分った?と訊かれても・・

2009-09-18 14:16:49 | 本の話
授業などで何か教わるとします。
フに落ちることもありますが、そうではなく
「聞いた限りでは話には付いてゆけてると思うけど
 何かピンとこない・・」
こういうことってしばしばありますね。

何か分らないんだけど、どこがと聞かれても
全体にぼーっとしてて、分らない処が分らない。

従ってあと練習問題などやらされると
応用が、からきしできないのです。

子供でも大人でも変わりません。
苦手なことは特にそうですね。


私は高校生のときアインシュタインの特殊相対性理論
を学校の特別授業で習いました。

図が中心で数式はほとんど使わなかったと思います。

なにかすごい話を聞いている、
内容も一応おっかけられてるつもり、ではありましたが
結局「分からない・・・」というか
ピンとこない、とゆーか。


授業などしてても「分る」には大変なステップがいる
ことを学校の先生は忘れておられたのでは?
私の記憶ではそうです。

自分の得意教科を教えるのですから
教えたらすぐ分るだろう、と思いやすいのです。


名月はすぐそこに輝いているように見えます。
屋根の上に上れば取れそう、という笑い話も
分らないではありません。

それはそれで大切にしたいことです。

錯覚は、みんながそう思い易いことですから
人間みんなと同じ感覚がよろしいのです。

ただ、屋根じゃダメだろう、山でも届かないぞ
・・と頭で修正してゆくことが大切です。

繰り返しますが「それでも屋根で届きそう」
という感覚も大切です。
学校で習った通りをウノミにするよりは
よほど良いのではないでしょうか。

難しい話はピンとこないで当然。
あと何度も頭を働かせ少しずつレベルを上げれば
よいのです。


福島肇著『相対論のABC』講談社ブルーバックス

副題は「たった二つの原理ですべてがわかる」

アインシュタインの相対性原理を分りやすく説いた
もので、比較的易しい特殊相対性理論を中心にして
あります。

駒場東邦高校の教諭などもされていた著者ですから
大変に分りやすく書かれています。

これだと高校生でも理解できそうです。
ん~、中3でも大丈夫かな。
ルートが分っていればよいのですから。

私の経験からすると数式は使うほうがよいように
思われますね。

この本で勉強させてもらい塾で教えることが
増えると良いでしょうね。


もちろんこの本は難しい理科の理論ばかりを並べた
ものではなく、科学者の人となりとか人生
学校教育のありかた、など分りやすく示してあり
また、分りやすく書くとはどういうことかの
よい手本にもなりそうです。