魚のぶろぐ

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Youtubeのゆっくり動画問題

2023年01月07日 23時28分25秒 | 魚類とインターネット

最近はYoutubeの「ゆっくり動画」で収益が剥奪されるというケースが目立っている。多くのゆっくり系Youtuber(全角rではなく、rである)が「収益剥奪されました」なる動画をアップロードしている。このゆっくり動画の収益剥奪事件については、機械音声(俗にいう「ゆっくりボイス」、後述)が原因であるのではという推測をしているウェブログなどもあるのだが、私はほかの問題があるように思っている。

●「ゆっくり動画」とは

ゆっくり動画というのは一般的にAquestalkなどの音声合成ソフトにより制作した音声をキャラクターにしゃべらせる動画のことをいう。もともと「魔理紗」と「霊夢」という二人の顔だけの女の子のキャラクターが「ゆっくりしていってね!!」という吹き出しがついたイラストがアスキーアートで制作されたものが二次創作され今は亡き2chなどに貼り付けられたものがもとである。Youtubeよりはニコニコ動画の文化であり、2000年代末~2010年代初めごろに流行ったもの(詳しくはYoutubeで人気上昇のジャンル 「ゆっくり解説」の解説 —週プレニュース、を参照してください)。それがいつの間にかYoutubeでも増殖しているのである。しかし最近はそんな「ゆっくり動画」収益が剥奪されていることがあるということで話題になっている。

●大量生産されるコンテンツ

最近はゆっくり動画が大量生産されている。もともとはニコニコ動画などでの趣味的な文化であったはずのゆっくり動画であったが、Youtubeで収益化されるようになると状況は大きく変わり、今や大量のゆっくり動画が乱造される時代になっている。中には毎日、毎週のように新しい「ゆっくり動画」が投稿されていることもある。これは多くの場合、外注されているので可能となっている。たとえば「ココナラ」や「クラウドワークス」など求人系のサイトでも「ゆっくり動画作成依頼」の求人がある。

しかし最近はこのようなコンテンツの乱造、そしてその結果ほかのサイトとの見極めが困難になるという事態が発生しており、私も自分が権利をもつ画像が使われていないか探した(後述)結果、全く同じような動画、同じような画像を使用していたが運営元がまた別のサイトであった、というケースが散見された。これはおそらくYoutube的にはほかのチャンネルのコピーとしてみなしているのかもしれない。名前も「ゆっくり生き物」「ゆっくり生物」「生き物ゆっくり不思議発見」など、ちょっと変えただけの名前が多すぎる。

Youtube動画の収益化が許可されていない例をYoutubeヘルプから引用してみた。以下はYoutubeヘルプ「https://support.google.com/youtube/answer/1311392#cqg&zippy=%2Cadsense-%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0-%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%81%B5%E5%AE%88」より引用。黄色線は筆者。

繰り返しの多いコンテンツ

ウェブサイトやニュース フィードのテキストなど、自分で作成していない他の資料の内容を読み上げただけのコンテンツ
音程や速さを変えているが、それ以外はオリジナルと同じである曲
教育的な価値が低く解説や説明が少ない、繰り返しの多いコンテンツ、または漫然として意味のないコンテンツ
テンプレートに基づいたコンテンツ、大量生産されたコンテンツ、またはプログラムによって生成されたコンテンツ
説明、解説、教育的価値が最小限または皆無の画像スライドショーやスクロール テキスト

再利用されたコンテンツ

収益化が許可されないその他の例(これらに限定されません):

テレビ番組の一部が編集されているものの、説明がほとんどないか、まったくない
他のソーシャル メディアのウェブサイトのコンテンツを集めた短い動画
さまざまなアーティストの曲のコレクション(許可を得ている場合も含む)
他のクリエイターによって何度もアップロードされたコンテンツ
他者のコンテンツのプロモーション(許可を得ている場合も含む)

=====引用ここまで=====

この中でゆっくり動画のYoutubeが引っ掛かりそうなものは1.「教育的な価値が低く解説や説明が少ない、繰り返しの多いコンテンツ、または漫然として意味のないコンテンツ」2.「テンプレートに基づいたコンテンツ、大量生産されたコンテンツ、またはプログラムによって生成されたコンテンツ」3.「再利用されたコンテンツ」4.「他のクリエイターによって何度もアップロードされたコンテンツ」というものであろう。

1.はまさしく。Wikipediaに書いてあることと同じであることがほとんどなので、Wikipediaを見ればよくないか、と思った。2.についてはゆっくり動画自体がテンプレートにはまった形で作成されているし、コンテンツも外注で作成されることが多いため、大量生産に当てはまるだろう。3.は「再利用されたコンテンツ」というのはYoutubeヘルプによると「独自の解説や教育的な価値を十分に付加せずに他者のコンテンツを再利用しているチャンネルを指します」とのことであるが、同じような動画が多い「ゆっくり動画」もこれに当てはまるように思われる。4.も同様にほかの人の動画との差別化が困難なゆっくり動画の特徴であると思われる。よく「ゆっくり動画 収益剥奪」などとGoogleれば出てくるサイトの中には「ゆっくりボイスが原因」(https://chasksite.com/archives/2499)なんて言う意見もあるが、ゆっくり音声も原因の一つなのかもしれないが、そのほかにもゆっくり動画の収益剥奪されそうな理由は多々あるのだ。

●品質と権利の問題

「外注した結果大きな問題が起こる…」というのはいつか来た道である。かつて某プロ野球チーム運営企業のキュレーションサイト「DeNAパレット」で起こった問題を思い出す。この中のサイトでは慎重さが求められている医療情報などのサイトを素人に執筆させ、「肩こりは霊が原因」とかいう内容が医療情報を扱うサイトに掲載され問題となったことはあれから6年ちょい経った今でも覚えている方も多いだろう。ゆっくり動画の中身はほとんどがWikipediaなどからの解説を基にしているので、やはり質が低く、乱造している感が強く感じられる。

だが、DeNAパレットの問題はこれだけではない。記事のほとんど丸写し、さらに画像については問題がないように(?)、直リンクという方法をとっているのだが、この直リンクは確かに合法ではあるが倫理的には問題がある。さらにDeNAパレットをそのまま劣化させ野に放ったようなサイトは平気で画像をコピってサイトにペタッと貼り付け、それに若干申し訳程度に出典表記をして完成となるわけだが、この行為のどこに問題があるかは、このぶろぐの読者であれば、もう言うまでもないだろう。私のコンテンツを無断で使用しているYoutubeチャンネルが多数あるのだが、それはいずれもゆっくり動画のコンテンツである。

最近は「当動画の素材はすべて引用であり~」などと書かれているゆっくり動画チャンネルが存在しているが、実際にはほとんどのゆっくり動画は写真の引用元を明記しておらず、引用に当たらないし、動画の中のほとんどがその引用画像である場合はこれも引用とは認められないと思われる。もちろん使用料も一切支払われていない。

私や友人が撮影した画像が使用されていないか、調べた結果多数の無断使用動画が確認された。ゆっくり動画だけでなかったが、ほとんどがゆっくり動画のサイトであった。その中で画像の無断使用元として「大手」の一つである「市場魚介類図鑑」は「無断使用している場合は通常よりも高額の料金を請求させていただきます」と親切にも掲載されているが、もし市場魚介類図鑑が本気で動けばゆっくり動画チャンネルの運営者の一人や二人くらいは自己破産に追い込めるのではなかろうか。もしかしたらこの収益剥奪というのは、Youtube側の「優しさ」というのがあるのかもしれない。

というかこのトップに掲載されたツムギハゼ。このぶろぐにアップした覚えがないのにどこから引っ張ってきたのかわからなかったが、昨日魚の見分け方の解説をしていた時に出てきた某海水魚飼育サイトであったっぽい。しかもロゴマークが消されている。そのサイトから追い出されるという形なので、もうかかわっていないサイトだから画像をフリー素材に差し替えてほしいんだけどなー。なお概要のYoutube動画というのはこれである。どこかのサイトでお馴染みの画像もたくさん。一応Youtubeには通報している。

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