森先生の本を「名文」で紹介してはいけませんでした。
明治にはこんな人がいた、という内容の本です。
モノカキに向かって「文章が上手いね」は場合により
失礼にあたります。
イチローやマツーイに「野球が上手いね」とは言いません。
当たり前のことですから。
野球が上手いうえに、どんな世界を築こうとしているか
そこを楽しまなければなりません。
イチロー語の意味がわからん、は正しい反応でありません。
明治にこんな多士済々がいた、という本です。
○
とても青臭い言い方ですが、明治の人って、生きることに
正面から向き合っていらした。
(だから、ああいう日本語ができたのですね)
成島柳北のような、ななめを向いて生きていたように
見える人でも、斜め方向で(真っ直ぐ。)
森鴎外の姿も興味深いですね。
○
決まりきった評価を得ていた人をとりあげ
「いや。それだけではない」と言われるのです。
たとえば、田岡嶺雲。
「社会主義者としてみることには、反対する余地が
なさそうである。」
・・(しかし、それだけではなく)・・
「本領は文学者たるにあるのではなかったか」
と一面的な評価に疑問を示されます。
思い付きではなく説得力をもってしかも簡潔な文章
ですよ。
○
また初めて聞くような人物も紹介されます。
たとえば呉山堂玉成。(明治31没)
居酒屋のご主人、俳人。
彼の墓を探しています。
立派な六尺もある自然石の墓を確認、
墓の背に掘ってある辞世を紹介されます。
『すゞしさや ほくりかくるゝ 都鳥』
都鳥がポクリと水に潜る
・・そう死にたいものだ、という句です。
水鳥が好きな方は、ふっと水に潜るあの姿
浮かんでこられるでしょう?
とても好い句ですねえ。
明治にはこんな人がいた、という内容の本です。
モノカキに向かって「文章が上手いね」は場合により
失礼にあたります。
イチローやマツーイに「野球が上手いね」とは言いません。
当たり前のことですから。
野球が上手いうえに、どんな世界を築こうとしているか
そこを楽しまなければなりません。
イチロー語の意味がわからん、は正しい反応でありません。
明治にこんな多士済々がいた、という本です。
○
とても青臭い言い方ですが、明治の人って、生きることに
正面から向き合っていらした。
(だから、ああいう日本語ができたのですね)
成島柳北のような、ななめを向いて生きていたように
見える人でも、斜め方向で(真っ直ぐ。)
森鴎外の姿も興味深いですね。
○
決まりきった評価を得ていた人をとりあげ
「いや。それだけではない」と言われるのです。
たとえば、田岡嶺雲。
「社会主義者としてみることには、反対する余地が
なさそうである。」
・・(しかし、それだけではなく)・・
「本領は文学者たるにあるのではなかったか」
と一面的な評価に疑問を示されます。
思い付きではなく説得力をもってしかも簡潔な文章
ですよ。
○
また初めて聞くような人物も紹介されます。
たとえば呉山堂玉成。(明治31没)
居酒屋のご主人、俳人。
彼の墓を探しています。
立派な六尺もある自然石の墓を確認、
墓の背に掘ってある辞世を紹介されます。
『すゞしさや ほくりかくるゝ 都鳥』
都鳥がポクリと水に潜る
・・そう死にたいものだ、という句です。
水鳥が好きな方は、ふっと水に潜るあの姿
浮かんでこられるでしょう?
とても好い句ですねえ。