「解明されるティーンズの脳」

2011-09-30 14:17:26 | 塾あれこれ
ナショナルジオグラフィック10月号
表紙に大きく「解明されるティーンズの脳」という
文字が目立ちます。

サイエンス・ライターのデビット・ドブズさんの記事が
7ページと、写真多数です。
私には写真はピンときませんが、記事は興味深いですね。

ティーンズはとかく無謀に走り易く、大人から見ると
厄介でもあるのですが、脳科学や精神科学などの研究で
脳や精神に欠点があるというより、建設的な可能性がある
と見られるというのです。

例えば脳内の処理速度は12~25歳で急速に上昇する
それは個人や人類にとってプラスであるはず、と考える
のです。

そういう方向からの記事で、教育という面から見ても
たいへんに示唆的です。

面白い記事で、お勧めですね。


私には「5600万年前の気球温暖化」という記事も
面白かった。

何らかの原因で始まった温暖化によりメタンハイドレートが
急速に融解して大気中にメタンが放出され、
一気に大気の温暖化が進むのです。

素人考えですが、何やら現在のCO2他温暖効果ガスの
著しい増加と異常気象、地球温暖化の近い将来を思わせる
ではありませんか。
激変は怖いですね。


東電がこの夏の節電を分析し、一番の課題であった
消費ピーク時の節電には家庭はあまり寄与していない、
と発表しています。

「関係のないところで」節電した、とは失礼な。
(記事を良く読むと、直接のデータではなく推量)

諸事情の下で、5%でもカットするのは大変なのに
役に立たなかったと言わぬばかりの報道は・・

家庭の節電はピーク時の危機を乗り越えるためだけで
やっていたわけではないでしょう。

浪費をやめCO2排出も下げたいとの思いもあった筈。
驚くべき節電をこそ、まず評価すべきです。
次いでピークの問題になるはずですよね。

どうも東電→政府→マスメディアは鳩山のCO2カット
という政策目標が気に入らないようですね。

本当に温暖化であるのか。
異常気象との関係はどうなのか。
原因はCO2なのか。

結論が出ていないことかもしれません。
しかしだからといってかなり疑わしい物を無視してても
よいのでしょうか。

たとえば、もしCO2が異常気象の原因だと分かった時に
手遅れで間に合わなかったらどうする?
原発があるから、という考えは破綻しました。
あっても増えることを止めるだけで減らせるわけでは
ありません。

メタンハイドレートの爆発的融解を止められるか?
吸収したり温暖化を止める手立てがあるか?

今はまず浪費をチェックし、エコを考えるべきでしょう。

手がつくところから、少しずつでも実行あるのみ。
たとえ「関係ない」と揶揄されても、エコバカと
指をさされようと、爺さんは子・孫のために。

あ?
私には子も孫もいないんだった・・・

入塾テスト

2011-09-29 10:18:19 | 塾あれこれ
塾を大別するに入塾時のテストを
するかしないか、ということも可能です。

進学塾か補習塾か、一斉授業か個別形式か
などいくつもの基準がありえますが。


入塾時にテストをする理由としては

①塾のありように合わない生徒はたとえ入っても可哀そう。
②力がない子は塾にとっても負担になることが多い。
③入試に通りそうな子を集めて実績をだしたい。
④テスト料金をかせぎたい。
⑤入塾テストをしない塾は人気がない塾という印象を与える。

・・・などが考えられそうです。

私が以前勤めていた塾も入塾テストをしていました。
個人的には、上記①の理由はかなり賛成できますが
それ以外でのテストは止めてほしいですね。


勤めていた塾の真ん前にクリーニングの取次店がありました。

シャツなどもよく出していたので顔見知りとなり
そのうち塾の先生だということも伝わりました。

ある時のことです。
たまっているものがあったのでしょうね。(洗濯物?←笑)
唐突に
「塾ってなんで入塾テストをするんかね。」

塾としての公式見解を話し始める私をさえぎり

「分からん子を分かるようにするのが塾じゃろ。
 初めから分からん子を撥ねて引き受けんでどうするん。
 出来る子ばっかの御宅らは楽でよかろうが。」

「ええ子ばっか集めてさぞ入試実績はあがるじゃろ。
 ええ~!成績が悪うなる子もおる?
 なんな、それ。
 入塾テストの意味がないじゃん」

「出来ようが出来まいが、まず塾へ来てもろうて
 みんな出来るようにしちゃるんが塾じゃないん?
 高い月謝取りよるんじゃろうが」

内心「私ひとりに言われてもなー」ではありましたが
一理ある話として伺いました。
ン十年たっても鮮明に記憶しております。

(今、私が客でクリーニングを頼み、
 あなたはうちの塾の客じゃない。
 入塾の問い合わせをしてクレーム願いたい)
これぐらい言いたかったけどね。
とにもかくにも、腹が立っておられたのでしょう。


進学実績を前面に出し、一斉授業で比較的安く進学塾を
行おうとする場合、ホンネとしては入塾テストをしたい。

逆にどんな成績でも(テストがあっても形だけで)
大勢を受け入れるのは安易な金儲けともいえます。
ときおり(?)大手塾に見受けますね。

きちんと入塾テストをし、あとの責任を持つというのは
クリーニング屋さんに申し訳ないけれど・・あり!

ただね、実際問題として、入った人全員に十分なサービスをし
責任をとれているでしょうか?

「ここまではやって頂かないと責任持てません」などと
入試を控えた親の立ち場を見越しての注文が多いのでは?

もちろん、一般の塾で生徒を甘やかし、月謝だけを頂く
こんな塾とは結局、大同小異でしょう。
甘いとね、結構良い塾だと人気があったりするのです。


ええ、なにか他塾へ当たり散らしている品のないブログに
なってしまいました。

良心的な良い塾も多いと思います。
けれど、金儲けが先行している処も多いようで。

金だけの問題ならまだよいのです。
保護者のデキの問題だから、勝手に損してるとも言えます。

しかし、子供にはたいへんな迷惑ってこともありえます。
目先の入試結果だけでよいのでしょうか?

将来、東大は出たけれど、指示待ち人間・・・


私立学校の入学試験はどうなんでしょう。
塾と似ていません?

殆どの受験者が合格するテストを大金かけて受けさせる。
一部の学校はただの金儲けになってやしません?

いっそテストなんか止めて、無試験
書類審査と面接、その場で合格書類を渡す
なんてどうでしょうね。

「成績がどんな子でも、とことん面倒見ます」
こんな学校姿勢こそが日本を良くするでしょうに。

文科省や地方自治体に何か言われるのかなあ。

「藪の中」から何かでた。

2011-09-28 10:11:52 | 塾あれこれ
こちらから自分の考えを、聞かれもしないのに
生徒に押しつけるのは最悪です。

しかし何か聞かれたときに自分の考えがないようでは
「人に教える」立場につくことはできません。

もちろん相手によりどのような話をするかは
状況に合わせて変化します。

自分と一般論が違っている場合、まず一般論を話し
場合によって個人的見解に触れる場合もある、くらいが
穏当なのでしょうね。
学年が低い場合は一般論だけをいうのが普通。

「一般にはネ」と前ふりをしての説明です。

では「自分の考え」は必要ないのでしょうか。

相手から一歩突っ込まれた場合、自分が人間として
それに向きあえるか、その準備が常にあってこそが
ブレない教育の基本でしょう。

一般的な意見と同じであれ、違うものであれ
こういう根拠で自分はこう思う!が重要です。
できればあらゆることに。

そこで、何にでも首を突っ込む、分不相応のブログに
なってしまいました。

しかし「偏ったことを教えないためにこそ自分を確認する」
ということは実際にはなかなかご理解いただけません。

「ま~、かたよった人だこと!やはり塾だわねー。
 うちの子をそんな塾にはやれないわ」

無自覚であることの方が大いに危険なのですが
それは別の機会に書きます。

突っ込んだことでも自分の考えを表明するのには
もうひとつ理由があります。

自分の正体を隠した偽善者的な教育はしたくない
と思うのです。

少なくとも保護者の方には、私はこんな人間です、
こういうふうに生徒に接しています、ということを
なるべく正直にお伝えしたい。

教育はこうでないと安心できないでしょう。

経営にマイナスになるかもしれないからホンネは
控える、というのが現在の日本風ですが、
そんな先生に教えられて、自覚的な国際人が育ちますか?

我々は自分のために仕事をするのか、生徒のためにか?


前置きが長くなってしまいました。
前外務次官の藪中氏が米国に向かって発言した内容が
ウィキリークスによって明るみに出されました。

オバマの広島長崎訪問は時期尚早だ、と伝えたのです。

中学生くらいならば質問の対象になるニュースですね。

で、これをどう考えるか、どう教えられるか?
絶望的ですよね。
この無茶苦茶なありさまを伝えられるか?

まず、ニュースが出た後の外務省のコメントですが
「違法な手段によったリークは相手にできない」

自分にはコメントしようもない、都合が悪いことがバレたと
外務省自身で白状しているようなもので、極めて拙劣な対応
なのですが、これ一本やりで簡単に通ってしまう怖さが
ずっと日本にはありました。
まだ一定の効能がありそうな雰囲気です。

「機密だ、安全保障だ、推測には答えられない、証拠が
あるか、・・・」
厚顔もよいところなのですが、それで押し通せちゃう。
見え見えのウソでも平気なのです。

大なり小なり、世界中で起きることのようで、結果的に
ウィキリークスが一定の支持を得ちゃうのですね。

例えばカミサンがダンナの通信を勝手にチェックして
浮気の疑いを確認した時
ダンナが「不正な手段で得たその浮気情報に関しては
コメントできない」といって、通りますかね。
問題は浮気そのものなのに。

高級官僚の世界ではそれがまかり通るのです。

これを生徒にどう教えられますか?


推測でしかありませんが、外務省が米国から頼まれた
のではないかと思います。

オバマはヒロシマ訪問を検討している、しかし米国の
軍人ほかでは「謝罪」などを大問題にするだろう。
面倒な問題は起こしたくないので日本から時期尚早を
言いだしたことにしてくれないか。
その代わり式典には在日米大使を出す。

外務省は米国の出先機関みたいなものですから
二つ返事です。
そうして公電が残った・・

日本国民の付託を受けて米国のために働く、そんな官僚って
アリですかねえ。
・・オオアリだった。。。

国民は怒らなければなりませんが、マスメディアは
この一件に触れないように動いているようですね。
これも同じ穴のムジナたち。

公電の文面には「謝罪できない以上、来ても」とも
書いてあるようです。
アメリカのためと言いつつ、後々のためを抑えた
官僚らしいレトリックなので
「両国政府は世論の期待を抑えなければならない」
「よって時期尚早」
こちらに重点があることは明らかです。

まさかここで外務省が米国に強く謝罪を求めているわけは
ないですからね。

外務省は国民の意見はそっちのけで米国の都合を下請けし
恥ずべき発言をしているわけです。機密裏に。

公僕であるどころか逆に(バカどもが騒がぬよう)
と言いたいらしい。
エリートといわれる人々のホンネが見えますね。

結局「日程の都合がつかない」という理由で
広島長崎には訪問しませんでした。

核を解決する方向への重要な一歩を踏みだせたかも
しれないのに。

それより「世論の期待を抑える」ことが大切らしい。
どこが民主国家なのでしょうか。


「大騒ぎしない形での質素な訪問」ならばという
文言が付け加えられているようですが
米大統領がどうやればそういう訪問ができるのか
具体案があればお伺いしてみたいものです。

ギャグかなあ?

『藪中が妙な声だす、恥ずかしさ』

廿日市『旬菜 蔵』・・美味&もてなしの心

2011-09-27 08:43:39 | 食べる
久し振りに『蔵』で食事。
何度も書いていますが廿日市の(隠れ家の趣)がある
名店です。

若いころ、とある音楽専攻の学生が「一枚のレコードなら
バッハの無伴奏バイオリンパルティータ」と
超カッコイイ台詞を吐いて、未だに覚えていますが
ちょいとマネをして
一軒だけを選ぶなら、廿日市・平良の『旬菜 蔵』


店のポリシーが良いですね。

店主がウェブサイトに書かれていることをきちんと
実行されています。
強い信念がおありと見受けますが、お話をされると
実に物腰の柔らかなご主人です。

環境に良い生き方を示され、また、美味しい料理を
我々に提供してくださいます。

30年も前ならば東京でも玄米食の健康によい店とか
無農薬の店とかすでにあり、妙に高くて、美味くない、
そんなイメージでした。

食品の味はおおむね鮮度で決まりますが、逆に鮮度がよければ
通常の野菜も無農薬も同じ味にしか思えません。
(私よりもっと感度の良い人も大勢おられるでしょうが
 私にはほとんど区別がつきません)

無農薬であろうことを信じて、高くてまずい物を食べるという
のは、長続きしないでしょう。
宗教じゃないんだから。

・・今はどうなんでしょうか?

良くて、美味いを両立させるのは、やはり大変でしょう。


蔵さんは、環境とか健康とかを勘定に入れなくても
まず、ともかく美味い!リーズナブル!

どのようにして安く提供できるか、信じられないほどの
影の努力がおありのようです。

信念ちゅーか、頑固ちゅーか、
これにつきあってあげる奥さんはエライ!

それにしても器の凝りようは「ど~よ」
季節により料理により、選択のニクいこと。

このお店には無尽蔵に器があるんじゃないか?
従業員さんは覚えられるんだろうか?


私が言葉を並べても説得力がありませんが
たとえばどんな日本酒を頂けるか、それだけで店の実力も
推察出来るでしょう。

今をときめく「賀茂金秀」、超軟水の「白鴻」、
東城の「超群」、岩国の「獺祭」などなど。

これだけでもピンときません?
すごい品揃えですね。

冷酒といえばピシっと冷たく(ワインに負けないサービス)
ぬる燗といえば絶妙の舌触りで・・


気の遠くなるような包丁さばき、裏ごしのなめらかさ・・

未見の方はぜひウェブサイトを覗いて下さい。
この写真の向こうに深い世界が広がっているのです。
(食べなきゃ、わかんないけれど)

ただし、ボリュームが全てに先んずるアメリカ人のような
感覚をお持ちの方にはお勧めできません。
近頃日本人にもこんなのが増えてねえ。
味わうということを知らないんだ。

私に金があれば味の分かる奴をいっぱい招待しちゃう。

でも、ないので自分たちだけでニンマリと通っています。
興味のある方はどうかご自分のマネーでね、どうぞ。


味に一言だけ触れておきましょう。

たとえば椀もの。

汁だけで酒を何杯も飲めますねえ。
味の塩梅といい温度といい絶妙。

昆布等の豊かな味が口中に広がりさわやかな香りが訪れます。
ただし、決して主張しすぎません。
さらりと喉を越し舌には何も残らない、
こんなの飲んだことがありますか?

しかも具の味一つ一つの輪郭を際立たせます。

これだけを何杯もお替わり出来たら、銚子を何本か倒し
それだけで帰っちゃうかもしれないけれど
叱られるよね。

また次の刺身が美味いんだ、これが。
瀬戸内の粋だね。

焼き物へいくと・・

・・・キリがないので端折ります。


静かに楽しく話をして、ゆっくり味わい、ほろりと酔って
帰りの玄関に立つとき
まったく客のジャマをしなかった接客のありかたに気づき
「美味かった、有難う」
心からそういえるサービス、
これも近頃珍しい。

大騒ぎしたい人にはお勧めできないねえ。

DAYS:放射能、どう測る

2011-09-26 10:23:19 | 塾あれこれ
DAYS10月号。
遅い紹介になりましたが今月も興味深い。

特集は『「放射能」どう測る?』

まず4頁にわたって、測定器を買い求めた一般の人の
使用状況などのアンケートが並びます。

24名が載っていますが、製造会社や値段から
実際の測定状況までさまざまな声が寄せられています。

次に測定に関する専門家の話が6頁。
勉強になります。

広島にいると東日本のような切迫感がうすく
ともすればノンビリしてしまうので大切な情報です。

(ガチガチの~派で余裕がない人も多そうです。
 少なくとも、自分の考えに正反対の人とでも
 一定の話ができるという人が少ない・・両派とも。
 利益ばっかりであったり、自己中であったり。
地域エゴの妙な地方政治状況が渦巻いていたり)


他には下町工場の写真と記事。

結局は何ができるか、技術力の有無が生き残りを
左右するようで、そこは塾も似ているなあと思います。
よくいわれる平凡な結論だから逆に真実でしょうね。

ただし「良い仕事をしてさえいれば何とかなる」も間違い。


短期連載として『チェルノブイリの謎の雨』

チェルノブイリの原発事故の後にソ連お得意の人口雨で
放射能汚染をコントロールしようとした疑いがあります。

ソ連の中枢に放射能汚染が広がらないようにその手前で
雨を降らせ、汚染物質を一緒に地上へ落としたのです。
おかげでモスクワへは汚染は広がらなかったが
放射能を落とされた地域はどうなったか。

突っ込んだ取材ですね。

共産党政権は技術を悪用したようですが、今回の福島と
比べて、対策を用意してあったことが印象的です。
(軍事技術とはいえね)

さて、日本はどうであったか。

すべてを「安全神話」におしつけて御仕舞ですか?


他にもいくつもの写真や記事が心をうちますが
百年前のアメリカ・インディアンの写真が二葉、これは
素晴らしいですね。
八木清さんの引くレヴィ・ストロースの言葉と合わせると
より感動が深まります。

わずか百年前のことなんですがねえ。
(祖父幸兵衛の青年時代位いです。百年ってついこの前)

『盗聴  二・二六事件』・・必読以上!!

2011-09-25 09:58:44 | 本の話
ニュートリノが光速より速く飛んだ、と
大騒ぎになっていますね。

我々シロウトは「???」
ふ~ん、速いのが見つかったの、で?
・・ま、いいです。どうせ、よー分からん。

きっと大事件なのでしょう。(実験が本当なら)
1000年に一度の大震災クラスの。
今まででも難しかった物理学が描く世界像が
更にガラリと変わる可能性があるかもしれません。

その衝撃度が分からないのが情けない。ハハ。

ともかく、学問が進めば学生もまた難しい勉強を
しなければなりませんね。
・・楽しみでしょうねー、へへ。

アインシュタインの相対性理論だけでも難しいのにねえ。


本の話でした。

久しぶりに本の話になります。

このところ読書量も落ちていたのですが、紹介したい物に
出会わず、また面白くても、このブログではちょっと
というものもあったりという具合でしたので。

久しぶりに大変面白い本を読みました。

何で今まで読まなかったんだろう・・・

中田整一著 文春文庫『盗聴 二二六事件』

必読以上!!の傑作です。


「二二六」って、もう十分知っている気がしますよね。
その裏側で電話の盗聴があったことも、有名です。

TVでもやったしね。

あえてこの本を読まなくても、先に他のを、という気分が
あったのは間違いありません。

それが大間違いでした。
TVでは表現しきれないことが沢山あるのですよね。
見る方も表面的になりやすいし。

本は本で、きちんと読まねばなりません。
たとえ知っていると思っていることでも。


著者、中田整一さんはNHKのプロデューサー。
1979年にTVドキュメンタリーでこの事件を扱い
以来、面白いというと失礼ですが、とにかく衝撃的な
番組を作られた方です。

二二六との出会いから始まり、番組作りの話や
驚くような発掘、関係者の話から垣間見える人生の深さ
・・事件を追うというよりも人間存在そのものに
焦点を当てているようです。

次第に、それらの向こうに事件の全貌が見えてきます。
(二二六をまとめて学べちゃう面もあります)

一つ一つの話が印象深いので、背後から浮かんでくる
事件の大きさ異様さが際立ちます。

しかも上質の推理小説を読むような興奮が得られます。
第一級の読み物ですね。

詳しく知っていると面白さが増します。

ほぼ参考書程度の知識しかなかった二二六もこの本で
興味深さが増しました。
昭和史の勉強もしなくてはなりません。


もし物理に詳しければ、上記光速の問題も面白さが違う
ハズでしょう。
今頃コーフンしてるかもしれません。

平凡、かつ教訓めいた言い方ですが勉強は大事ですねえ。
人生が面白くなります。

上沼の旦那が有する「何~んの役にも立たん」歴史の知識も
本当は生きることの面白さを生むのでしょう。

・・・さて、私に何かあるか?
問題ですねえ。

「ふくべ三」と「きり吟」

2011-09-24 08:57:51 | 食べる
広島にも蕎麦屋が増えました。
美味くなってきています。

昨日、段原の「きり吟」に行きました。(高天原から徒歩)
美味しい蕎麦ですね。

ときどき行く横川の「ふくべ三」と比べると
コシが、より強い。
ツユも醤油辛さが強いようです。
バランスとして甘味も。(加減がよい)

当然これらは一体なので、「きり吟」は「きり吟」の味。
作り手の個性でしょう。

「ふくべ三」と甲乙つけがたいようです。

好き嫌いでは私は「ふくべ三」ですが
慣れもありますからそうなので、
味は二店とも「☆みっつです~」

店構えは「きり吟」が今風、
「ふくべ三」は土間まで気持ち良い純和風。

己斐の「はっぴ」も美味い蕎麦ですが店構えが
普通のうどん屋並みなのでザルだけをすするのに
満足感が足りない気がしますね。

食器類は「ふくべ三」がかなり勝ります。


「きり吟」はサービスが下手でした。
なんと、蕎麦湯が出てこない。

信念で蕎麦湯を出さない店もあります。
要求されて初めて出す店もあれば
その日、店を開けて暫くの間だけは供さない処もね。

出ないといっても箸がないのとはワケ違います。

お客さんが多くて忙しくしておられたので
「蕎麦湯は?」と聞くタイミングがありませんでした。

テーブルを立った途端、隣の席に蕎麦湯を出したので
「ははあ、忘れたな」と分かったわけです。

蕎麦湯用に山葵もネギもツユも残しておく主義なので
勿体ないったらありゃしない。

仕事の手順がしっかりできていないのでしょうね。
お店これから大丈夫かな?

蕎麦好きにとっての蕎麦湯が分かっていないかも。
湯じゃん、サービスじゃん・・ってね。


蕎麦にプラス350円を出すと穴子の天麩羅がつく
というサービスをしていました。
20㎝近い天麩羅に天つゆも別で、かなりサービス。

カミサンのを少し貰いましたが柔らかくてまあまあ。
これを頼んでいる客も多そうでしたね。

予め甘い味で下煮をしてあったのかなあ。
不満。

小さくてもよいから穴子の味がするものを出す方が
よろしいと思います。

でもこういうサービスが店を支えるのだろうなあ。

本格的な蕎麦屋で蕎麦湯を忘れるほうが本当は
よくないと、私なんざ思うけど、広島だけがこうか
日本中こうなっちゃったか。

客が悪いんだろうねえ。
(蕎麦屋に限らず)
店が育たないよねえ。

中野の酒場で

2011-09-23 15:06:26 | 塾あれこれ
白山雅一さんが亡くなられました。
年配者しか記憶がない芸人でしょうね。

声帯模写=有名人の声真似などで有名でした。

声帯模写なら何といっても桜井長一郎
長谷川一夫の真似で「おのおのがた・・」
よくTVにも流れていたと記憶しています。

桜井さんが登場しなくなってしばらくは白山雅一さんが
声帯模写の「担当」でしたが、残念ながら
桜井さんほどのインパクトはありませんでした。

声帯模写という芸そのものが衰退期に入っていたのでしょう。

私は、白山って華がないし、上手くないなあと勝手な
評価をしていました。
高座で見たこともないのに。

少しの間TVに出てたけれどいつの間にか消えてしまい
ちょうどそのころだったか中野のとある飲み屋で時折
姿を見かけました。

女将ひとり、客も6~7人で一杯の小さな飲み屋です。
トイレは店を出て少し歩いた共同トイレ。
似たような小さな店がたくさんありましたねえ。

安いお値段で飲めます。
酒屋で千円で売っている安ウィスキーをキープするのに
1500円。
そんなイメージでしたね。(細かいことは忘れちゃった)

もちろん水道水で割って飲みます。

あんなに安くてよく店が成り立っていたねえ。

その店は飲みグループの一人の彼氏が行きつけだった
ように覚えています。(この辺りも記憶が怪しい)

「有名人」というものは自分が世間に知られているのを
意識せざるをえません。
白山さんが有名人かどうか、微妙ですが少なくとも
ご当人は気にされていたようです。
あの風貌ですからね、どこでも声をかけられたでしょうし。

良い酒ではなかったように記憶しています。

場末の安酒場に来るのはそういう時かもしれません。

客も彼に話を聞きたがったりはしなかったと思います、
私が、知る限りは。
ましてやいくら酔っても「モノマネやってよ」などと
失礼をいう人はいません。

私が広島に戻ったころでしょうか、再びTVに出る機会が
増え、あらまた出始めてる、と思った時期がありました。
それも一時でしたけれどねえ。

それからほぼ30年たっての訃報は、やはり寂しい。

上手な距離感をとって酒を酌み交わせる人が羨ましい、
「客同士はお互い無視するのがよい」とばかりも
言えないようです。
せっかくだからその時だけは楽しく一緒に。

静かに飲みたいなあ、と思っていても構わないのです、
その辺りが分かってなかったようです。


「孤独死」ってやつですか。

・・昔からよくある話ですけれどねえ、名詞を冠されると
イメージをくっつけられてしまいますね。

ただ時代に置いて行かれた芸だった、というだけなのですが。

PS
5時過ぎにFMで木下華声の声帯模写を流してくれました。
いたね、きのしたかせー。

SPレコードで短い時間でしたが広沢虎造が秀逸です。
浪曲自体が上手いのです。
今はプロの浪曲師がひどく下手ですよねえ。

車という密室で怪しい・・。

2011-09-23 08:50:31 | 塾あれこれ
宮島の向かいに位置する青葉台へは
JR宮島口駅の南にある交差点を左に折れ
競艇場方面に歩きながら小浦眼科をすぎ
JR踏切でまた左折、レオパレスの前の坂を
道なりに上ってゆきます。

青葉台交差点まで1km半くらいでしょうか。
この十字路のそばが青葉学習館です。

一昨日台風一過の薄日さす日に青葉さんで催された
塾の集まりに伺いました。


青葉学習館が開いてくださる勉強会で、小さな塾には
とても有り難いことです。
毎回、青葉さんがすべてをセットされ、頭が下がります。

呼んでいただける間はなるべく出席をしたいですね。
元気を頂けますし。


オジジは例によって徒歩で上記の道を歩くのですが
今回は20分もかかってしまい、開会時刻ギリギリに
飛び込む始末になってしまいました。

いやー、体力がなくなって・・・ぜーぜー


帰りは私んチの近くのY先生が車で送ってあげようと
親切な声かけをして下さいました。

まさか「高津堂で紅葉饅頭を買うので」とも言えず
お言葉に甘えてしまいましたね。

車という他人から隔絶された空間での気楽きわまる
ザックバラン話を久し振りに楽しみたいという
気分もありました。

人にはいえないグチを喋り合いましたね。

塾も気楽そうに見えても愚痴のネタが多い仕事です。

「近頃の・・・」
「ですよねー」
「何だと思ってるんでしょうね」
「でさ、また~が・・・」
「ほほう、そんなことがありましたか」


カミサンによりますと帰宅時私の機嫌はとても良かった
そうです。

処理が速ければ賢い生徒か

2011-09-22 14:57:12 | 教えない
いつまでたっても改善が進まない「塾教育」に
心配を抱きます。

例えば、生徒は処理が速ければそれでよいか、と尋ねれ
ば多くの方は「それだけでは」と留保されるでしょう。

暗記が得意であれば・・、などでも同様です。


十数年前、進学塾で講師をしていたころには
実はかなり重視していた能力です。

どこの塾だって同様でしょう、
何もジツハなんて言う必要はありません。

当然すぎることとして、若いうちはそれについての是否を
考えることもありませんでした。

もちろん、冒頭のように、そこだけを訊かれれば
「重要です、ただしそれだけではありません」と無難に
答えたでしょう。
たしかに間違ってはいない答えですよね。

スピードも大切ですが、それだけでよいのかという思いが
ありますから言葉を濁すのですけれども。

で、この十数年で事態が好転してきたか?

塾業界だけに限って言いますと(推測でしかないので
申し上げにくいことではありますが)
どうも実情は何も変わっていないように思えるのです。

それどころか逆にますます速さや記憶力ばかりを
鍛えているように見えることもあるのです。

受験に関しては手っ取り早く有効なこと、というのは
変わっていないようですね。


処理スピードが速かったり、記憶力が良い生徒は
学習における他の能力も高いことが予想されます。

もちろん、処理は速いが応用はからっきし、なんてことも
ありますけれども、パパッと処理出来る子は他の能力も
高く、おおむね「賢い生徒」のほうに入るでしょうね。

これは大学でも社会でも、ある程度あてはまることでは
ないでしょうか。

いまだに東大京大といい、将来にプラスであろうとして
公立校も私立も塾もみな目標をそのレベルにおきます。

企業だってやはりまだ東大京大。

とある学習能力が高ければ、それにつながっている部分も
優秀であることが多いので判断基準として有効なのです。


しかし、では、処理スピードがそれほどでもなかった人を
訓練して速くすれば、周辺の能力が高まっているか?

暗記法をマスターてそれだけでテストの点を稼ぐとしたら
考える力は育っているか?

「東大を出ててもなあ・・」
という原因の一つではないかと疑うのです。


それなのに百マスやら速読やら、スピード信仰が流行り
あたかもそれだけで良いかのごとき空気があります。

皆さん口では「いやそれだけではありません」と言われ
ますが、思考力や想像力を(どのように)育てるか
手だてがないまま、周りと同じようなことでお茶を濁し
官僚と同じように退職までの保身を図ります。


「教えない、ですか。
 ん~、良いんじゃないですかネ。
 信念がおありなんでしょう・・」

いっぺん聞いてみたいね、
「で、あなたは具体的に何をやっておられる?」と。