魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

クログチイワシ

2019年04月07日 09時01分39秒 | 魚紹介

新年度始まりました。新年度になってから初のぶろぐ更新です。新しい元号も発表され「令和」に決まりましたが、日本らしい「和」の字が入る元号はすてきだと思います。

ということで(どういうこと?)今年度初日の4月1日に手に入れた魚。ニギス目・セキトリイワシ科・クログチイワシ属のクログチイワシ。クログチイワシはもちろん、セキトリイワシ科の魚をこのぶろぐで紹介するのは、今回が初めてである。クログチイワシは深海性の魚であり、しかも一般的な底曳網漁業が曳ける深さよりも深い、水深700~1618mに生息している。そのためめったにお目に罹れない魚なのだが、今回は奇跡的に入手することができた。

体色は茶褐色で頭部が明らかに黒いのだが、これはうろこがはがれてそうなったもの。実際は鱗がついていたら体はもっと黒っぽい。従来「クロマスクイワシ」という名前で呼ばれていたものと現在は同じ種類であるとされる。学名も従来はNarcetes wonderiとされていたが、現在はNarcetes lloydiの新参シノニムとみなされ無効となっているようである。なおクログチイワシとクロマスクイワシは吻の形状などで見分けられる、とされていた。

全長50cmくらいになり、この科の魚としては最大級と思われる。このセキトリイワシ科の魚類はなかなかお目に罹れないのだが、このクログチイワシだけはたまに釣られることがある。というのもこの種は大型であるため深海のアコウダイやソコダラなどを狙う釣りでヒットすることがあるのだ。セキトリイワシ科の魚は日本からも20種が知られるがほかの種は比較的小型であり、しかもかなり深い場所に生息するものもいるため、なかなか底曳網に入らない。

さて。そんなクログチイワシを今回は食してみた。これは刺身。切るときの感触がほかの魚と大きく異なる。そして味も・・・。どろっとした感じで感触的にはあまりよろしくない。深海魚の中にはワックスを含むものも多いのだが、この魚はそのような感じではなかった。

こちらはフライパンを使ってバターで焼いて食べてみたものである。こちらは先述の刺身よりもずっと美味しくいただけた。

今回の個体は長谷川大樹さんより購入したもの。いつもありがとうございます。そしてみなさま、今年度もよろしくお願いいたします。

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