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魚のぶろぐ

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今日の魚 2007年10月31日

2007年10月31日 21時08分29秒 | 今日の魚(不定期更新)

もう10月も終わりです。今日の魚は・・・

クロオビマツカサ Myripristis kuntee   Cuvier

今回はイットウダイ科の普通種を紹介します。クロオビマツカサです。この魚は熱帯サンゴ礁域に多く見られ、高知県以南の岩礁域にもいます。高知県では夜間に釣りで漁獲されることが多いです。


●名前の由来

名前の由来は鰓蓋付近に長い黒色帯があることです。英名のShoulderbar soldierfishというのも、そこから来ているのでしょう。科の学名HolocentridaeというのはHolocentrus属という属から来ているのですが、この仲間は日本からは知られていません。ただし、ノボリエビス属という標準和名がつけられています。


クロオビマツカサ 2007年10月高知県で採集。

 

●分類

本種はキンメダイ目イットウダイ科に含まれます。このイットウダイ科にはイットウダイ亜科とアカマツカサ亜科の2亜科に分けられ、このうち、本種はアカマツカサ亜科のアカマツカサ属に属します。アカマツカサ属は日本からは15種類が報告されています。

本種と同じイットウダイ科に属するが、別亜科に含まれるニジエビス

生態

この仲間は総じて夜行性で、夜釣りで釣れますが、なぜか昼間はまったくといっていいほど釣れません。昼間は洞窟や岩の隙間などに隠れているといわれます。肉食性で小魚や甲殻類を捕食します。

●利用

イットウダイ科は本州ではあまり食用としての人気はありませんが、沖縄では塩焼きやから揚げにして食べられます。本種は観賞魚にもなります。

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今日の魚 2007年10月18日

2007年10月18日 18時42分18秒 | 今日の魚(不定期更新)

 

今日の魚 2007年10月18日

ミツボシキュウセン Halichoeres trimaculatus   (Quoy and Gaimard)

秋も深まり、過ごしやすいシーズン到来です。私の場合はもう少し海に出かけます。四国の海にはオフシーズンはありません。

●分布

和歌山県以南、太平洋~東インド洋にかけて分布します。本種はこの海域に生息するキュウセン属の普通種です。本種沿岸でも幼魚は見られますが、成魚は紀伊半島以南に多いです。

●名前の由来

名前の由来は体側に黒色紋が3つあることからつけられました。しかしこの特徴は幼魚では不明瞭ですね。学名も、英名のThreespot wrasseも、これが由来となっています。

●生息地

サンゴ礁域の砂地に生息しています。しかし高知のような場所ではサンゴ礁のほかに磯にも見られます。防波堤の環境では未だ見たことはありません。

●生活

肉食性で甲殻類や多毛類を捕食します。一夫多妻の生活様式(ハーレム)をもちます。雄1匹につき、雌2~3個体が妻になります。本種はヒメジの仲間に付き添って、ヒメジの捕食する餌のおこぼれにありつこうとします。幼魚は死滅回遊魚とされていますが、高知では越冬します。ただし、冬は砂に潜るため見られません。

●味

から揚げは美味しかったです。

沖縄で採集した雄の個体

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今日の魚 2007年10月5日

2007年10月04日 23時35分13秒 | 今日の魚(不定期更新)

今日の魚 2007年10月5日

クラカオスズメダイ Amblyglyphidodon curacao   (Bloch,1787 ) 

クラカオスズメダイは、奄美以南のサンゴ礁域に生息するスズキ目スズメダイ科の魚です。体高はスズメダイの仲間では高いほうで、体には不明瞭な黒色横帯があります。

 

●クラカオスズメダイの名前

WEB魚図鑑のBBSで何故クラカオスズメダイという名前がつけられたのか尋ねてみると、Syouさんのわかりやすい回答が。有難うございます。「クラカオ」というのは、南米北東部にある石油の産地で有名なオランダ領の島の名前だそうです。

ちなみに一昔前までこの魚の和名は「コバンスズメダイ」でした。なるほど、確かに「コバン」のイメージがしますね。

ちなみにFishbaseでは英名は「Staghorn damselfish」だそうですが、なぜ「鹿の角」なのでしょうかね。

●クラカオスズメダイの仲間

この仲間は世界で約11種います。分布域はインド・太平洋の熱帯域で、キュラソー島のある大西洋には分布していません。

うち日本産は4種類でクラカオスズメダイ、ニセクラカオスズメダイ、ナミスズメダイ、ヤマブキスズメダイの4種類が知られます。

●生息地

本種はサンゴ礁に多く生息しますが、磯にも見られます。また、那覇近郊でも多く確認しています。釣りをしていると本種がうじゃうじゃと釣れます。

クラカオスズメダイを採集した場所には他にもロクセンスズメダイ、オヤビッチャ、ネッタイスズメダイ、アイスズメダイ、セダカスズメダイ、ルリスズメダイ、オジロスズメダイ、メガネスズメダイ等のスズメダイ類と暮らしていることを確認しました。

●食味

福岡県の郷土料理にあぶってかもというのがあります。これは干したスズメダイのことで、焼いて食べます。また沖縄や東京都島嶼ではオヤビッチャやロクセンスズメダイを食用にしています。いずれも、かなり美味しいものです。

では、このクラカオスズメダイは、どうでしょうか。

から揚げにして、食べてみました。

感想は「美味しい」です。体高が高いせいか、肉量があり、脂がよく乗っていて、美味しかったです。いつか、塩焼きのレポートもしたいと思います。これもきっと、美味しいと思いますョ。

沖縄で採集したクラカオスズメダイ、上の個体とは別のもの。

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今日の魚 2007年9月21日

2007年09月21日 19時45分18秒 | 今日の魚(不定期更新)

今日の魚 2007年9月21日

カワヒガイ Sarcocheilichthys variegatus variegatus  (Temminck and Schlegel)

今回紹介するのは、コイ科の淡水魚、カワヒガイです。この写真の個体は雄で、婚姻色が現れています。タナゴ類やヒガイ類、ダニオ亜科の魚の雄は、繁殖期に美しい婚姻色を出現させ、華やかです。

 

●分布

濃尾平野から西の本州(山口県を除く)と九州北部、長崎県壱岐に分布します。Sarcocheilichthys variegatus という種類にはい3つの亜種が知られ、内日本には2亜種が知られています(後述)。

●分類

前にも述べたようにSarcocheilichthys variegatus という種類には3つの亜種が知られます。

Sarcocheilichthys variegatus variegatus  (Temminck and Schlegel) カワヒガイ

Sarcocheilichthys variegatus microoculus  Mori ビワヒガイ

Sarcocheilichthys variegatus wakiyae Mori ミナミヒガイ
このうち、カワヒガイが基亜種になります。本種はこの3亜種の中でもっとも早く見つかりました。亜種という概念はやや難しいので、ここでは飛ばします。

ヒガイの仲間は全てコイ目ヒガイ亜科に含まれます。ヒガイ亜科に含まれるものには他にもムギツク、モツゴ、ヤガタムギツクなどがいます。

●生態

ヒガイの仲間は二枚貝に卵を産むという変わった習性があります。産卵期は初夏ごろで、このころには派手な婚姻色の雄が採集されます。本種は主に河川中流域に生息し、同じヒガイ亜科ではムギツクと共存することが多いです。モツゴはやや流れが緩やかな場所に多いでしょうか。

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今日の魚 2007年9月14日

2007年09月14日 22時52分23秒 | 今日の魚(不定期更新)

今日の魚 2007年9月14日

キンセンイシモチ Apogon properuptus   (Whitley)

キンセンイシモチはこのブログでも何度か紹介しましたが、「今日の魚」で紹介するのは初めてです。黄色の地色と白色線のある、綺麗な魚です。

●分布
日本では千葉県以南に見られますが多くなるのはもう少し南です。テンジクダイ科魚種は熱帯性のものが多く、本種もそうだと思われます。四国沿岸では浅瀬で見られます。

●名前の由来
かつてイシモチと呼ばていたのは、現在「ニベ」と呼ばれる魚の類です。そのうちの現在の標準和名シログチと呼ばれる魚は「イシモチ」と呼ばれていました。
由来は、本種の頭部には大きな耳石があるためです。この耳石は硬骨魚の全てにありますが、魚によって大きさ、形は様々です。そして、テンジクダイの仲間も5,6cmという小さな体長の割には大きな耳石を持っているのです。

属名のApogon(アポゴン)というのは、テンジクダイ属の属名です。ギリシャ語でa~というのは、「~ない」、pogonというものは「ヒゲ」という意味です。

欧州の人々は、この仲間をヒメジの類に近縁だと考え、下あごにひげを持たない本属魚種に「ひげがない」とつけたようです。確かに、背鰭が二基であることなど、ヒメジに一見してよく似ています。実際にオオスジイシモチやスジイシモチは、ヒメジ類といることもあるようです。

●習性

テンジクダイ科の魚は口の中で卵を育てるマウスブリーダーです。この様な行為は他にもアゴアマダイ科の魚やカワスズメ科の魚の一部に見られ、原始的な硬骨魚であるアロワナもこのような習性を持ちます。本種も口の中で子供を育てます。卵は最初橙色ですが、3~4日後には銀色になり、おおよそ一週間で卵は孵化します。しかし、稚魚に大量の餌を与えなければならず、さらに親が卵を食べてしまうこともあるようで、繁殖はなかなか難しいです。

●利用

テンジクダイ科魚種は一部の種を除き、食用になりません。全長20cm以上になるリュウキュウヤライイシモチなどは食べられますが。本種やマンジュウイシモチ、ネオンテンジクダイなど、テンジクダイでも色彩が美しいものは観賞魚になります。

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