魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ヨコスジカジカ

2016年12月15日 22時55分31秒 | 魚紹介

北海道シリーズ。

カジカの仲間は初見の種が多い。このヨコスジカジカも、私にとっては初めて見るカジカである。ヨコスジカジカは比較的おおきくなるカジカの仲間で北海道では食用になる種。検索図鑑によれば大きい個体では体長36cmにもなるということであったが、この個体はやや小さめで、しかし私にとってははじめてのこのカジカ。喜びは大きい。

今回の個体は雄の個体であった。ヨコスジカジカの雌雄は腹鰭に違いがある。雄は軟条が長くのびていて、黒色斑が多数ある。雌は普通の魚のような腹鰭の形をしている。写真の個体の腹鰭は大きな胸鰭にかくれてしまっている。

前鰓蓋に大きな棘がある。カジカの仲間は前鰓蓋に格好いい棘があるものが多い。

本種によく似たものにクジャクカジカがいる。クジャクカジカは体長30cmになり、ヨコスジカジカとよく似ているが背鰭の第2鰭膜が最もよく切れ込む。今回のヨコスジカジカも第2背鰭が若干切れ込んでいるように見えるが、クジャクカジカの鰭膜の切れ込み方はこれとは異なる。興味がある方はぜひ調べてみてほしい。学名Hemilepidotus papilioと打ち込んでぐぐる、あういはFishbaseに打ち込めばヒットするだろう。

もうひとつの見分け方は鱗である。この仲間は腹側と背中側に小さな鱗の列があるのだが、ヨコスジカジカではほぼ同じ大きさなのに対し、クジャクカジカの体側腹側の鱗の列は小さく細かいのが特徴である。またヨコスジカジカとナメヨコスジカジカでは鱗の様子も異なる。ナメヨコスジカジカは臀鰭基底付近に明瞭な鱗列がないのに対し、ヨコスジカジカでは明瞭な鱗列が臀鰭基底にあり、これは臀鰭基底後端にまで達する。

ヨコスジカジカ属は北太平洋から6種が知られており、日本には3種が知られる。東北地方太平洋岸に生息する種もいるが、北海道の沿岸に多い。クジャクカジカは北海道全沿岸~アラスカ湾まで、ナメヨコスジカジカは北海道太平洋岸~オホーツク海岸を経てアラスカ湾まで、そしてヨコスジカジカは茨城県以北太平洋岸、北海道全沿岸、ロシア沿海州、朝鮮半島、コマンドルスキー諸島にまで分布しており、この3種の中では最も東よりな分布の種だろう。

食べ方は色々ある。今回は鍋+うどんで食してみた。肝や生殖腺まで食べることができ、かなり美味しい。並ぶ鱗もあまり気にならない感じであった。カジカの仲間の大型種は鍋や汁物で美味しいものが多い。

今回の個体も坂口太一さんに送っていただいたもの。ありがとうございました。

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