魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

マフグ

2021年11月15日 11時37分35秒 | 魚紹介

最近は親戚の不幸などもありまして、ぶろぐを更新できませんでした。先日我が家に届いた珍しいフグ。それがこのマフグです。

マフグは名前に「マ」、「真」がついてはいるものの、「マアジ」「マサバ」「マハゼ」「マダイ」などと異なりこれまで出会うことができていなかった魚である。日本各地に生息するフグなのだが、一般的に私が通うフィールドではコモンフグやヒガンフグ、クサフグといった種類が多いのがその理由である。分布はウラジオストクから東シナ海、台湾におよび、日本でも各地にいるが、あまり水温が高いのは苦手なのかもしれない。

マフグは体がつるつるしていて、小棘を欠く。この特徴によりコモンフグやクサフグと見分けられる。しかし幼魚(写真なし)のうちはショウサイフグと似ていてわかりにくい。しかし体側に大きな黒色斑があり、ショウサイフグと見分けられる。一方ショウサイフグではこの大きな黒色斑はないか、あっても分断される。ナシフグはマフグに似るが、黒色斑に明瞭な菊花のような縁取りを有する。なお、成魚は小名浜で「くろふぐ」と呼ばれているが、これは成魚になると模様が消失し体側の背方が黒っぽくなるのにちなむらしい。

もうひとつショウサイフグとの違いは臀鰭の色彩である。ショウサイフグは臀鰭が白っぽいが、マフグは黄色い。ただしマフグも幼魚のうちは白っぽく薄い黄色がかかるくらいなので、間違えやすいかも。最近マフグはトラフグの代用としても扱われ、価格もそれなりに高くなっているようである。しかし本種は皮膚に強い毒があるとされ、トラフグのように皮を食するということはできないようである。いずれにせよフグの同定は自己判断は危険なので、専門家にまかせるしかない。

今回のマフグは福井県の大栗靖彦さんより。冷凍されていたものを標本用として譲っていただいた。ありがとうございます。

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