旬菜蔵のポン酢

2013-07-31 14:26:41 | 食べる
食べ歩きなどできる身分ではありませんが
タマには外出します。

団塊世代が生意気に贅沢を、と思われるかな?

私の場合は、海外旅行に行ったこともなく
車も持ったこともなく、・・・

40代のオヤジ達が上記のようなゼータクをしながら
苦しいだの、不公平だのと言うのを見聞きしますと
アホかと思ってしまいますね。

苦しければ贅沢をしなきゃ良い、のです。

年金もどうなるかも分からない、ですって?

そりゃ団塊の世代みたいに支給は延びるは
金額は減るは、を見ていたら50代40代と
更に厳しくなる恐れは強いですよね。

だから貯金ですか?
アベノミクスでインフレになるのに、ですか?

何をお考えなんだか、私には分からん。
その癖、日々の生活は結構ゼータク。

打つ手がないからって株の信用取引とか
まー、儲けられる人は宜しいのでしょうが
皆が上手くいくかね。

民間の保険が良いって?
潰れたらどうすんのかな。
保証がある・・?・・んとにバカだね。


ええ。。。ポン酢の話でした。

我々が唯一、ときおりではあるが通う店が
廿日市の『旬菜、蔵』さんです。

環境に強く配慮され、和の伝統を守られています。
近頃、珍しいですよね。

先日、十周年だと仰っておられました。
十年で世の中も変わったことでしょう。
でも支持されているということは宜しいことで
心からおめでとう、と申し上げました。

そのセイかなあ、記念品を頂戴しました。
蔵さん特製ポン酢

ユズの勝ったさわやかな味です。

旭ポン酢が好きなのですが
あの世界とはまた違う、万能な調味料に
仕上がっているように思います。


ごく一部の店で手に入れることができるようです。

もらった分が空になったら買いに行こうっと。

新美南吉の日記

2013-07-30 17:29:10 | 塾あれこれ
いつものことながらタイトルが大げさですみません。

日記にこんなところもあるよ、というだけです。
新美南吉研究、などではありませんので悪しからず。

私が持っている本は73年に第11刷のものです。

編者の解説が65年の日付ですし、出版時には
新仮名に直してあったものでしょう。

どうしてそんなことをしたんだか。
読者のためなどと誤魔化して言うのでしょうが
結局「営業」の要請なのでしょうね。

舊假名のものは舊假名(旧仮名)で
正字のものは正字で、
というシンプルさが貫けなかった日本です。
とても残念。


日記の昭和十二年二月三日に(彼は23歳かな)
「昨夜、蕪村句集を読み終わる。」とあります。

(~を讀み終ふ、だったのかなあ、感じが違うでしょ)

それはさておき新美南吉には蕪村が似合いますね。

勿論、俳句といえば、誰でもまず芭蕉を挙げねば
ならないのですが、偉大すぎますね。
え?こんなことまで、と大概のことまで手をつけて
おられます。

後から追いかける人はやり難い。

蕪村に至ってやっと新しい峯がそびえた
しかも日本的な情緒の豊かな世界です。

メメシイと言われようと、蕪村にも魅かれる、
というのが昔の文学青年ですね。

大分たって、日記に彼の作句が書きつけてあります。

同年十二月四日、七句ありますが、最初の句
『山々を濡らせ尾張の初しぐれ』

日記に書きつけた「メモ」を後からうんぬんは
失礼な話ですが、素人目には上手ではなさそうです。
プロが見れば違うのかもしれません。

蕪村や芭蕉の古い時代のまま、
ともかく俳句なるものをやってみよう、という感じが
しますねえ。

彼の最初の句になるのでしょうか。

もちろん、悪い句ではありませんね。
新美南吉らしい空気はあります。


生誕百年、ということで好きな人について
何やら書こうとは思うのですが、難しい。

『おぢいさんのラムプ』は、またね、次回。

見てもいないのに

2013-07-29 18:16:17 | 塾あれこれ
宮崎駿の『風立ちぬ』について韓国が
文句をおっしゃってるそうです。

例によって、ね。

日本の新聞によると韓国ネット社会で騒いでいるとか。

ゼロ戦{本当はゼロではなくて零(れい)、ですが}
を開発した人間を主人公にしたのが良くないらしい。

というか日本人は全て「悪」と言いたいらしい。

戦時中あなたの親戚は軍隊にいたろう、とか
お米を国に納めたろう、
動員されて工場にいたろう
身近にいた朝鮮人を助けなかったろう、
そんな会社にいたろう・・・キリがない。

朝鮮戦争の時、日本が果たした役割など
「つぐない」としか見ていないので
どうせそんな隣人なら付き合いはホドホドが良いよね。


歴史認識であれ映画評価であれ、色々な意見があって
当然ですが、しかしこの映画は韓国ではまだ見られない
ハズです。

ごく一部の記者などが見て、その感想や意見から
韓国ネットの人間が騒いでいるらしい。
ヘンだとも思わないらしいのです。

本来ならばまず映画を見て、それについて意見を言う
のが常識でしょうが、騒ぎたいだけなのでしょうね。

サッカーの横断幕もそうですが「騒いだモン勝ち」
というところなのでしょう。

最悪、あとで小さくゴメン、とか訂正記事を出して
纏めるとして、最初に意図して与えた印象は
長く残ります。

これもヤクザがよく使うテですね。

私の印象を言うなら、かなり押さえた表現ですが
「品がない」「倫理に欠ける」


見なくても分かる、という意見も成立します。

ミスしやすいけれども、全てのことに、経験しないと
論評できないということになれば
一般人は、ほぼ何も言えなくなります。

政治、経済、思想、社会機構、環境問題、教育・・

いかに「見ずして喋っている」ことでしょう。

よって『風立ちぬ』を見ていなくても、評論ができない
とも言いづらいですね。少なくとも形式的には。

しかし、国を挙げて大騒ぎ、となると首を捻りますね。
まともなのは、おらんのかい。

で、結局、国民がアホばかりではないだろうから「確信犯」
何にでもカラム、ちんぴらですね。


人様のことばかりは言えません。

私だって伝わったことだけで何か言いますね。

新聞によると、TVでは・・・
ネットで見たけれど・・・

「やられたら倍にして返せ」なんていけないだろ、とか。
本当はTVドラマを見てから言うべきでしょうに。

形式的には韓国ネットと同様の反応をしてるのかな。


我々が何か考えるときは、相当な情報をマスメディアから
得て、そこから判断しています。
ネットでの情報もマスメディア経由が多いでしょう。

いま急にマスメディアを無くして良いか、
ごく発展途上の社会に戻ります。

だから、メディアにしっかりとしてもらわねばなりません。
我々もね。

しかし「けっこうウソがあるぞ」と思っていても
流されます。
つい引っ張られます。

普段から意識をしていないと。
(ネットの反応)にも過剰な場合があるのでは?


フェイスブックなどがあるぞ、という意見も成立します。

しかし私は、情報に強いバイアスが掛かっているものは
冷静に見られません。

「~さんが言うのだから」と思ってしまうのですね。

また、その人の一つ向こうをチェックしづらい。
「オレを信じないのか」なんて思われてもねえ。


自分を磨くしかありませんか。

隣国を反面教師として。

『七つの会議』第3話

2013-07-28 11:05:30 | 見る
特に役者さんが良いドラマです。
たいへんに力がはいっていますね。

それほど顔を出さなくても存在感がある人が多数。


私もサラリーマンをやってたので多少は
会社のことは分かる気がします。

このドラマは上部の人より中間や下層に視点があり
「分かる」「違うだろ」の感想が湧きやすい話に
なっています。

気に入らぬ方向でも、しなければならない仕事が
数多くでてくるというのがサラリーマンですね。

嫌だと言えば辞めるしかない。(極論ですが)

若ければまだしも、30を越え、家族もでき
出来ることと言えばその会社のとある仕事だけで
外では「つぶしがきかない」

悪いことでも、会社のためにならないと思えても
「与えられた仕事」をし、自分を守らねば。

それが行き過ぎれば自己保身しかない裏切野郎にも
なってしまいます。
家族がそれで喜ぶか・・・


親会社なるものがあの様に大がかりな臨時「カンサ」を
するとは知りませんでした。

脚本としては、通常のカンサに乗って調べる、くらいが
穏当でしょうが。

良く分からないのは予告しての調査であったこと。

隠します。
調べられてバレるようではサラリーマン失格。
(税務署が来るっちゅーんで私も書類持って帰ったぞ)

そこで、タレこみあり→突然の検査、という話に
繋げるのでしょうが、ここは安物のドラマです。
2時間ドラマ風な「分かりやすい」・・ね。

それにしても、メモをそこで捨てますか、
ありえないでしょう。
気付かず落ちる、ほうがまだマシでした。


最後の4話で様々な疑問が解決しますかね。

ちょっと不安だけれど、取敢えず続きを見ねば。
ここまで来ちゃったからね。

麺は熱?冷?

2013-07-27 19:14:37 | 食べる
麺は比較的在庫が多い家です。

もちろん好きだからですが、ウチで食べると安い
という理由もあります。

さらには乾麺や半生は常温保存であり
賞味期限も比較的長期になります。
何かことある場合の保存食糧に最適ですね。

現時点での在庫は
素麺=3種
   (本当はもう一種欲しいがカミサン不許可)
日本蕎麦
パスタ
ウドン
ラーメン
で、ウドンは乾麺以外に半生も冷凍もあります。
ラーメンも生タイプが美味いですね。

もちろん他にも焼きそばなどを店で買うこともあります。

これらを、熱いもの冷たいもの、ザル、つけめん、ぶっかけ
あえ麺、油炒めなど。かなりの種類の料理ができますね。
(夏でも味噌ラーメン、冬でも下し蕎麦・・)

一か月以上の昼飯が毎回違う麺料理でまかなえます。
二か月できるかな。
パスタだけでも色々ありますからねえ。


難しいのはソ-メンチャンプル。

鍋回しが下手なのでほぐれなかったり、
鍋肌に焦げついたりします。
油多めでもすぐ麺が吸いますね。
かといって油が多すぎるとダメだし。


中華や東南アジアの麺も考えますが
さまざまな理由で手を出しにくい。

ショートパスタも今は手を出しません。


沖縄そばも好きです。
しかしこれも普通に買うとこちらでは高いですね。


ハルサメなどは麺と言いますか?


以前も何度か書きましたが、ブログ内のCMは
GOOが勝手につけているものです。
信頼度が不明ですので念のためお気をつけ下さいね。

すぐには出来ない

2013-07-27 15:42:33 | 塾あれこれ
他塾の営業妨害はいけませんので、ここまで控えていましたが
夏期講習っての、どうなんですかねえ。


わずか一カ月かそこらの塾通いで力がつきます?
私は疑問に思います。

もちろん研究者ではありませんから、もしかすると
素晴らしい夏期講習があるのかもしれません、
すべてダメだとの断定はできないのですが。

「行かさないよりは良いだろう」ですか。
いや、場合によれば行かさないほうが良かった、もあります。

およそ勉強に関しては短期間では力はつきません。
長い年月をかけて習得することですから。

一つふたつのポイントを解決して、一気に伸びる
なんて場合も考えられますが、マレな例でしょうね。

「うちでは夏に大きく伸びます」なんてホント?
皆伸びます?
私にはできない宣伝ですねえ。

サッカーを上手になりたいと夏期講習だけ行きますか?
書道が一か月で劇的に上達しますか?

勉強の場合はもっと難しいのではないでしょうか。


私が勤めていた山口塾は長い間中学受験専門の、
そうして私以降、高校受験にも手を染めた
広島で指折りのハイレベルな受験塾でした。

夏期講習だけの生徒さんは受け付けていませんね。

ここは塾長の偉いところで、「一・二ケ月では
責任が持てない」と公言していたのです。

ずっと続けて来ている生徒に夏季時間割を特別に編成し
特訓を行ったのですね。
これならば一定の効果があります。

逆に、夏だけアルバイト等を動員して客の要望に応える
かたちの夏期講習をすれば、目先の収入は増えますが
決して長期的に良いことはないのです。

何より来てくれる生徒やご家族に失礼です。
生徒の力になりそうもないことはやってはなりません。
しかも自分たちの金儲けのために。

乱暴に言うと塾の先生のボーナスをねん出するために
多くの塾の夏期講習というものがあるのです。


もうひとつパタンがありました。

夏期講習で生徒を集め、そのまま秋以降の通塾に
つなげる、ネライです。

近年は夏期講習無料ってのもありますね。

これも顔は生徒の方には向いていず、
自分の営業を優先させているように思えます。

もっとも、スーパーで特売品だけ購入する客のように
安さだけを食い逃げする保護者もおられるでしょう。

しかし、子供はどうだろ?
長期的に見て、勉強のためにならないとしたら・・


「家にいても何もしないから」とテキトーな塾へ
子守同然に放り込む親御さんもおられます。

もしそれで勉強が一段と嫌になったらどうします?
学校でも家でも勉強勉強と言われ、嫌になっているのに
さらに塾ですか?

塾は嫌っていない、・・・ならマシですかね・・。
甘やかし放題でないことを祈ります。

世の中、金のためなら何でもアリ、って人も
おられますからね。

「まずは俺と家族が喰わなきゃならねーんだ」って
塾経営者もおられるようです。


追記

真面目な良い塾も多くありますから、念のため申し添えます。

国民はバカか

2013-07-26 19:43:43 | 塾あれこれ
大学で学んだ矢野先生は「衆愚政治」について
本を著されました。

学生のころは、その見方は一定の理解ならできても
好みませんよね、・・若いから。

民主主義を考える時の基本命題の一つです。
避けて通れない。

TVなどでインタビューに応えている一般人を見
選挙結果と照らし合わせると
どうもこの国はアカンのではないか、と思える・・

マスコミのいう通りのことを無難に喋る人々は
ひと昔前の共産圏、一色に染まった意見発表を
思い起こさせます。

ご自分で考えているのか
自己責任を負う覚悟で意見を述べているのか。


新聞にも今回選挙について、市井のひとりの感想として
「きょうを生きる、生き延びることができなきゃ
 20年30年先のことは心配しても関係なくなる」
という趣旨のものを載せ
評価は避けたものの、一種気の利いた発言として
記事のしめくくりに使っていました。
(結局景気対策、ということらしい)

かの人の気持ちは分からぬでもないのですが
その話し方は大間違い!

日本での選挙行動に使いうる話ではありません。

内乱状態ならいざ知らず、戦争直後だって
そんな話、心に浮かんでも口にはしません。

今日、ひもじくても、同時に将来の日本を考えなきゃ
子供や孫の世代に責任を果していません。

気の利いたことでも口走ったツモリでしょうが
論理的に成立しないのです。

しかしそんな発言を喜ぶのがマスメディアです。

私は「連中、バカか?」と思っていたのですが
そうではなくて国民をミスリード、ですね、どうも。
タチが悪い。


悪い話ばかりではありません。

選挙直後の内閣支持率が下がっていました。
これには驚きました。

これって「国民の塩梅」ということでしょう。
選挙に勝っても暴走するんじゃないよ、ですね。

TVでインタビューに応えている人と
同じ国民のすることとは思えません。

あれも局が好き勝手にチョイスして
いかにも「国民の声はこうです」という
イメージを造っているのでしょうね。

○追記

韓国のメディアや多くの人間も「何でそんなにバカか」
と思う発言や行動が目立ちます。

我々には理解不能。

意思疎通ができないアホ星人
と、思っていたのですが
ワザと言い募っている、と気付いて分かりました。
悪質な嫌がらせなので、無視するに限ります。

しかし、何ちゅー根性しとるんでしょうね。

you might

2013-07-26 11:05:53 | 塾あれこれ
他の地方から比べるとまだまだかもしれませんが
この辺り、昨日ついに35℃を超えました。

7/8に梅雨があけ、以来、雨がほぼ降りません。
日照は良すぎるとまではいかず太陽光発電も
ぼちぼちでんな。

ともかく蒸し暑いですね。
バテました。

この感覚は一カ月ずれて八月の終わりのような
バテ方です。
ツクツクホウシが沢山鳴いてるのがふさわしい。


昨日は気温が高く、我家の電気消費量もつれて
上がりました。
ついに今季初の10kwh超えです。

太陽光発電の自家消費が5.1kwh
中電からの購入が5.0kwh
合計10.1kwh

相当に節電を意識しているつもりですが
昨年に増すこの猛暑には負けます。
8月はどんなになるか、おそろしー。


カミサンは「家にいるから」だと言います。

図書館でもス-パーでも行って涼めば、と
仰るのですが、車もないのに行き来の途中で
往き倒れになるかもしれません。

初めてのTV登場が地方局のニュースで
「今日午後、佐伯区の路上で往き倒れがありました。
 死んだジジイは元塾講師の井上さんで、何でも
 駅前のデパートに涼みにゆくと出かけたそうです。
 皆さんは決して無理をされませんよう。」


どこで冷やそうが一人の発熱量は同じですから
地球環境に負荷がかかることに変わりはありません。

まず熱を排出しないことですね。

「井上さん、死んでよ」って言われそう。

WOMAN#4

2013-07-25 19:12:15 | 見る
『WOMAN』も、もう第4話、
一週間が過ぎるのが待ち遠しく、振り返ると
あっという間に過ぎています。

坂元さんの脚本は見事ですね。

子供とペットという、そりゃだれでも書けそうですよ、
のスタートでしたが、ちゃんと伏線が張ってありました。

(いない)とはどういうことか
(いなくなる)とは

殺処分があるという現実の厳しさ。
経済ということの非人間的な一面。

これらを描いておいての母=満島さんの重病です。

最初に別の人で見せておいて、実際の重大な告知は
子供の声を流し、当事者の表情だけで見せる、
TVでもこんな作り方ができるんだ、と思います。

満島さん、すごいね。
(世の中の「お母さん」もそうなのでしょう)


私が小4の初め、父母の経済が成り立たなくなって
一家はバラバラに夜逃げをしています。
(子供は祖父母に預けられた)

母は岡山で寿司屋に住み込みで働き
2年後に一家は広島でまた一緒に住みます。

といっても父の勤め先の事務所の裏に仮住まい。
学校の同級生を呼べませんでした。

小さな作業場の二階、四畳半二間のみ。
台所もトイレも事務所のを借りていました。

小5で母が肺病で倒れ、入院。過労でしょう。
一月半くらいはいましたかね。
私が毎日その病院へ通っていると
「そんなに来んでええから」

私は不満でしたが、まんいち伝病るかもしれない、とか
子供の負担とか、様々に考えてのことでしょう。
今になって分かりますね。

(子供には要らぬ心配はさせたくない)

時折、満島さんの姿が母とカブります。(=泣く)

こちらはよく怒る母でしたが
子供の出来が悪かったのかな。


本当は「チカン」の事件にも触れねばなりません。

予想できていたとはいえ、重い話ですね。

「死にたい」
分かるような気がします。

でもそれはすべて引き受けようという、
ここにも強い母がいました。

すごいシーンでしたが、書きづらい。


「母と娘」ではなくWOMANという題名の重さが
少しずつ伝わってくるような気がします。

深くてナミの男には想像できない世界のようですね。

これほどに重い話を連続ドラマにできるなんて
重さより深さを考えさせられるなんて
良い脚本家ですねえ。

映画『風立ちぬ』

2013-07-25 15:00:01 | 映画
宮崎駿『風たちぬ』
宮崎アニメの最高峰ですね。

泣きました。
大泣き。

左に座ったカミサンから嫌われただけでなく
右にいた40代くらいの女性からも終映後に
ジロリと睨まれちゃった。

「す~みましェんね」
(笑うのと泣くのとは構わん!のぢゃ)

と思いつつ、照れるほど泣いてしまった。。。。


『ナウシカ』~『紅の豚』まで宮崎アニメのファンでした。
わ~、また進歩した、と毎回唸ったものです。

ところが集大成と謳った『もののけ姫』が私には面白くなく
何と、以後のヒット作を見ていません。

TVでは見る気がしないのですね。
宮崎アニメは大スクリーンじゃなきゃ。
何ごとも「TV中継」は迫力に欠けます。

よって今回はかなり久しぶりなので頓珍漢(豚珍漢?)な
ことを書くかもしれません。お許しください。

以下ネタバレがあると思います。


この映画、ラストの構想が決まってから逆に全体像が浮かんだ
のではないかと思う完璧な仕上がりでした。

ん~、人によっては「それ、どしたん」かもしれませんが。

手塚がマンガに物語を導入しようとした「永遠の挑戦者」なら
宮崎はアニメーションの「完成」に挑戦しつづけています。
アニメをマンガから新しく進化させた男ですね。

動画として歩く人が本当に歩いているように見えるか。
人は約束事だから「歩いてる」と見てくれてるので
実際の表現としては動いていないのではないか。
それでアニメーションと言えるのか。

馬は動かず、脚だけせわしく前後してる、など
動きが命のアニメーションが、動かないのです。

そこでディズニーは実写をトレースしたアニメを
制作しました。
そんなこととは知らず皆「なんて滑らかな動き」と
感動したものでした。

その状況を手書アニメで進化させ続けたのが宮崎駿です。
どうすればなめらかに動くか。

特に、ふわりと浮かんで移動する様子
すーっと、あるいはグインと飛ぶ様子

地上で動くものとは違う困難さを、一作ずつ乗り越えて
いかれたように思います。
「もっと上手く表現できる」

雪が降るシーンでもリアルですね。
他のアニメとは出来が違います。
制作者からは「あれくらい当たり前」と言われそうですね。

人が自然に歩く、・・当然。
では雪道を歩くときはどう違うか。
芸の細かさです。

俯瞰で見降ろす列車移動はどう表現するか。
ゆっくりだけれど動かなくてはならないのです。
リアルにしようとすればするほど速さの表現が難しい。

技術が十分でない時代のアニメは、実写より更に
動きがふらついていました。
じっと動かないタンスがコマごとに左右に動きます。
微妙ですが。
でまた、それがアニメらしい雰囲気になりますね。

今回の映画では、実に沢山の技法を駆使しているようですが
上記のアニメらしいブレをわざと作っているようなシーンを
見受けました。

草原をゆっくり走る列車も、ブレがリアルさを醸します。


背景が重厚な(100%リアルな)画面で、人物が
日本の浮世絵以来の平面的な描写でした。

それぞれ、そうあるべき理由があります。

しかし奥行きの深い手触りまで伝わるような背景に
平面的な人物が登場してはバランスが悪くならないか。

そこで人物の輪郭線をやや太目にしているのでしょう。
特に大勢の人間が画面で動くとき、浮世絵的な人々が
生きいきとしており、そのことに気付きました。

レオナルド藤田の輪郭線の効果ですね。


「動き」表現の最高到達点は何だと思われますか?

動かないことです。

自然な動きを見せることに成功している映画の中で
動かない、これは難しいです。
「動きの拙いアニメ」に戻るわけにはいきません。

その「動きを止める」クライマックスが
映画のラスト、物語のクライマックスと繋がります。

ゼロ戦が完成し、皆が喜んでいるとき
抜けるような気持ちの良い青空の下でたった一人
「今、あいつ、死んだな」と分かるところ。

『・・・  。』

この最後の句読点のような世界
明るさの中の静寂、一番の深い哀しみ。


よって最後の最後、イタリアの博士と彼女が出てくる
夢のシーンは、私は不要と思います。
宮崎さんの優しさ、美的感覚で結ばれているのですが。


戦前の日本を描くアニメですから、古き良き日本映画の
イメージを下地においてあります。

小津のような画面のワク取り
成瀬のようなしっかりした背景

から始まって、じっくりとした細やかな表現
テンポは一見ゆっくりしていますが
話の展開は早い、
カットつなぎもひと呼吸早いですね。

説明過多の東映娯楽時代劇のような丁寧さ=ダルサ
は一切存在しません。
もちろん不要な説明は、なし。
「ここは夢のシーンですよ」なんて言わないのです。

日本映画はしばしば丁寧すぎますからね、
テンポを崩し、細やかさが描けなくなります。

脚本は王道でした。
人間の公的な活動と私的な日々を織り合わせて見事です。

宮崎さんの実写映画への挑戦ですね。
ノスタルジーが美しい。


ゼロ戦を造る事=戦争参加ではないか、ここをもっと
掘り下げないと、とか
右も左も「思想的でなければならぬ」という批判は
おきることでしょう。

マト外れに思いますが、それはまた別稿で。


震災や戦争の悲惨さ、これはさすがに知っている人も
戦前の社会は常識としておいて見るべき映画です。

結核がいかに大変であったか。
トッコウ警察がいかに恐ろしいものであったか。
貧しい人の生活はどうであったか。

それらが入っていると映画の一シーンが沁みてきます。