前回の記事で紹介したイレズミハゼPriolepis semidoliata (Valenciennes)の卵、結局孵化したのですが、仔魚期の水質悪化が原因か、残念ながら全滅してしまいました。
また雌のおなかが大きくなってきていますので次こそ大きくしたいと思います。
今回は、これまででわかったことをまとめます。
卵は夕方から夜間に産みつけられる
おおよそ7日間で孵化する
孵化した稚魚には大きなヨークサックが見られない
しかし、口は開いておらず、餌を口にできない
といった点が特徴でした。別の書籍ではハゼの仲間では孵化後数日で口が開く、とした文献がありました。このハゼも同じように口が開くまである程度の期間が必要なのでしょうか。
今回の全滅は「餌を多くやりすぎた」のが原因かもしれません。口の開いていない魚に餌を与えても食うはずがありませんので・・・
私は種苗生産担当ではないのでよく分かりませんが、仔魚期は難しいですよね^^
淡水魚ですと初めからサイズが比較的大きくて、簡単にミジンコとかも食うのですが、海水魚ではそうはいきませんので、難しいところですね。あとショックにも弱いです。
椎名さんにご質問があります。
全然話が変わるのですが、いま養殖魚(スジアラ)の色揚げで苦戦しております。
養殖魚は天然のような真っ赤ではなく黒っぽい地味な茶色を呈しています。
やはり水深か餌(アスタキサンチンの有無等)が影響していると思うのですがなかなか思うようにいきません。餌にアスタを混ぜたり、水深を深くしても(収穫する時に転覆死してしまいました)パッとしません。
そこで根本的な事なのですが、親魚の色というのは子に遺伝するのでしょうか?それとも生息環境に作用される後天性のものでしょうか?
魚の生理学的知見から専門家である椎名さんにお尋ねしようと思いました。
何かアドバイスを頂ければ嬉しいです。
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マダイの場合ですと、水面近くでは太陽の影響が強くて日焼けすることもあるそうです。私たちは黒いメッシュネットを養殖いかだの上にかぶせていました。
スジアラの場合ですと海産魚ですから後者の可能性も高いです。ただ他の魚では低緯度であればあるほど魚の色が濃いという例もあります。個体群とかそういうのもかかわってくるかもしれませんが、むしろ生息環境に左右されるという可能性が高そうです。
やはり生息環境が影響していそうですか。
貴重なご意見ありがとうございました!色々と試してみますね。