魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ソウシハギ

2021年09月03日 22時34分39秒 | 魚紹介

みなさまこんにちは。ネタがないのでぶろぐも更新できていませんでした。9月はいろいろ魚がまたよく獲れる季節なので、またぼちぼち更新します。今回は9月1日に漁獲された魚をご紹介。カワハギ科・ウスバハギ属のソウシハギ。

ソウシハギはカワハギ科の中では最大の種で、全長は1mを超える。またカワハギ科としては珍しく、世界中の温暖な海域に広く分布することも珍しい特徴である。本種と、同じ属のウスバハギは世界中の広い範囲に生息するのだ。日本においても流れ藻などの浮遊物につき、北日本でも出現するが、ある程度のサイズは見られるものの、もともと熱帯性種であり、越冬はできないらしい。

背鰭にある棘はアンテナのように細長いのだが、市場で見られる時には切り落とされている、もしくは欠けている...なんてことも多い。そのためこのアンテナつきのものはなかなか市場では出会えない。もちろん、釣り人にとっては別だが。

体側の模様は幼魚では点々だが、成魚ではブルーの唐草模様が出てくる。はじめてこの種を見たときの美しさは言葉では言い表しにくい。観賞魚として人気があるとおもわれがちだが、幼魚は飼育が難しく、成長すると巨大化する。そのため家庭水槽で成長を楽しむのは困難であろう。写真のソウシハギは新江の島水族館で撮影。40cmくらいの、そこそこ大きい個体。

今回はソウシハギを刺身で食してみた。以前この魚を食べたことがあったが、あまりにも血がどろっとしており、かつ臭う。そのため断念したということがあった。しかし今回は血がどろっ、なんてことはなく、身も臭わない。これはいける。カワハギの仲間といえば肝、なのだが、このソウシハギは肝臓は食せない。なぜならば本種は消化器官などに毒をもつことがあるためだ。スナギンチャクなどを好んで食べるため、毒化することがあるようだ。毒性は「パリトキシン」というもので、スナギンチャクの仲間の学名にちなむのだろうか。

さて、味のほうだが、いけた。ただし魚はまずくはないのだが、うまみというものもすくない。もともとウスバハギやカワハギなどもそうであるが、肝のうまみがあった。しかしソウシハギでは肝は味わうことができない。だからネギなどの薬味などが欲しい。醤油でも悪くはないと思うが、ぽん酢との相性が良いように感じる。身は透けるような純白で美しい。

沖縄ではそこそこ重要な食用魚で市場にもたまにでる。ただし先述した通りで、ソウシハギはまれに内臓が毒化することもある。そのため内臓は食べないように注意が必要。沖縄では地方名「センスルー」。

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