魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

クロメヌケ

2016年11月10日 22時02分20秒 | 魚紹介

この魚は以前もご紹介した。スズキ目・メバル科・メバル属のクロメヌケ。最近は魚市場だけでなくスーパーの鮮魚コーナーでもこの魚を見ることができてうれしい。多くの場合標準和名の「クロメヌケ」ではなく、「青そい」なる名前で販売されていると思う。以前2013年にこのぶろぐで紹介したときには鱗なし、内臓なし、体の側面に切り込みが入ってる、という魚の写真を撮影する私としては正直見るに堪えないものであったが、今回ようやくきれいな個体を紹介できるのでとても楽しみなのだ。

種標準和名や地方名・別名にも「クロ」や「青」といった色の名前が入っている割には黄色い模様があって美しいのが特徴的。灰色っぽい地色に黄色っぽい模様が控えめにある様子はこけむした岩を思わせる。背鰭棘条数は通常14で、この仲間としてはやや多め、この個体は第8~11棘条間の鰭膜が破れているところがある。

頭部、眼の後下方に黒色の太い線が入り、メヌケというよりもむしろソイに近い雰囲気。ただ本種はメバル属の中の分類ではソイの仲間やオオサガなどの深海性大型種とは別の亜属に含められている模様。涙骨の棘はあまり目立たない感じでこの点では涙骨に明瞭な3棘があるクロソイと見分けやすいのかもしれない。

分布域は岩手県以北の太平洋岸、富山湾、山形県、そして北海道。北海道では各地沿岸に分布している。海外ではロシアから北米の太平洋岸にかけて広く分布している。今回の個体は北海道の羅臼で漁獲されたもの。採集方法は不明であるが、やや深い場所で行われる刺し網ではないかと思われる。この種は浅場から水深500mを超える深海にまで生息しているのだ。

今回はクロメヌケは昨年にニュウドウカジカなどを送っていただいたお友達の方から頂いたもので煮つけにしておいしくいただいた。ありがとうございました。

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