魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

バケスミクイウオ

2021年09月26日 23時57分14秒 | 魚紹介

こんばんは。気が付いたらもう9月もおしまい。お仕事本当に忙しい。けどこの仕事はうまくやれていてうれしい。この間青山沙織さんからの「ヘンテコ深海魚便」。メインは前述のハナグロフサアンコウであったのだが、こんな魚も来ていた。ホタルジャコ科・ヒメスミクイウオ属のバケスミクイウオ。

バケスミクイウオは前回のヘンテコ深海魚便にも入っていたのだが、今回も入っていた。しかしこの種はなかなか手に入らなかった珍しい魚である。それが今年は2匹目。おそらくムツなどと混同されていたのだろう。戸田の高齢女性は水揚げされたスミクイウオ類を「むつ」と呼んでいた。

バケスミクイウオの特徴はまずノコギリのような腹鰭棘。これはヒメスミクイウオ属の特徴である。スミクイウオではこのような棘を有していない。ちなみに(分類学的な意味で)スミクイウオ属とヒメスミクイウオ属が分離されたのは近年のこと。検索図鑑第三版ではまだヒメスミクイウオや本種はスミクイウオ属のなかに含まれていた。また科もスミクイウオ属やヒメスミクイウオ属をホタルジャコ科から独立させる意見があり、そうなった場合はスミクイウオ科・ヒメスミクイウオ属となる。

こちらはスミクイウオの腹鰭。ヒメスミクイウオ属では強い鋸歯状になるが、スミクイウオではそうならない。

またヒメスミクイウオ属ではほとんどの種類において臀鰭棘が2棘なのだが、バケスミクイウオだけは3棘である。ただし小さいうちは2棘にしか見えないこともあるようだ。この個体は3棘あるのを確認することができた。

前回はバケスミクイウオを展鰭してフォルマリンにぶっこんだが、今回はややぼろかったということもあり食してみた。調理法はハナグロフサアンコウと同様に唐揚げ。これはかなり美味しい。多く漁獲されれば人気もでるだろう。しかしヘンテコ深海魚の写真もどんどん集めて、将来はヘンテコ深海魚便の魚写真を使用して図鑑を作ってみたいところだ。

青山沙織さん、いつもありがとうございます!

コメント (4)
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