お客様は神様か

2009-09-21 11:04:15 | 塾あれこれ
塾を始めたごろ気にいらないことがいくつかありました。
その一つについてのグチです。


『20世紀少年』に言われるまでもなく、永六輔は
ずっと前から三波春夫をたいへん評価していました。

私は特に万博の前の彼が好きです。
壮絶な世界を通り抜けた明るさと
底にかくれた暗さがありましたね。

彼の有名なセリフが「お客様は神様」
当時もそこまで思う人が少なかったので
松下幸之助より上の言い方ちゃう?と驚いたわけ。


ただし、私みたいな小さな人間にはそれは難しい。

営業をするこちら側の肝に銘ずべきことであって
顧客の側が意識することではない面もあります。

昔の日本人はまだ旧来の感性が残っていたので
客のマナーは悪くなく
三波春夫式でもギスギスしませんでしたが
アメリカを真似た風潮の昨今はいけません。

アメリカ式競争社会を清浄な方向へ引っ張ってくれる
宗教心が日本社会には希薄ですからその分原理主義的に
なり、メチャクチャな人が増えている?

商売の向こう側もこちら側も同じように
人間なのだということを忘れている人がおられます。

金さえ払えば、とJR駅員に威張り散らす勤め人。
今日は客だと日ごろのストレスをぶつける営業人間。
飲んだら変わる「先生」


何だか話が長くなりそうな悪い感じ・・
ダラダラと書くのは努力不足だ、と生徒に
言いつつ・・ですよ。

それでも、始めちゃったから話を続けますが
塾に問い合わせなどでお電話を頂戴した場合
中に長電話の方がいらっしゃいます。
(責任の半分は私か?)

多くは一般論なので、最近はブログをお読み下さい
ともお願いしますが、これはこれで分りにくいし。

「勉強しろとは言うんですが、やりません」
などと言われますと、私の考えを申し上げざるを
えません。

すると、いろいろ聞かれて1時間くらいはすぐに
たってしまうのです。
(医者なら金を取れますがね)

終わりごろに月謝など聞かれます。
内容が細かいのでよろしければ資料をお送りしますと
申し上げると「いらない」とも言い難いのでしょう。
しぶしぶ住所を教えてくださる方、
取りに行きます、といわれる方。

こちらも切手代が120円か140円はかかります。

ところが、送りっぱなしで返事ナシが殆どです。

お前の塾には行かない、でこちらは構わないのですが
一言、電話を頂戴してもよいのではないか?
あれだけ喋らせたのですから。

検討した結果行かないのですから、別に悪いことも
何もないハズです。
月謝が高いとか、子供が嫌がるとか、もっと良さそうな
塾に決めた、無料体験したら強引に引っ張り込まれる
かもしれないとか、色々な理由があるでしょう。
こちらの力不足だから仕方ありません。

別に本心を言わなくても、ウソでも構わないのです。

資料を送ってもらったが行かない、という意思表示を
なぜ伝えられないんだろう?
イヤミでも言われる、と思うのでしょうか?

この十年で一度だけ男性の方から「高くて」と
すまなそうな電話を頂戴したことがあるくらいです。

当方は無料体験のワク(在塾生と同じ時間に来て
もらいます)をキープしておかねばなりません。
ご返事はいついつまで、と申し上げるのも高飛車だし
もう解除してもよいかな~来ないだろうな、という
判断がそこそこ難しいのですが、ね。

随分たって「無料体験を」といわれても困るのですが
それでも悪く言われるのはこっちですからねえ。
「資料を送ってきたから慎重に検討したのに
 無料体験のワクも取っていないのか」って。

少なくとも一ヶ月くらいはキープしておかねば
なりません。
その間に別の問い合わせがあるときの損した感じ・・


会社などの組織を相手にしても、個人のミニ塾を相手に
しても、商売していれば皆同じと思われるようです。

塾は塾、お仕事だからみな同じ!

でも、案内1部でも、重みが違うんですがね。
組織が感じる負担とは比べ物になりません。

自由競争だから、という社会になってしまうと
地元の個人商店を枯らしてしまうのです。

本当は、買うほうが人間であれば売るほうにも人間が
いるのですが、機械を相手にするくらいが気楽だ、
という世の中になりつつあります。

教育だけはそうしたくないのですが、ビデオ塾とか
Eラーニングとかが流行っています。
更にやりづらい世の中がすすみそうです。

・・と、グチこぼすと営業にはまた悪い。。。

ではなぜ個人で塾を行うのでしょう。
経営能力の問題もあります。

でも、教育として生徒に向かい合う場合
大きな組織では経済効率が優先されるので
現場での教育そのものが十全になりづらいことが
多いのです。

小規模でブレのない塾こそが、という思いで
小さいことの弱さを耐えている、という面もある
・・なんてグチ大会でした。