2023/10/6放送
「世の光」の時間です。お元気でお過ごしですか? インマヌエル桂町キリスト教会の矢木良雄です。
9月、10月は台風のシーズンでもあります。最近の台風は荒っぽくて、大きな被害をまき散らしていきます。
台風で思い出すのは、長く小学校教員を務められた児童文学者の灰谷健次郎さんです。子どもたちの詩を集めた作品もあります。その中に、小学5年生の笹尾進くんの詩「今は台風の真っ最中」が載せられています。
こんな出だしです。
「今は台風の真っ最中
ぼくは台風が大好きだ
男らしいから
先生もきっと台風が好きだ
風速40メートルがなんだってんだ」
でも、強がっているすぐあとに、急に先生に手紙を書きたくなって、停電の中、ろうそくの明かりで手紙を書き始めます。今ごろ先生どうしているかなあ、と。
強がってみてもやっぱりちょっと不安で心細いのです。それがちょっとひねって詩に表現されていて、心がほっこりします。
新約聖書のマタイの福音書、その締めくくりに復活されたイエス様のことばが書かれています。
「見よ。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます」
福音書が書かれたのは紀元1世紀が終わろうとする頃です。地中海世界に広がった教会、そしてクリスチャンたち。宣教の拡大とともに困難な問題も重なってきます。何よりも当時の世界の統治者であったローマ帝国の圧迫・迫害はいよいよ勢いを増していきます。地域的な迫害や軋轢、衝突は日常茶飯事、どこにでもあったのです。息苦しい、暗さを増していく時代です。台風が近づきつつある、あるいは台風の真っ只中に置かれていた教会、クリスチャンたちでした。強がりは通用する世界ではありません。だからこそイエス様は語りかけてくださったのです。
イエス様と寝食を共にした弟子たちは一人また一人と世を去って行きました。どれほど憧れても過ぎ去った福音書の時代に戻ることはできません。でもイエス様は約束してくださいます。「いつも、これからも、わたしはあなたがたとともにいます」
今は、さまざまな意味で台風の接近を予感させる時代です。私たちも不安を感じたら、笹尾くんに倣って手紙を書いてみたいと思います。お祈りによって。
( PBA制作「世の光」 2023.10.6でのお話しより )
******
さて、この番組を制作しているPBAの「世の光」の係りでは分りやすい聖書通信講座を用意していて、初めての方には無料の入門コースがお勧めとの事。詳しくはPBAに案内書を申し込みましょう。日曜日に教会を覗いてみるというのもいいんじゃないかなあ。日曜日は大抵、朝10時か、10時半頃からお昼頃まで集まっていて誰が行ってもオーケー。PBAに聞くと近くの教会を紹介してくれるので、気軽に問い合わせるといいでしょう。問い合わせ先は、mail@pba-net.comです。
******
このサイトは URL名として http://yonohikari.biblica.info が使えます。携帯からもこのURLでどうぞ。