魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

チンアナゴ

2013年03月30日 19時20分05秒 | 魚紹介

アナゴ科の魚は日本から25種が知られていますが、このブログではギンアナゴくらいしか記事がありませんでした。
今回はアナゴのなかでも奇妙な種類、チンアナゴHeteroconger hassi (Klausewitz and Eibl-Eibesfeldt, 1959)をご紹介します。
チンアナゴはアナゴ科の中で、チンアナゴ亜科に含まれています。この仲間は胸鰭が小さく、体がほかのアナゴ科魚類よりも明らかに細長いという特徴があります。チンアナゴ亜科にはシンジュアナゴ属と、チンアナゴ属の2属からなり、いずれの属も日本に分布します。チンアナゴはチンアナゴ属で、同属の日本産種にはほかにゼブラアナゴHeteroconger polyzona Bleeker, 1868が知られます。ほか、マスクドガーデンイールHeteroconger lentiginosus Böhlke and Randall, 1981ではないかと考えられるものが和歌山や沖縄、愛媛などで写真撮影されています。
 
独特の生態は、サンゴ礁の水族の紹介にはほぼ確実といっていいほど取り上げられます。サンゴ礁域の近辺の砂底に多数生息し、砂の中から頭だけだしてプランクトンを捕食するのです。その生態から水族館でも人気の生物の一つです。観賞魚としても流通します。
 
 
チンアナゴの和名の由来は犬の「チン」ににている顔だから・・・だそうですがあまりピンと来ないような。英名はスポッテッド・ガーデンイールといいます。砂の中に頭だけだして何匹もいる様子は庭の草木を連想させるからでしょうか。スポッテッドは、体側の模様でしょう。体側の小さな斑紋のほか、大きな楕円形の黒色斑が二つ。
 
 
もうひとつある黒色斑は、肛門です。肛門はウナギ目魚類の同定には欠かせないポイントの一つ。シギウナギや、ホラアナゴ科のアサバホラアナゴなどのように、頭部のすぐ後ろにあるものもいます。
 
鰭はうまく立てられなかったのですが、低いけどちゃんと鰭があります。チンアナゴでは胸鰭はあるのですが、胸鰭を欠く種類もいます。
 
 
チンアナゴの生殖腺。卵のようです。同じアナゴ科のマアナゴは沖ノ鳥島などの産卵場まで回遊するといわれていますが、本種はどこで産卵するのでしょうか。
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