魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ホホスジモチノウオ

2022年06月26日 21時58分29秒 | 魚紹介

昨日はヒトスジモチノウオをこのぶろぐで紹介してきたので、今日はこちら。同じベラ科・モチノウオ亜科・ホホスジモチノウオ属のホホスジモチノウオ。

ホホスジモチノウオはヒトスジモチノウオに似ているが、眼後方に模様がないか、あっても鰓蓋後縁に達しないのが特徴。ヒトスジモチノウオの尾部にある白い横帯はない(ただし、ヒトスジモチノウオでも小型個体や状態によって消失することもある)が、ホホスジモチノウオでも個体によっては尾柄が広く白っぽくなっていることがある。そのため尾の模様での同定は確実とはいえないだろう。水中では鮮明な写真ではないものも多くより分かりにくいかもしれない。なお、ホホスジモチノウオの標準和名はおそらく、頬部の細い線からきているのだと思われるが、これはヒトスジモチノウオにも見られるので注意が必要。

ホホスジモチノウオ

ちなみに私にとってこの種は私が初めて出会うホホスジモチノウオ属の魚となった。この個体は2011年5月に鹿児島県奄美大島で釣りによって獲れたもので、それを冷凍便で送っていただいたもの。釣り人の星 剛彦さん、ありがとうございます。

ホホスジモチノウオも全長30cmほどになり、釣りなどで漁獲されて食用にされていると思われる。しかし残念ながらこの種はいまだに市場に並んでいるのを見たことがない。なお「沖縄さかな図鑑」では「小型のため市場価値はない」と、悲しい書かれ方をしている。一方ミツバモチノウオも「八重山では市場価値がない」とか書かれていたりして、この本のベラの仲間は全般にちょっとかわいそうである。ちなみにそのような理由かはわからないのだが、このホホスジモチノウオとはこの個体以外に一度も見ていない。

分布域は和歌山県、屋久島、琉球列島、インド—太平洋だが、中央太平洋はサモア諸島くらいまでで、ヒトスジモチノウオと異なりハワイ諸島には生息していないらしい。逆にヒトスジモチノウオが生息していないインド洋ではホホスジモチノウオはよく見られ、東アフリカにまで生息している。紅海にはメンタルラスOxycheilinus mentalis (Rüppell, 1828)と呼ばれる、本種によく似た種が生息している。

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