噺ができたのでしょう。

細かく見つめることが出来れば思い切って削ることも
できるようになるからです。
彼の噺も近年やっと評価が上がってきているそうですね。


釣りが大変にお好きだったようです。
生き生きとした描写によく現れています。

還暦のとき、その釣りの帰り道で汽車に跳ねられ
九死に一生を得ます。

手術、長い入院の後やっと退院できるときの感慨
は胸に沁みいりました。

(若い頃読んでなくて良かった。
 年をとるのも悪くはありませんね)