魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

シロゲンゲ

2016年11月26日 00時02分42秒 | 魚紹介

今日は以前少しだけ紹介していたのだが、全身の写真は今回初めて登場となる魚。スズキ目・ゲンゲ亜目・ゲンゲ科・シロゲンゲ属のシロゲンゲ。

この魚を入手した坂口さんが画像を送ってくれたのだが、体高が妙に高くて最初カムチャッカゲンゲ、もしくはオグロゲンゲという別の種のようにも見えた。彼は最初からシロゲンゲとおっしゃっていたのだがとてもそのように見えなかった。しかし届いて同定を行ったところ、シロゲンゲと同定できた。

シロゲンゲの側線

オグロゲンゲは側線が一本しかないのだが、シロゲンゲは二本ある。二本あるといっても側線二本が頭から尾まで走っているのではなく、頭部から体側の途中までを走る1本と、体側の途中から尾部までを走る1本の、合計2本あるということだ。オグロゲンゲは1本で側線が体側の中央付近でまがり、尾部にまで到達する。残念ながらオグロゲンゲの写真は持っていない。シロゲンゲの色彩は名前の通り海からあげてすぐのときは白っぽい色なのだが、陸にあげてしばらくすると灰色っぽく変わってしまう。これはカンテンゲンゲなど、ほかの同属の魚にも同様のことが言えるだろう。

分布域は広く、国内では八丈島、相模湾以北の太平洋岸、北海道オホーツク海岸に生息している。この個体もオホーツク海岸の羅臼で採集されたものである。海外ではオホーツク海、ベーリング海、アラスカ沖にまで分布しているが、日本海ではなぜか見られないようだ。

カンテンゲンゲ 岩手県産

カンテンゲンゲとシロゲンゲの違いは以前に書いた。シロゲンゲは眼隔域が広いが、カンテンゲンゲは狭い。

 

ほかにはシロゲンゲの胸部には鱗があるが、カンテンゲンゲの胸部には鱗がないという特徴もある。一方カムチャッカゲンゲやオグロゲンゲでは胸鰭基部上に鱗があるのに対し、シロゲンゲやカンテンゲンゲでは胸鰭基部上に鱗がない。

シロゲンゲの胸部。少し鱗が見えるが写真からはわかりにくい。

シロゲンゲの鱗

カンテンゲンゲの胸部には鱗がない

シロゲンゲは水深1620m以浅の深海にすむ深海魚である。漁法は釣り、底曳網、刺網など。東北地方太平洋岸沖の沖合底曳網漁業では多く漁獲されているようだ。シロゲンゲは日本に3種が知られ、ノロゲンゲは干物に使用されるが、本種やカンテンゲンゲなどの大きくなる魚はぶつ切りにして汁物にされている。今回は煮つけにしたが、肉がやわらかくて美味であった。下の写真の右の魚がそれである。

いつの間にかぶろぐの魚紹介のコーナーもみなさまのおかげで400回目になりました。ありがとうございます。

●おまけ

明日は午前中~午後3時くらいまで浅草寺そばの「アクアリウムバス」に行ってきます。

コメント
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